【オーディオ用USBケーブル比較】
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「オーディオ用USBケーブル」で検索すると、マ〇イ〇トとかマ〇〇ビとかランク〇とか、明らかにオーディオを良く知らない、用語の使い方がおかしい、読んだ感じUSBケーブルの比較経験も全く無さそうな広告収入目的の大手ランキング比較サイトが上位に複数並んでいて驚愕している今日この頃、皆さん如何お過ごしですか?(@_@;)
箱庭”AUDIO STYLE”は9割が音楽とオーディオ、あと少し手持ちの家電とPCガジェット以外のことは殆ど考えない、ガチの辺境系濃縮1000%オーディオ専門ブログ。広告を掲載はしていますが忖度はしませんし、エアレビューばかりのインチキランキングサイトとは違って「マニアの本音」目線で執筆しています。この道30年のベテランオーディオマニアが独断と偏見丸出し\(^o^;)/で厳選しつつ「実際に管理人自身がテストした」製品の徹底レビューしか載せていませんV(^_-)。と云う事で、今日のお題は久しぶりに「オーディオ用USBケーブル」行ってみます!
久しぶりのオーディオ用高音質USBケーブルの聴き比べエントリでが、今回紹介するものはAIM SHIELDIO UAC。SUPRA USB 2.0。Wireworld Ultraviolet Series7・・・全て20~21cm。ご存じの方はご存じと思いますが、例のStereo別冊付録「高音質USBケーブル SPECIAL for PCオーディオ」です。そして後から追加したのがWireworld Chroma Series7 1mとSUPRA USB 2.0 0.7mタイプ。実はこのエントリ、4年前Stereo誌別冊USBケーブル付録付きムックが話題になったときに半分書き上げているものだったりします。なぜか当時は色々あって公開しなかったので(滝汗)・・・今更ですが再検証した上で追加リライトしつつ公開する事にしました。
オーディオ用USBケーブル音質比較テスト環境
比較に使用したシステムはいつもの箱庭ピュアオーディオデスクトップPCオーディオ。現在の構成は以下になります。
・PCトランスポート ASUS VivoMini VC65-G108Z (非音楽専用機)
・ストレージ SAMSUNG 870QVO SSD (PC内蔵サブドライブ)
・USBケーブル SUPRA USB2.0
・D/Dコンバーター Trends Audio UD-10.1 USB
・S/PDIF同軸デジタルケーブル QED Reference Digital Coaxial Audio Cable 70cm
・S/PDIF光デジタルケーブル(4年前) AUDIOTRAK GlassBlack2+50cm
・D/Aコンバーター Firestone Audio Spitfire 24BIT DAC
・デジタルアンプ Trends Audio Class-T Amplifier TA-10.1
・スピーカーケーブル NORDOST Wyrewizard Spellbinder
・スピーカー ELAC CINEMA 2SAT
一応結論から先に書きますが、客観論としてバランスが良いと思うのはAIM SHIELDIO UAC。2番手がWireworld Ultravioletです。ジャズ系特化で美味しいのはZonotone 6N USB 2.0。SUPRAは繊細で上品な美音系サウンドがクラシック音楽向き。以前に単体でレビューしていますが、音楽性(音楽表現力)1位はWireworld Chroma Series7。箱庭ピュアオーディオ管理人が使う比較的安価なデスクトップPCオーディオでの表現力向上には効果的。ただしWireworldのローエンドモデルだけあって音質はあんまり誉められたレベルにはありません。。。現在ではSUPRA USB 2.0 0.7mタイプに置き換わっています。レビュワーは同じ管理人ですけれど、4年前のテストと今回のテストを敢えて別々に掲載してみました。それでは詳細レビューいってみま~す♪
AIM SHIELDIO UAC
AIM SHIELDIO UAC。導体はOFC+銀メッキ銅ツイストペア2組にセパレートフラット構造。SHIELDはアルミ箔+銅編組。絶縁体はポリオレフィン。映像用高級HDMIケーブルで有名な国内メーカーによる日本製です。他のUSBケーブルに比べて音場の後方展開スケールが大きく、ワイドレンジで豊かなボリューム感があります。ダイナミックレンジも広く感じる。音色は銀メッキ臭丸出し。但し音楽性は中庸。音楽的な意味では深み、細やかな心情描写は苦手なのが気になる点。AIM SHIELDIO UACは単純な音質面ではこの中で最も優れているのですけれど、銀線臭が強いのとメロディーラインに集中力が無いというか、音楽描写が淡々と凡庸に聴こえるのが欠点かな。音楽性が足りないと云うよりは、そこら辺の盛り付けに脚色が少なく、ごく普通に描写してくる感じです。
AIM SHIELDIO UAC 2021再レビュー
敢えて気になる欠点が少なく、最も纏まりの良いバランスの取れた音がします。SUPRA同様・・・と云うかそれ以上に銀メッキらしい美音系の明るい音色ですけれど、SUPRAに比べると歪み感が少なく、音場の奥行きが良好。(SUPRAほど)高域が上方向へ引っ張られる感じも無い。ピアノの右手方向は適度な潤いがあり、あたりに仄かな弾力があって耳当たりが良くチャーミング。全体的に歪みっぽさが無く、明るく屈託の無い鳴り方で、客観的に万人にお薦め出来るバランスの良さはAIM SHIELDIO UACと云えそう。音場の隅々まで光が当たっているので陰影の影の表現は苦手。PCオーディオのモノクローム感を払拭出来るのは個人的に大きなメリット。
Zonotone 6N USB 2.0
導体は6N銅+純銀コーティングHigher-OFCハイブリッド4芯構造。銀メッキOFC線編組シールド。絶縁体は架橋PE+ドレインワイヤー+アルミPETテープ。Zonotoneは日本を代表するオーディオケーブルメーカーの一つ。Zonotone 6N USB パリッとしゃくれた感じのかなり明るい中高域。レンジは中域~中高域寄りであまり広くない。少しドライで残響がデッド傾向。空間は狭め。S/Nはあんまり良くない。音質的にはあれ?という部分があるのだけど、音像描写が気持ちよく、リズムが軽快で音楽の流れを掴むのは巧い。なかなか個性的。寝ぼけた音のシステムに突っ込んだら良くなりそう。
Zonotone 6N USB 2.0 2021再レビュー
一聴してZonotoneだなと。独特の粒子感と少し乾いた音色で楽器の美味しいところを掴む、ジャズ系の音源になると突然音色のリアル感の増す魅力的な音作り。今回比較した他のUSBケーブルに比べて広がり・・・音場がスケールが小さく、小さめの定位で箱庭的に展開され、エネルギーの張り出しが中~中高域に寄っていて、レンジの広がりは上下が圧縮される印象。銀線臭は他の3本と異なりそれほど感じられず。Stereo付録の4本の中では良い意味で一番キャラクターが強いと思います。それでも敢えてZonotoneを指名買いょするとしたらもう少しキャラが濃くても良い気がしなく、今から買うとしたら後継上位モデルのUSB-Grandioにした方が幸せになれると思います。
SUPRA USB 2.0 /0.2m
Made in Sweden。SUPRAは欧州を代表する工業線材メーカーJenving社のコンシューマーオーディオ映像向け高級ブランド。導体は錫メッキ5N OFC多芯ツイストペア構造。シールドはPEフォーム+アルミ箔。絶縁体は綿介在による空気層+PVCジャケット。音質は繊細で上品。fレンジはフラット。悪く云うと縦に平面的。分解能が高い。音像描写の線が細く、中高域には滲み感というかチリチリとしたアクセントがある。抑制が効いていて古楽器等のクラシック音楽向き。
SUPRA USB 2.0 /0.2m 2021再レビュー
SUPRA独特の繊細感と上品さが耳を惹く音色。S/N良好で清涼感が高く温度感低め。他のケーブルに比べると音場が腰高で少しハイバランス。音抜けが良く輪郭線は強調される。内面的なマイナス方向の音楽性が高いのも特徴。間接音の響きが多くひんやりした北欧の空気感。
SUPRA USB 2.0 /0.7m
管理人がここ一年ほど使い続けているのがSUPRAのUSBケーブルです。Stereo付録の0.2mが中で一番好みに合っていましたので、通常のセッティング上必要な0.7mを購入しました。しかし長尺化でテラテラした艶感がより強くなり、引き換えに鮮度感(分解能/情報量)が僅かに後退しています。(実即0.75mあります。)結果・・・薄々気付いてはいましたけれど、0.2mで感じるマイナス方向の音楽性とディテールの魅力が幾許か埋もれてしまい、1:1で比べると微妙に音質が落ちてるかなぁと(滝汗)。情報量と鮮度感が落ちるのに中高域の派手さ、キツさは残ってしまう感じです。詳細は↓にレビューしました。
Wireworld UltraViolet Series7
アメリカ製。導体は銀メッキ4NOFC Symmetricon design/電源ライン別。絶縁体Composilex 2。Wireworld UltraViolet Chromaに銀線臭を足した音。高域の質感が残念なChromaに比べて明るくスケールが大きくなり、Chromaよりも響きが更にふくよかになっている反面、高さ方向の伸びや解像度はあまり上がっていないのでバタ臭くなってしまい妙な感じ。せっかくの音楽性が色付けに埋もれる。これなら低域寄りに解像度が高く聴こえるChromaの方が、まだ音楽的に判りやすくて好みかも(^^;)。Ultravioletと比較するとChromaは低域の沈み込みが深い為に定位が全体に低くなります。中域~中高域、ヴァイオリンの帯域やソプラノの帯域の輪郭が明るく明快で抜けも良い。その上の高域はデッドなのですけれど。。。
Wireworld UltraViolet Series7 2021再レビュー
シンメトリコンデザインの構造的にはChromaに銀メッキを掛けているだけだと思いますが、Chromaで感じるウォームだけれど清潔感に欠ける感じはかなり払拭され、音楽的な闊達さをある程度維持したまま、一気に上品でクールな高級感を伴う滑らかな響きが乗ります。要するに高域方向へのクオリティが大きく改善されています。4年前に十分な高域の伸びを感じなかったのは、エージング無しの新品直ぐだったからぽい。。。その代わりとして、Chromaの持つホットなエロティシズムは50%くらい減退(※それでも他よりは音楽性が高い)。Chroma程では無いですけれど、他のUSBケーブルに比べると音像のディティールに未だザックリした部分があり、音数のコントロール面でもう少し空間透明度が高いと尚好みなので惜しい印象。但しこれについてはあくまでWireworld的に下から2番目のUSBケーブルと云うことで。4年前のテストでは実はあんまり良いと思わなかったのですけれど、今回はWireworld Ultravioletがかなり良く聴こえます。後継の新型Series8では構造が変更され絶縁体もComposilex 3 となっていますので(USBケーブルは日進月歩であるが故に)品質的には新型Series8を素直に選んだ方が良さそう。
Wireworld Chroma Series7
Wireworld Chroma Series7 2021再レビュー
アメリカ製。うん。この中では透明度が低く、音質的なクオリティは一番下。人によっては酷い音だなと言いそう(滝汗)。上方向のオーディオ的な品質は置き去りにしつつ、中域~低域方向のエネルギーに寄ってる。ただなんだろう?バタ臭くて清潔感皆無なのですけれど、ホットで楽しげな音がするのです♪。銀コート線と違ってレンガ色のカラーレーションががっつり乗っているのが玉に瑕ですけれど、表現そのものは一番明るい。とても洋楽向きと云うか更にカントリー向きで良くも悪くもいかにもアメリカ的なローファイサウンドです。
~まとめ~
DDC→DAC間のS/PDIFデジタルケーブルや電源周り等々、細部のシステム構成が4年前とある程度入れ替わっている為か音質評価に若干のブレがありますけれど、ざっくりとは同じ印象かなと。ちなみにレビューはあくまで管理人のデスクトップPC上での超ローカルな結果ですので、他のシステムになるとそれぞれで(管理人自身でも)評価が変わります。これは別に公平を期しているわけでは無く、ホントにシステム次第で変わりますので、幾許かの参考にはしても、まるっと真に受けないでね(滝汗)。
あとは、実のところSUPRAの音質に飽きが来てしまっているなぁと。。。今回はそれもあってAIM SHIELDIO UACとUltravioletが存外良いな~と感じたり。AIMの明るさはPCオーディオでどうしても気になるモノクローム感の払拭にとても効果的ですし、Ultravioletは流石にChromaよりも大分まともなバランスに。と云っても実際にWireworldのUSBケーブルに手を出すとしたら、更に上位クラスのUSBケーブルPlatinum Starlightを選ぶとは思いますけれども。。。こんなことなら昨年Wireworld Series7のSeries8へのモデルチェンジで、在庫処分USBケーブルが半額以下で出ていた間にサクッと確保しておくべきでした・・・orz ※Wireworld製品は数年に1回のほぼ全製品モデルチェンジのタイミングで旧モデル在庫が超特価になります。
そう云えばUSBケーブルは長さでかなり変わると言われてますけれども、実際僅か数十センチ単位でも影響力大でした。SUPRAの同一ケーブルとUltraviolet/Chromaで垣間見える鮮度感の差から図らずも長さの悪影響を実感させられる羽目に。。。USBケーブルを使う距離は無理の無い範囲で最短距離を狙う方が望ましいと思います。管理人のデスクトップPCオーディオでしたら、出来れば20cmのUSBケーブルにDDCを繋げた上で、DACまでは長尺1.5mのS/PDIFデジタルケーブルで配線する方が、同じケーブルを使う場合でも確実にマシになると思います。※やらないのは単純に1.5mの高音質デジタルRCA/光ケーブルが手元に余っていないからです。
それから、これもあくまでうちのシステムの場合ではあるのですが、DDCを挟んでPC→USBケーブル→DDC→S/PDIF→DACの構成で色々取っ替え引っ替えした印象としては、USBケーブルによる音質差よりも、S/PDIFデジタルケーブル(光/同軸)での違いのほうが正直遥かに大きいです。S/PDIF側での看過出来ない激変具合と比べると、USBケーブル側はどれも一定の枠内に変化が収まっているイメージで、所詮はドングリの背比べかな~と。音色傾向が少し変わるだけでなんだか次元の低いケーブルの比較をしている感が否めず、クオリティそのものが劇的に向上しそうな感じが余りしません。
うちの場合、ピュアオーディオシステムからのお下がりでそれなりに良い音質のデジタルケーブルを宛がえるS/PDIF側に比べ、エントリークラスのUSBケーブルしか使っていないからかもですが・・・。なんかでも、この差ってそういった次元では無い気もするのですよね。箱庭デスクトップPCオーディオ環境は、DDCを介すことで何だかんだとUSBケーブルのネガティブな影響が中和されているのかもですけれどねっ\(^^@)/。たぶんUSBについてはピュアオーディオ向けの一部のUSBケーブルで行われているように、電源ラインを分離別供給するスタイルにしないと根本的に解決しない気がします。
冒頭で書いたオーディオ用USBケーブルのランキングサイトについて
読んでみたら突っ込みどころ満載でしたので、オーディオ初心者さんが騙されないように訂正しておくと、
※ハイレゾ対応→ただのハッタリ。はっきり言って音質にも品質にも全く関係ないです。
※ケーブルはとり回しやすい長さを選ぶ→配線出来る範囲で短い方が良い。加えて屈曲性の悪さは音質追求の結果です。
※金メッキ端子→オーディオグレードで金メッキやロジウムメッキされていない製品はほぼ無い。実質どうでもいい。
※やたらノイズ低減の連呼→全製品夫々に工夫していますので一々そこばかりをアピールするのは無意味。
※編組率100%→なんだそれ?まじかるぽか~ん( ゜Д゜)
※OFC値→はじめて読んだ謎の呪文。6Nや7Nのことを言いたいのかな?w
※OFCの99.5%や99.99%は今時高純度とは云えず相対的に低純度です。ちなみにオーディオ界隈で銅純度にやたらこだわっていたのは20年くらい前の話です。
こんな感じですので、ガチのマニアが読めば誰でも一瞬で、半可通の自称専門家によるシッタカレビューだと判ります。これらの大手ランキングサイトは、オーディオマニア以外のオーディオの実情をあまり良く知らない人達や初心者さんをターゲットに、ネット広告で売上が上位の製品を順に並べ、半可通のままいい加減な解説をカタログからコピペして適当に並べただけ。殆どは現物での比較実態が無い、俗に云う「エアレビュー」と呼ばれるものです。オーディオに対して真の情熱を感じる有用なサイトであれば、広告があろうがライバルブログであろうが、箱庭”AUDIO STYLE”ではこれまで惜しまず積極的にリンク紹介をしてきました。けれども本当にこういった儲け主義のランキングサイトはいなくなって欲しいです(-_-;)
Category:デスクトップPCオーディオを極める
Category:オーディオ用USBケーブル
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