AET EVO-F125 スピーカーケーブル購入レビュー♪

今回購入したのはAET EVO-F125。AETブランドのローエンド切り売りスピーカーケーブルで1m/720円。プレミアムバージン無酸素銅の多芯撚り線。尚、AET EVO-F75,EVO-F125,EVO-F200違いは太さ(導体径)のみで、数字の部分がスケア(SQ)になります。※尚、2021年末に後継新製品のEVO-C125が発売されました。EVO-F125の店頭在庫が無く理次第、置き換わると思われます。

AET EVO-F125 スピーカーケーブル

ぱっと見は昔からある何の変哲も無い2芯並行構造で、見た目の印象に特徴が無さ過ぎてスルーしてしまいそうですけれども、AETらしくこちらも日本製のケーブルです。白いPVC素材にやや粘りがあり、ハサミでの皮むきが少しだけ辛かったので、2SQのケーブルストリッパーを使いました(1.25SQのストリッパーではいくらか芯線落ちしました)。メーカー曰く「音響用に電気、機械特性を合わせた設計。高品質外皮を採用し、車内の環境にも対応。」との事。ちなみにカラーバリエーションとして黒色被覆のEVO-F125Sがあります。

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AET EVO-F125 音質レビュー

繋げて直ぐ、透明度の高さとキラキラとしたクールな高域のキレの良い解像感に耳が行きます。昔レビューしたAET初期の同クラス類似モデルAET 6N14Gに雰囲気が良く似ていて、高原の朝を想わせる端正で清涼感のある繊細で透明な音色は、見た目と価格に釣り合わない高級な雰囲気が漂います。ピアノは特に輪郭がクッキリと硬質でキラキラと美しく魅力的。多芯撚り線らしい滲み感はありますが、それがむしろスパークリングな爽やかさの演出に繋がっているように思います。

6N14Gとは直接比較すると違うのかも知れませんが、文章にすると殆ど同じレビューになってしまう・・・。尚、非メッキのOFC純銅線ですが音に変な色は付きません。但し多芯撚り線ならではの音像輪郭の滲み感は太くなるとそれだけ多くなるとは思いますが・・・。バイワイヤリング接続の場合は、敢えて細いEVO-F125か、更に細いEVO-F075をトゥイーター側に使うことで、更に高域が研ぎ澄まされた綺麗めの音質が得られる筈です。

EVO-F125で驚くのはエントリークラスとは思えない素晴らしい解像度の高さです。光沢が乗って艶やかな美音、間接音の豊かさ、潤いと情報量、高級感のある音色・・・。少しAETのインシュレーターSH-2014B/SH-2007B (B真鍮タイプ) に音質傾向が似ています。音楽性もそれなりに備えていますが、ケーブルがモノを申すと云うよりは、ソースの音楽性をそのまま伝える印象。弱点は良く云えば穏やかでほんの僅かにスピード感が削がれる面と、ややパッシブで音場の上下の広がりが曖昧に感じられる点でしょうか。この細さですから、押し出し感やレンジの伸びについては過剰に期待は出来ないのは分かっているのですが、音質そのものがこのクラスでは桁違いに澄んでいて解像度が高いため、その上質なソノリティに更なる可能性を求めてしまう感じです。

今回たまたま手に入ったのがEVO-F125だっのですが、QUAD L-ite2やaudiopro Image12/Image11等々手持ちの小型プックシェルフスピーカーの場合、1.25SQでは細すぎて若干音数が少なく感じられるため、シングルワイヤリングで配線する場合は、出来れば2SQで芯線の多いEVO-F200を使う方が、低域方向のレンジがより広がって更に全体のバランスが良くなると思います。(たぶん太さ的にもEVO-F200の方が6N14Gの後継に相当しそう。) 特に解像度重視で組んだサブシステムのONKYO A-1VL×audiopro Image12との音色の相性は非常に良好で、このシステムのリファレンスSPケーブルとしても十分に使える音質に感じています。

新型AET EVO-C125との違いについて (加筆予定)

今回は2014年に発売されたEVO-F125を購入しましたが、その後、2021年末に7年ぶりの後継新型モデルとなるEVO-C125が発売されました。ちなみにこの二つ、実売価格と外観は殆ど同じですけれども、OFC(無酸素銅)導体のネーミングが、EVO-F125の「プレミアムバージン無酸素銅」からEVO-C125では「特殊精錬クラシックOFC」になっています。

逸品館さんの上記レビューではEVO-F125について、

音調がハード~中略~高域と低域が伸びて、音がクッキリするのだが、音楽のファンダメンタルな部分が以前よりも薄くなったように感じられるので、個人的には、EVO以前のモデルのバランスが気に入っている

と書かれていますが、僕の印象としてもクール且つ硬質で現代的な音調で、柔らかさや温かみを求めるにはあまり向いていない様に感じます。但し管理人の環境では比較的響きが多めで、ドライ傾向には感じませんけれども。そこで新型のEVO-C125では、敢えてビンテージサウンドを彷彿とさせるような、温度感に優れた豊かで潤いのある中低域とAETよりアナウンスされていますので、硬質で現代的な傾向からよりクラシックでマイルドな傾向にチューニングを変えているのかも知れません。実際にどれだけ変化しているかは、後日お取り寄せした上で直接比較してみようかと思います。※その際には此処に追記します。

~まとめ~

AET EVO-F125は、エントリークラスながら直球ど真ん中のHi-Fi性を感じさせる高解像度系のサウンドが特徴です。よってシステムトータルでの高域がキツすぎたり歪み感を内包するオーディオシステムでは、その弱点を増幅する傾向がある為お薦めしません。しかし、音質的に少し甘めの傾向のシステムや、普及価格帯で音数が足りずナローなレンジ感のシステムでは、一気に鮮度感を高めてくれそうなスピーカーケーブルと云えます。音質的にROTEL RDA-06に傾向が近く、更にアンプの上下の音質的弱点を補いつつ、性能を素直に伝えてくれるイメージで、思わずにっこり笑ってしまうくらい相性の良い音が得られました。

加えて音楽性の面でも過不足無く、音質が澄んで解像感にパラメーターが振られている割に音楽がつまらなくなる事も無く、妙な偏りや演出感の無い、明るめの表現力を兼ね備えています。昔のAET 6N14Gは音楽性の面で当時かなり疑問を感じましたが、EVO-F125ではその部分での不満が感じられないのは、当時と環境が違うからか?実際にケーブルそのものが進化しているからかは判りません。しかし今回購入したEVO-F125は正直かなり好印象で、個人的に実売メートル1000円以下の現行切り売りケーブルでは、AET EVO-F200とEVO-F125が、音質的にも使い勝手の良さの意味でも、エントリークラスのベストバイと云えるのではないかと感じています。

AETのスピーカーケーブルは、この上のクラスになるとEVO-1302F/EVO-1302S/EVO-1304F/EVO-1304G/Evidence SP/SIN SP EVD等々、一気に完成品ペア数万円となり、ミッドレンジ~ハイエンドの本格的なピュアオーディオマニア向け製品になってしまいます。それもあってか、今回紹介したものは低価格2芯平行線の構造コスト的な制限の中でも、価格が近い上位モデルに音質的忖度が感じられないクオリティが得られますので、とりあえず迷ったらAET EVO-F75,EVO-F125,EVO-F200を選んでおけば間違いないように思います。

+For
 透明でクセの無い高解像サウンド
 上品で美しく明るい音色
 取り回しの良さ
 ハイCP

-Against
 リズムやエネルギーはやや弱いかも知れない

categoryCategory:スピーカーケーブル
categoryCategory:AET(エーイーティー)

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