【ニッケル水素充電池の一番安くて高性能な製品はどれ?】
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FDKのOEM設計世代とAmazonBasicsの通称アマループについて
管理人もIKEA LADDAの存在に気が付く前、ご多分に漏れず安さに釣られて一時期Amazonベーシック充電式ニッケル水素電池を沢山購入しましたが、これも安かろう悪かろうで中華製のB級品質なのかと思いきや、実は中身が何と日本製のFDK充電池との事で、高価なエネループはこれ以上イラナイモードになってしまいました。最近アマゾンは一昔前のようにタイムセールでの激安販売をしていませんので、普段の価格ではAmazon Basics充電池のお得感があまり無くなってしまいましたが。。。
ちなみに【ぱ~と1】では、現状、日本唯一のニッケル水素乾電池製造元であるFDK(富士通)の供給と推測される各ブランドの充電池を紹介してみたのですが、一口にFDK製造品と云いましても、どうやら品質と云いますか主に設計世代が違いそうな感じです。※OEM/ODMですので公式には触れられていませんので推測です。
以下、FDKが製造元と思われるブランド一覧です
Panasonic eneloop (2013年以降の新型 eneloop lite 除く)
Panasonic EVOLTAハイエンドモデル (型番BK-3HLC/4HLC,BK-3HLD/BK-4HLD)
富士通電池 (FDKの製造元ブランド)
Amazonベーシック 充電式ニッケル水素充電池 (旧型グレー/ブラック/ホワイト)
IKEA LADDA 充電式電池 (ホワイト/ベージュ/グレー2450)
東芝IMPULSEの新製品 (※2014年以降TNH-3AH/TNH-3ME/TNH-3LE/TNH-4AH/TNH-4ME/TNH-4LE。第3世代相当?)
SONY CycleEnergy (2016年以降の新型シルバー/ゴールド)
タミヤ単3ニッケル水素電池 ネオチャンプ (ミニ四駆向け)
カインズホーム (緑色)
※旧SANYOトライセル現FDKのeneloopには設計世代があり、2018年の時点で発売されている最新型のeneloopや富士通ブランドの電池は第4世代。見分け方は以下になります。
【スタンダードタイプ 容量:単3/1900mAh 単4/750mAh】
第1世代 2005~ 繰り返し使用回数 1000回 1年後残存率85% 3年75%
第2世代 2009~ 繰り返し使用回数 1500回 1年後残存率85% 3年75%
第3世代 2012~ 繰り返し使用回数 1800回 1年後残存率90% 3年80% 5年70%
第4世代 2015~ 繰り返し使用回数 2100回 1年後残存率90% 10年70%
【高容量タイプ eneloop pro等 容量:単3/2400mAh~ 単4/900mAh前後】
第3世代 2012~ 繰り返し使用回数 500回 容量単3/2450mAh 単4/900mAh 1年後残存率85%
第4世代 2015~ 繰り返し使用回数 500回 容量単3/2500mAh 単4/930mAh 1年後残存率85%
【低容量タイプ eneloop lite等 容量:単3/950mAh前後 単4/550mAh前後】
第2世代 2010~ 繰り返し使用回数 2000回 容量単3/950mAh 単4/550mAh 1年後残存率85% 3年75%
第3世代 2013~ 繰り返し使用回数 5000回 容量単3/950mAh 単4/550mAh 1年後残存率85%
※但し2代目eneloop liteは中国製に移行。第3世代スペックでFDK製造のライトタイプは東芝IMPULSEから発売されています。
エネループにFDKの他社ブランド向けOEMを当て嵌めると必ずしもぴったり当てはまるものがありませんので、卸価格の関係から各ブランド向けに仕様をコストダウンした物を用意して製造出荷しているのではと推測します。耐久性を如実に表す使用回数だけで見るとAmazon Basicsのスタンダードが第1世代、高容量タイプも第3世代より少し容量が劣る設計。
Amazonベーシックニッケル水素充電池・・・通称アマループはエネループに比べて実測での初期内部抵抗値が高く、設計寿命も第3/第4世代の半分くらいに設定されているようです。風の噂よるとFDKの産業用モデル(第1世代の更に別仕様)がAmazon Basicsブランドで発売されているものに近いとか・・・(※真偽不明)。ちなみにAmazon Basicsのスタンダートモデルと同一スペックの電池がカインズホームのプライベートブランドからも販売されています。
IKEA LADDAの場合、高容量タイプのホワイトは単3/2450mAh 単4/900mAhでeneloop第3世代と全く同じスペック。各所の実測値でもほぼ同一である事が示唆されています。ベージュの低容量廉価タイプは国産だった初代eneloop liteに近いスペックですが、1500回の再充電を謳う第2世代をベースに低容量バージョンを特注している可能性も。
プライベートブランドとは云いますが、IKEAやAmazonは全世界で展開していますので、大半が日本国内だけで消費されている国内メーカーブランドのパッケージとは異なり、絶対的な販売量はとんでもなく多いと考えた方が良いです。同じOEMでもカインズホームやSANYOトライセル時代に出ていたTOPVALUブランド、無印良品ブランド等々と比べたら供給スケールが桁違いの筈。そこでメーカーは最新設計のエネループ/富士通の優位性を確保しつつも、それら大型販売先毎の大量発注価格、実売価格の設定に応じて、内部構造や容量差でコストダウンを図ったタイプを別々に製造しているのでは無いかと推測。あくまでこれは中の人にしか判らない憶測のお話ですけれどもね。
なんだ、やっぱりアマループやIKEA LADDAは型落ちだから安いのねって思ったそこの皆さん。ここで大事なのは、仮に敢えてスペックを抑えて製造している10年前の第1世代相当だとしても、エネループはエネループという点。新興中華メーカーの充電池の品質では、設計も製造品質も未だに第1世代エネループの足元にも及びませんし、せいぜい中国製/中国製造としては比較的まともなLEXELのOEMやPanasonic EVOLTAとどちらを選ぶかと悩んでみても、やっぱり国産FDKの製造品質には代えがたいよね♪というのが管理人の考えです。
※前ページで追記していますが、2018/11月ロットより、LADDAベージュの製造元が、日本から中国製へ変更になりました。当記事の説明はあくまで国産品である事が前提となります。
ニッケル水素充電池の重量について
因みにIKEA LADDA含めて今回紹介したニッケル水素充電池の4本あたりの重量を実測比較してみたところは以下のような感じでした。
[単3]
Panasonic eneloop pro 単3/2450mAh ⇒120g
Amazon Basics高容量グレー 単3/2400mAh ⇒120g
IKEA LADDA 白 単3/2450mAh ⇒120g
東芝 IMPULSE(中国製) 単3/2450mAh ⇒115g
Volcano NZ 単3/1300mAh ⇒86g
IKEA LADDA ベージュ 単3/1000mAh ⇒71g
[単4]
Volcano NZ 単4/750mAh ⇒47g
Amazon Basics 白 単4/750mAh ⇒46g
IKEA LADDA ベージュ 単4/500mAh ⇒37g
※精密スケールではありませんので、1本あたりではなく4本セットで計測/±1g程度の誤差あり。加えて製造時期の違いによる多少の個体差もあるようです。※軽量なIKEA LADDAのベージュモデルはミニ四駆でも使えそうですね♪
~まとめ~
今回は、現時点で最も安価に購入できる水準にあるIKEA LADDA及び東芝IMPULSE(中華LEXEL)をまとめて追加購入したことで、家中の単3/単4乾電池、総数100本弱全てをニッケル水素充電池に置き換えることが出来ました。数えてみると1本だけAmazon Basicsの単3高容量タイプが行方不明になっていて、きっと何処かの何かに入れたまま思い出せてないっぽい・・・(゜Д゜) それからソニーブランドの初期のニッケル水素充電池が1本再充電不能になっていました。これは別にソニータイマーでは無く、10年以上前にポータブルオーディオで酷使していた個体でしたので、そろそろ使えなくなっても致し方ないかなと。
箱ピュアブログ内を検索してみたらこんな画像を昔公開してました(≧◇≦)。壊れたSONYの1本はこれの筈ですが、この中の充電池で手元で生きているのはマクセル1本のみ。こちらも残りの2本はいったい何処へ行ったのかしら?( ̄0 ̄)
さて今回外した大量のアルカリ乾電池の山。中途半端に容量が残っているのでもったいなさ過ぎて安直に捨て辛いのですが・・・・・どうしたものやら(苦笑) 価格が非常に安かったアルカリ/マンガン乾電池の場合、切れたら新品交換、切れたまま忘れて放置するとたまに液漏れして大惨事になる判りやすい交換スタイルでしたが、今後、単価の高いニッケル水素充電池をなるべく長く使い続けるためには、とにかく深放電させないことが重要になります。
良い機会でしたので、どの機器にどの銘柄電池を入れたかのリストをEvernote上に作成し、今後は完全放電を待たず、毎年、或いは隔年で定期的に充電して行くことに決めました。Amazon.co.jpや楽天市場、Yahoo!ショッピング等々のネット通販経由で購入した電池には購入履歴があり、手持ちの電池で何時から使っているのか判断できないのは100均で逐次購入した18本のVolcano NZだけですし(^^)ゝ
ちなみに今回のニッケル水素充電池32本の追加購入にかかった費用は総額4,000円と少しでした。FDK製造の廉価品を適材適所で配置することで、概ね当初の予定の6割まで経費圧縮ができたかな・・・?今後、箱ピュア管理人が追加購入する際には、IKEA LADDA、国産の東芝IMPULSE、Amazon Basicsを適材適所で使い分けていきたいな~と思っています♪
[連載終わり]
コメント一覧 (8件)
はじめまして、こんにちは。記事を読んでLADDAに興味が湧きました。質問があるので御回答お願いします。
どこのメーカーも高容量モデルは電池のサイズが大きいのでしょうか?
私の充電池の用途は電子辞書です。
エネループプロだと電池のサイズが大きすぎて蓋が閉まりません。(強引に閉め込み使用できましたがいつか破損させそうなので断念しました)
蓋については、アルカリ乾電池だと余裕があり、エネループのスタンダードだとギリギリぴったしです。
もう一つ質問です。
LADDA1000が支那製に切り替わったとの事ですが、生産国が変更されると中身の構造も変わるのでしょうか?
made in chinaとFDKは設計的に両立しないのでしょうか?
こんにちは、コメントありがとうございます。
>どこのメーカーも高容量モデルは電池のサイズが大きいのでしょうか?
中華メーカーなどは実物を持っていないので不明ですが、手元のFDK製OEMと東芝IMPULSEについては太いですので、旧アルカリマンガン規格電池でギリギリのサイズに設計されているタイトな電池ケースではほぼ使用できないと思います。
※LADDA1000及びLADDA500の製造国変更について
IKEAの場合、製造国以外のOEM製造元について公表がなく、また製造元メーカー側でも公表していません。IKEAはあくまでブランド販売であってコストなどの状況で製造元は変遷していくものだと考えています。中国生産になったLADDAは、FDK/SANYOのeneloopとは別の、旧松下系で中国生産のEVOLTAとも外観が違います。断定は出来ませんが、外観からはたぶんFDKとは別のメーカー製である様に推測されます。
丁寧な御回答ありがとうございました。
たしかに工員のみを安上がりにするなら商品の外観を大きく変化させる必要性が無いですね。
近くのスーパーに単価19円程度の単3アルカリ乾電池が売られています。円高になると時間差で値段が上がり、円安になると時間差で値段が元に戻ります。
奇しくも同じタイミングでエネループの値段が上昇したので、個人的にエネループに対して製造(工程)国偽装表示の疑義を抱いております。
充電器は支那産なので、充電器セット商品のみを値上げするとバランス取れないからエネループ単独商品の方も便乗値上げしたとも考えられますけどね。
いつのまにかエネループのライトも国産ではなくなりましたので寂しいし疑惑が一層強まりました。
来年度から日本語を話せない外国人労働者の大量受入が決定されましたので、あと10年も経てば「Made in Japan」に拘るのはナンセンスかもしれないですね。
ただのぼやきなので返事不要です。
ニッケル水素電池の記事、序章含め全6回、とても良かったです。ニッケル水素電池について調べている人に正しい知識とアドバイスを届けるため、Google にはぜひ検索でトップに出してもらいたいと思いました。
今回記事を読んでいて意外と印象的だったのが、お使いの電気製品です。東芝の消臭器、マッサージ器、お風呂スピーカーなど、電池で動く面白い物がたくさんあるのだなと。そこで思ったのですが、『我が家の電気製品 / ニッケル水素駆動』的な記事で、いろいろな電気製品が紹介されたら面白いなと。おそらく(これほど大量に電池を使う方ですし)たくさんの電気製品をお持ちだと思いますし。(気が向いたらお願いします。^^)
あらーこの情報をもっと早く知っていればIKEAのベージュ色の充電池やアマループを買ってたのに残念ですね……。
でもその情報のおかげで一番安かった富士通の充電池を買う決心がつきました。本当にありがとうございました。
すでに知ってると思いますが、中国製のIKEAのベージュ色の充電池さえも今はもう売っていませんでした。
えーと、Ni-Mhの製造なんですがwikiを見る限る4,5?年前から業界団体が統一を行い材料から管理しており、
日本メーカー各社の違いは電極材料の一工夫ぐらいです。パナのホームページ見ても、
eneloopとevoltaの違いは電極粒子の違い(材料同じ)で、これが容量の差に出てると。目的に合わせて
わざと変えているようです。
生産地も中国のli-ionの品質の悪さと生産量の多さから、Ni-Mhを任せる余裕は無いのか
今は国産に移行してるみたい。で、手元にあるのをみたら2018頃のevoltaは中国製(それ以降の買ってないので判らん)
eneloopに至っては電池ケースは中国製なんだが電池本体は日本製。最近買った奴はケースも日本製。
中国離れが進んでいるか。ちなみにパナのオレンジタイプのNi-Mh(日本製)10年以上たってもまだ元気。
で、日本メーカーのパナ等の充電器ですが中国製もあるのですが、十年以上前からの充電器の分解レポート
見ても、これの充電制御のマイコンが台湾製で組み込まれていてプログラムが頻繁に変わり、
それに伴い基板も変わるという嫌がらせを日本がしているせいか偽物出ないですね。
中国製のevoltaも日本製のeneloopと使って見ても大差ないからこだわっていません。大体パナのeveolta
は一次電池からの蓄積あるし。
最近の外国でのNi-Mhの評価試験レポート見てたら、飛び抜けてeneloopとevoltaが高評価でした。
でも、その中に他の日本メーカ無いのよ。どうしたの?
はじめまして。こういう記事は大変参考になります。ありがとうございます。
2023年3月現在、自分の住む北関東ではカインズのPBが1番コスパがいいのではないかと思います。
単3でmin1900mAh 1000回くり返し 日本製、さらにはしっかりFDK製と表記されてます。使い心地も旧SANYO製のもの(うちではまだまだバリバリ現役)と遜色ないです。単三4本パックで税込998円なのでお買い得だと思います。いつまでも継続して販売してほしいのでカインズのPBが多くの人に認知されて流行するのを願っていますw
コメント&情報ありがとうございます。カインズに寄った際に購入してみます。