ORB INNOVA TS7 スピーカーケーブル購入レビュー♪

ORB INNOVA TS7の素材と構造

今回紹介するのは、ORBの完成品ピーカーケーブルORB INNOVA TS7 YYS2.5(シングルワイヤー仕様)。QUAD Lite-2CREEKのサブシステムに移設する前まで、小型真空管プリメインアンプMiuaudio MKTP-2とのバイワイヤリング接続低域側で数年使っていたスピーカーケーブルです。切り売りの希望小売価格は3300円/m、完成品はORBの2層純金メッキYラグ端子ORB HL-YS付きで27000円/2.5mペア。バナナプラグ仕様になるとずっと価格が高いのですが、社外品のFURUTECH FP-202 (G)を採用している為と思われます。音質や加工技術料を考えれば自社製Y端子の完成品が割とお得かも。ちなみに今となっては貴重なPCOCC線材です。

ORB INNOVA TS7

基本的に最短距離配線を推奨している管理人としては、1m足らずで配線出来るコンパクトシステムのセッティングに、片側2.5mのスピーカーケーブルを繋ぐことに若干抵抗がるのですけれど、これはまぁ音質テストということでご容赦・・・。(尚、長さでも音質は多少変わりますが、ケーブルを別銘柄にしたときのような根本的な違いでは無く、あくまで同じ音色の中での鮮度差ですので。)

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尚、管理人が購入した完成品は以前にオーディオユニオンで数量限定販売されていた、黒い編組シースジャケット付きの限定仕様ですが、通常モデルには編組シースが無く、紫色の導体が剥き出しになります。※自作界隈の皆様は良くご存じですが、編組シースの有無で多少音質は変わります。

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ORB INNOVA TS7 音質レビュー

音出しをしてみると、甘くウォーム且つすべやかで滑らかな音色、中域から低域が充実していてゆったりとリラックスした雰囲気になり、ウェットで響きが多く極めてリッチな鳴り方です。共感覚的に喩えると赤い音色のSPケーブルで、まるで響きの良いコンサートホールの真ん中あたりで音楽を聴いている雰囲気に。中肉のリッチな音ではありますが、他のPCOCC線材でありがちな粗さや極端な押し出しの強さは上手に抑えられ、総じてマイルドな印象です。

今回購入したものはシングルワイヤー仕様。導体が0.26×4本にバイワイヤー仕様の4芯線を片側2本で束ねていますので、実質4.35SQの極太導体になります。超小型スピーカーであるが故に低域が弱いQUAD Lite-2にINNOVA TS7を繋いだ場合、ウーファー側の音が充実すると共にハイ上がりバランスが解消されてまともなサウンドバランスになります。弱点は微小情報が残響の多さに埋没する感じで音数があまり多く感じられないのと、大スケアと長尺から来ると思われる制動力の甘さでしょうか。。。

音楽性はゆったりしてリズム隊の闊達さとスピード感が多少損なわれるものの、独特の甘い音色には深みがあり、語り口の巧さが際立つ印象。やはりQUAD Lite-2との相性は素晴らしいなと再確認。ケーブルの支配力がかなり強いため、なんだか他のスピーカーケーブルと比べて全く別のシステムのような音質になってしまいますけれど(滝汗) それほど高価格帯の製品では無いのにもかかわらず、音色はORB製品らしく、国産メーカーの製品とは思えないリッチ且つハイエンドライクな薫りがするのが魅力です。

Miuaudio MKTP-2 ORB INNOVA TS7
INNOVA TS7は太くて重いので、軽い超小型アンプに繋ぐのは厳しいです…( 3△3 ).。o

線材とQUAD Lite-2との相性が良いので、ここは4×4・・・INNOVA TS7バイワイヤリング仕様を繋いだ場合、もしかすると更に良好な音質を得ることが出来るかも知れません。

DALI MENUETでの接続テスト

ちなみにこのINNOVA TS7、DALI MENUETに繋いだ場合には一転して覇気が無くなり音楽性が一気に損なわれてしまうので、やっぱりSPケーブルの相性って大事だなぁと。音色のイメージでは合いそうだったのに、実際に繋げてみると予想に反して全く合いませんでした…( 3△3 ).。o。サウンドバランスがウーファー側に偏ってしまい、制動があからさまに重ったるくなります。

DALI MENUET ウォールナット仕上げ

これが2芯(2.17SQ相当)であれば未だバランスが崩れたりしなかったと思うのですが、4.35SQの線径は少々オーバーだった模様。いくつかのスピーカーケーブルを試した感じ、シングルワイヤリング仕様のDALI MENUETには3SQ前後が最も聴感F特バランス的に良く聴こえるのですが、3SQのSPケーブルって案外少ないのですよね…( 3△3 ).。o。ちなみに国内では販売されていないDALI純正の高級スピーカーケーブルは3SQ相当になっています。

以前はQUAD Lite-2のウーファー側にINNOVA TS7、ツィーター側Acoustic Harmony N1の完全なバイワイヤリング接続にしていましたが、CREEKのシステム音楽性の高さを重視する場合には、INNOVA TS7のシングルワイヤリングにして、付属のジャンパーを使わずに、より高音質なジャンパーケーブルを見繕った方が良さそう。

解像度が高くややドライで歪みが少なく、音数の多いタイプのジャンパーを奢ったる事で良い結果が出そうな雰囲気です。スピーカー付属の真鍮ジャンパープレートではどうも高域が歪んで少々ヒステリックになりますから。

~まとめ~

個人的にORBブランドの製品は好きで、電源ケーブルを複数本、他にもORB INNOVA TS7にも使われているY端子等々のメッキパーツも自作用にいくつも愛用しています。オーディオ向けメッキパーツの品質はORBがたぶん世界一ORB製品は総じて、フラットで解像度の高い音質を狙うよりは、マイルドで音楽的、ウォームでリッチ、エレガントなサウンドを狙う場合に向いている様に感じます。手持ちのスピーカーとアンプ間の相性及び長さの問題から、現在INNOVA TS7はお蔵入りしていますけれど、客観的にみてCPは高く、この価格対でハイエンドケーブルのような支配力のある音質が得られますので、スピーカーとの相性によっては他に得がたい魅力のサウンドを愉しむことが出来ると思います。

+For
 厚みのある豊かでエレガントなサウンドが得られる
 生産終了したPCOCC線材のみが持つ個性
 金メッキY端子、バナナプラグ共に品質が良い
 切り売りでも入手可能

-Against
 ハイスピード、フラットバランスを狙うには向いていない

categoryCategory:スピーカーケーブル

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