OPPO Digital、AV/オーディオ製品の企画・開発を終了 (2018/4/4)
OPPO Digital新規製品開発終了の衝撃とディスクプレーヤー市場の転換点
管理人が今までOPPOについて興味が薄く、SONICA DACやUDP-205など、オーディオAV機器界隈で大ヒットして周りが騒いでいるにも関わらず、敢えて距離を置いてほとんど語らなかった理由は、この事実上の中華メーカーが、まるで米国製品であるかの如くミスリードを誘うように出自を喧伝していたこともありましたが、それ以上に、OPPOの製品群が、デザイン面を含め極めて消費家電的な発想で作られていて、ピュアオーディオメーカーに必要な情熱としての、音楽やオーディオ文化に対してのこだわりと愛情が、何故か不思議と感じられなかったのが大きかったのが正直なところです。
けれどもまさか、それが突然の市場撤退と言う形で早々に、彼らを高く評価したオーディオマニア層に後足で砂をかける形で答えが出てしまうとは正直思いもしませんでした。今となっては逸品館さんがこちらの比較レビュー記事などで、代理店と仲違いしたり、各所から叩かれながらもあれだけ酷評していたのは、やはり老舗オーディオ店としてのとしての長年の勘というか、目利きとしての見る目ががあったと言わざるを得ないと思います。
受注数に製造が間に合わない状況にもかかわらず、3月末に突然製造終了したSONICA DACなど、一般庶民のオーディオマニアの多数派層にとって本来一番必要とされている価格帯に、ESS DAC ES9038PROチップを採用したある意味で価格破壊とも取れる性能のヒット商品を久々に投入してきた辺り、ビジネスに国産メーカーには無い勢いがあって戦略的でニクいな~・・・私の好みでは無いですけれども、色々な意味であっぱれ♪と云う、オーディオ市場の活性化の為にもまんざらでも無い想いが少なからずあったのですが・・・(涙)
近年の縮小したピュアオーディオ市場は低価格帯でさしたる利益など出るはずもなく、OPPOの撤退判断をお金儲けの視点からだけ見れば、ビジネス上の経営判断としては迅速である意味正しい選択と言わざるを得ない部分があるとは思います。それでも、オーディオや音楽、映像芸術と云う、決して生活必需品ではない、だがしかし人の心に訴える目に見えないアートに関わる製品群を提供する覚悟というものは、ビジネスである以上に作り手側の根源的な文化への執着と情熱がなければ関わるべきではないですし、そもそも信念抜きには続かないものだと思っています。
修理やアップデート等のメーカーサポートについては今後も続ける方針とリリースされていますが、ディスクプレーヤーの市場規模縮小を理由に、その文脈からは無関係なDACやヘッドホン関連などの製品までAV機器から全面撤退する以上、オーディオ文化を支える矜持が無いビジネスにとって利益が出ないサポート事業が手厚く成り得ないのは目に見えていますし、OPPO製品を購入してしまった方々にはご愁傷様としか言えませんが、それでも、自ら選んでOPPO製品を手にした以上、10年後20年後に、めげずにOPPOの製品を愛情を持って長く使い続けるオーディオマニアが少なからず残っているならば、その時にこそ、2010年代半ばに一瞬の間輝きを放ったOPPOの真の価値が、改めて高く評価されることになるのであろうと思います。
コメント一覧 (13件)
> それでもわっちは……。
最後の1行が書きたくてブログ記事をアップした疑惑www
最近インドアの内職が忙しくて肩凝りなKuniです。一つ前の記事を共感しながら読んだばかりなのに連投とか、復活が嬉しい日々で。
うちなど拾ってきたも同然の機材のミックスでただ音楽を少しでもいい音で聴けたらというだけです。ミュージシャンの伝えたい思いや技巧、会場で感じる熱気などを共有できる再生が目標です。
・・・バレますた…。
復活できると良いのですけれど・・・・・復活したいなぁ(苦笑) 暖かくなったので冬よりはなんとか。。。
オーディオはパズルとセンスの要素が半端なく大きいので、HARD OFFを駆使した半ば廃品利用みたいなオーディオでも、感性1つで魅力的な世界をいくらでも創造できると思っています。逆に幾らお軽を積んで優れた製品を揃えても、聴き手に音楽への感性が欠けていると、組み合わせた結果として不思議なくらいどうしようもない料理に仕上がるものですから。
売れているのに商売畳むとは不思議な会社ですね。
オッポは中国の会社なのですね。オッポ製品ではないけど、中国メーカー製廉価アンプは漏電遮断装置を省略してるから、取扱いに細心の注意を要するいう批評を読んだから、
購入を見送ったことがありました。オッポ製品は安全対策してるのでしょうか。
OPPOは旧来のオーディオマニアが丁度待ち望んだ価格と品質を兼ね備えた戦略的な製品群だったとは思うのですが、徐々に上がる部品の価格や製造設備の問題など、ピュアオーディオやAV(オーディオビジュアル)が、このまま永続して高利益を生み出す事業では無いと判断して見切りを付けたのでしょうね。ちなみにOPPOの設計や製品クオリティについては日本製品と同等レベルで、品質には全く問題ありません。家電的な感じで老舗のオーディオブランドらしい作り手の価値観を反映した個性や色気は無いのですけれど、音質や画質が良く、品質は高いのが売りでした。超高利益率のハイエンドと超低価格オーディオの狭間で、ビジネスとして生き残る茨の道を敢えて選ぶ程の情熱が、OPPOの経営陣には無かったと云うことだと思います。
今回OPPOが撤退する反面、今、一昔前までは色々と酷い品質だった日本円で数千円~2万円程度の中華製の激安コンパクトオーディオがそろそろ文明開化で花開きそうな雰囲気があり、今後はそちらを追いかける方が幸せになりそうな感じです。流石に中華製品と比べると少し値は上がりますが、昔ながらの英米欧州メーカーからも中華機のライバルとなる小粒でもピリリと辛い製品を作り続けているブランドも多く、日本には余り入ってきませんが、実は今でも世界展開されているコンパクト&バジェットプライスの機器が沢山あります。箱ピュアでは国籍問わずそういった製品群を紹介していきたいと思ってます。
製品の完成度が高かったのなら、尚更残念ですね。オッポの音が気に入った方も居られるでしょうから、そうした方々に対して無責任な気はします。経営判断と言われればそれまでですが、知名度の低い作曲家の音楽を積極的にレコード化してるシャンドスやDACAPOの姿勢とくらべると残念です。
中国製品の品質が向上していることは、かつての台湾を思わせますね。今でこそ工業大国ですが、バブル期にはけなされていた記憶があります。販売後のサポートさえしっかりしてくれれば、先進国で作られていようが火星で作られていようが構わないと思います。経済活性云々の話は置いとくとして、選択肢が残っているということは音楽を聴く側としは助かります。
無責任なので、Twitterの反応を見てみると、OPPOユーザーのみならず今回は業界関係者からもかなりのブーイングを受けてますね。輸入代理店さんも本社とユーザーの板挟みでさぞ苦しいかと思います。
台湾製品の品質はもはや停滞した日本の製造業を超えてしまいました。しかもそれなりに安いですので、ブログ製作用の私のPCはASUSですから2台とも台湾製ですし、他にもイギリスメーカーのDACやアクセサリなどが実は台湾製造だったりします。オーディオ界隈ではFURUTECHも有名ですよね。以前は悲惨だった製造管理の中国製品も年々まともになっていて、淘汰を生き残ったまともなメーカーの製造開発力は、そろそろ、高コスト、周回遅れ、中途半端品質の日本製品は、もはやお呼びでないというレベルに来てしまっていると感じます。
突然生産打ち切りされたら皆さん怒りますよね。台湾の工業製品は安心できますね。日本のオーディオ機器が高価なのは、大企業が多くて社員を食わせて行くには高値を付けざるを得なかった。という話を専門店から聞いたことがあります。実際、辛うじて残っている会社はヤマハ以外中堅企業だけなので、説得力がありました。
つい先日205を購入した身としては寂しいニュースでした(号泣)
サポートは続けると言われてもやはり今後不安です。
さてOPPOは中国人による創業とはいえ、純粋な中華企業とは言えない気もするんですけどね。
資本云々の話は抜きにして、一応、開発研究チームは米国ですし。
そもそもあのような発想の優秀な製品を中国人が開発できるとも思えないし(笑)
>とおりすがりさん
OPPO Digitalは確か2005年創業で、中国で開発製造されたAV機器を、販売拠点である米国法人の名義で販売することで拡販を狙ったビジネスだったと思います。ブランドに箔付けする為ののこういった手法は中国や台湾の他の企業でも良く見られますので珍しい話では無いです。開発を米国法人でという話は2015年以降の話ですが、それ以前の製品設計や製造品質と比べ、2015年以降に全く違う設計思想の製品が生み出されている訳ではありませんし、オーディオメーカーに時々ある、欧米の著名エンジニアを招待して設計を一新という話でもありませんでしたから、OPPOの優秀な開発陣は継続されていたものだと思っています。
> 優秀な製品を中国人が開発できるとも思えないし
そんなことは無いです。下でも書いていますが、もう大分以前から中国人の手で設計、製造した優秀なオーディオ・ビジュアル製品は世界中にOEM製品として溢れています。2K年代以降、光学ドライブ搭載機になると、中国のOEMと日本製品が市場を独占していて、むしろ純粋に製造設計が欧米発と云えるものは非常に少なくなってしまったののが実情です。
https://www.audiostyle.net/archives/evo-cdp-lendscleaning.html
>金剛山さん
日本の中規模~大企業の場合、最高級機でもせいぜい数十万円程度のものが多く、俗に云うスーパーハイエンドな製品を作る企業は少なく、一貫してハイエンドと呼べるクラスでマーケティングを展開できているのはAccuphaseやESOTERIC(TEAC)、LUXMANの上級モデルくらいです。他社については、家電として高性能だけれど利益率の低いオーディオ機器を大量生産するビジネスモデルが長引く不況で立ちゆかなくなったのが大きいと思います。
サラリーマンがオーディオを開発する日本の大手メーカーのブランド力では、ハイエンドとしての付加価値を付けられなかった訳です。そりゃそうですよね。スーパーハイエンドのお客様はほぼ富裕層ですが、会社勤めでオーディオ設計している人間は皆さん普通の庶民な訳で、庶民のエンジニアリングが考える「ハイエンド=機械工学的な高性能」と、富裕層が望む「ハイエンド=虚栄心を満たせる個性」とでは実態に隔たりがありますから。
申し訳ないけど、ゼネラルオーディオ的な音決めセンスで苦手なブランドでしたね。
目で音を判断する人向けの絞った商品企画という感じです。
元ハイエンドオタクですが、長らく離れてた自分をデスクトップオーディオに呼び戻してくれたのはここの製品でした。
正確には韓国のポータブルオーディオで再燃してある会場で出会ったのがこちらのマルチなアンプでした。
今も現役で動いていますし、聴き方はハイレゾロスレスのサブスクが多くなりましたがコイツを通して聴いてます。癖がなくて好きなのでヘッドホンも同社のバランスケーブルな物を所持してます。
今は本当に良いものが減ったので、コイツのデザインから物量に無理した設計まで未だに大好きな製品です(あえてどれとは言いませんが)。
最近こちらと同じ社長が立てた同名メーカー(こちらは中国に本社)のスマホのおかげで名前をよく聞く様になりましたが、自分はなんとも複雑な気分です。
通りすがりに失礼しました。
おはようございます。コメントありがとうございます🙇