CREEK Evolution-CDがCDを遂に認識しなくなって、なんだが遂に故障か!?と慌てそうなところなのですけれども、実は毎年の恒例の出来事だったりします(苦笑)。9年前に導入したCREEK EVO-CDのドライブメカはオランダPHILIPSが設計したVAM1202(CDM-12.x)で、リニアトラッキングのものが使われています。
VAM1202(CDM-12.x)は旧PHILIPS/MARANTZの普及価格帯CDプレーヤーや、海外製のCDプレーヤーでは数年前まで良く採用されていた量産型のリニアトラッキングドライブメカです。ただこのCDM-12系、PC用ドライブと違って音質はまあまあですが、実はあんまり耐久性が高くないのですよね。VAM1202/CDM-12搭載機のメカが壊れて音飛びジャンク扱いというのを、ヤフオク!でもHARD OFFでも頻繁に見かけるくらいの問題設計品だったりします。
うちのCREEK EVO-CDもご多分に漏れず、購入2-3年目くらいからCDの60分過ぎた外周トラックでしばしば音飛び症状があり、有償修理が面倒くさいのでそのまま騙し騙し使っていたのですが、5年目くらいからはローディング時にたまにCDを認識しなくなる症状が出るようになり、少々困った事に。。。
これはどうやらCDの読み取り出力不足が原因みたいで、症状が出てきたらトップカバーを開け、ピックアップを綿棒とアルコールでクリーニングするとあっさり直す事が出来ました。梅雨か冬場の湿気でレンズが汚れる事が多く、大体1~2年に一回くらいの頻度で発生→レンズクリーニングを繰り返しています。※ちなみに外周での音飛びは完全には治りませんが、軽減はします。
キトサン抗菌?オーディオ機器のメンテナンスに使う綿棒って・・・
というコトで17年4月、重い腰を上げて非キトサン含有の赤ちゃん綿棒とアルコール(IPA)でピックアップをクリーニング。実は2月から再生できない状態のまま暫く放置してたり。。。(^◇^;) 前回のクリーニング履歴を見たら15年7月でしたので、まぁ1年半ぶりでございまする。曇ったレンズより綺麗なレンズのほうがサーボ電流や訂正の負荷が減るぶん、音質も良くなりますので億劫だからといって放置してはいけないのですが。
PHILIPS VAM1202/12。PHILIPSと記載が無いのでEVO-CDに搭載されていたこれはたぶん最初からOEM互換ドライブですね(正規新品購入です)。蓋を開けたついでにElectroluxの掃除機で隅々まで埃をクリーニングしておきます。※筐体にスリットもないのにどういう訳か埃は溜まる。。。
ちなみにCREEKでも中上位のイギリス国内生産品と違い、当時のEvolutionシリーズはMade in PRC、即ち中国製なのですけれども、これ実は中国深圳(シンセン)のオーディオメーカーSHANLING(シャンリン)が製造元のように見受けられます…。 ※もし間違っていたらすみません・・・。
SHANLINGには内部回路、細部の仕上げ、リモコンなどがEVO-CDとほぼ同じCDプレーヤーとしてSHANLING CD-S100という機種が存在し、当時のCREEK EVO-CD、EVO-CD2に限らず、MUSIC HALL CD25.2、ONIX CD-2、ONIX CD-5、ONIX XCD-88、ONIX XCD-99、USHER CD-1、CARAT C57など、名だたる英米仏ブランドのCDプレーヤーがみ~んなほぼ同じSHANLINGベースの製品っぽいコトが、CDプレーヤーの内部を蓋を開けて見るとバレバレだったりします(;゜ロ゜)。同様に海外ブランドの比較的安価なSACDプレーヤーもSHANLINGのSACDプレーヤーがベース。
ちなみに決して全く同じ中身という訳ではなく、基板のレイアウトがドライブメカの位置に合わせていくつかパターンがあったり、それぞれ採用する電源トランスやコンデンサーの種類などの細かい部品は色々と異なり、ブランド&機種毎にかなりの独自モデファイもといチューンが施されています。
CREEK EVO-CDやEVO-CD2にはトランスが安物のEIコアではなくより高品位なRコアトランスが載っていますし、更にMUSIC HALLやCARATなどブランドによってはトロイダルトランスだったりしますので、製造下請けとしてSHANLINGがベースシャシーと基本設計を提供した上で、それぞれに販売先ブランドの仕様に沿った構成で製造していたものと思われます。
この情報、2008年のEvolution-CD購入当初から管理人は海外検索で気付いていて、暴露記事にしようかかなり迷ったのですけれども、零細輸入代理店さんの営業妨害になると心苦しいので当時は黙っていた話だったりします。※もうここで挙げる全ての機種がディスコンなのでオープンにしても良いかなと。CREEKは歴代CDPでクリスタルセミコンダクターのDACチップを採用してきた(最新機ではWolfson)のに、なんでEVO-CDとEVO-CD2だけバーブラウンPCM1738Eなのかとか、グリーンのLEDインジケーターに拘ってたのに、どうしてこれだけブルーなの???等々に疑問を持ったのが、OEMの存在に気付いた切っ掛けでした。
エントリーモデルの悲哀と云いますか、ベース設計が他にあるものをCREEKっぽくモデファイすると云ってもそこにはやはり限界があり、音質は英国生産された本来のCREEK(手持ちのCLASSIC CD PlayerやEMF Sequel2)とはやや毛色が異なります。基本的には艶や解像度を備えつつ輪郭がしっかりした現代的なサウンドがベースで、それにCREEKっぽいスコッチウィスキーの様な色合いと雰囲気がある程度加わったという印象。伝統的な英国色が色濃いオリジナルのCREEKよりもベースの透明度が高いぶん、あまりソースを選ばないバーサタイルな性格のサウンドではあります。
中華メーカーというと日本では非常に良くないイメージがあるかと思いますが、SHANLINGについては中を見れば判りますが非常に製造品質に優れていて、音質についても(本国並みの価格であれば)お値段の割にかなりの高音質と云えます。CREEKやONIXなどOEMでの音質を聴いた範囲でも、上位機との差別化から変に軽々しいキャラクタを纏ったものが多い日本ブランドの普及価格帯プレーヤーよりも、むしろバランスが良く高品質なCDプレーヤーではないかと個人的には感じています。
中国ではSHANLING CD-S100の下位機種にハーフサイズのCDプレーヤーTEMPO eC1Bが販売されていて、これがまたお安いのに中を見るとバーブラウンPCM1796+NE5532Pにトロイダルトランス搭載でなかなか出来が良さそう♪ ドライブメカは旧機種のSHANLING PCD3000AはVAM1202/12のようですが、現行はいつのまにかSF-HD8650(EP-HD850)っぽいですね。これは取り寄せて使ってみたい機種だったりします…( ੭ ・ᴗ・ )੭
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※近年SHANLINGはDAP、ポータブルオーディオの分野にも進出しています。
現行モデルのCREEK EVOLUTION 50CD及び100CDはトロイダルトランスで、回路設計も完全CREEKオリジナル仕様だと思われます(要するにSHANLINGのOEMではない)。近年の欧州製CDプレーヤーに多いスロットローディングメカの採用はピュアオーディオ的に賛否両論かもですけれど、音質面はスィートでウォームなCREEKそのものの伝統が継承されているようです。
このほかにも最近では気温が下がる冬場になるとVAM1202のトレイがなかなか出てこなくなる&閉まらなくなる症状があり、これは開閉時の歯車のグリス切れが原因っぽい。モーターとかトレイ開閉メカそのものが壊れている訳ではありませんので、分解してグリスアップすれば直せるマイナートラブルですが、地味に面倒くさい・・・…( ³△³ ).。o
数年前から自分でピックアップをDIY交換しようとオークションを見ているのですが、最近ヤフオク!では新品の互換ピックアップレンズユニットの出品がめっきり減ってきているので、そろそろ海外から一式調達しないとなぁと思っていたり。海外のオークションではレンズ部のみならず、トラッキングメカ+レンズユニットがまだ安価且つ大量に出回っているのでタカをくくっておりますけれども、気付いたらもう部品がない(´Д`;)な~んて事になる前に、一度自力で分解修理をして、出来たら予備のメカとピックアップレンズも調達しておきたいところ。DIY情報がいまいち少ないので分解するのは少しばかり怖いのですけれども・・・(^^;)
コメント一覧 (8件)
pastel_piano 様
前回のコメントではメンテ中にチャチャを入れてしまったようになってしまい、すみませんでしたm(__)m。
今回紹介されているSHANLING eC1B。現在所有しているAUDIOANALOGUE PRIMO CDPと同じハーフサイズということ
もあり、とても気になります。PRIMOが修理出来なくなったら、次はこれかな…と。
音を聴いてみないと何とも言えませんが、試聴が難しそうですね。特に北海道では皆無にちかそう。
SHANLINGのホームページでラインナップを眺めてましたが、AUDIOANALOGUEや一昔前のMARANTZを想わせる製品も
ありますが、張りぼてパロ中華感がなく、いい感じ!ではないでしょうか。
私が二十代の頃、この手の製品は某日本メーカーがOEMで一手に引き受けいたものです。まだCDP黎明期でしたが。
私はCDPは持ってなくて、もっぱらソニーの外付けCD-R/Wのお世話になってます(最終モデルです)。FireWire接続が可能なので、いまだにリッピングはコイツのお世話になってます。音声と映像転送を前提とした接続ですから。円盤はもっぱら音源のバックアップの位置づけで、再生はPCに完全移行。その代わり、リッピングには手間暇かけてます。間違えてもiTunesでリッピングはしませんw
CDP再生品質は、ピックアップ段階のアナログ的条件に大きく左右されると考えています。しかも品質よりも低レンテンシー優先ですから、欠落したデータの補完機能などにより、ビットパーフェクトは最初から期待できません。
だったら、データ読み取りエラーに対して、時間をかけてもリトライを繰り返して、少しでも精度の高いデータ取得を目指したい。これが、私がCDPを持たない主な理由です。
DSDFで抽出して、DSDコンバート専用アプリで24bit!/48kHz PCMに変換させてます。まぁ、バカですねw
とは言え、CDトランスポートには、とても興味あります!CHORDのなんて、生唾ものですね。価格が価格なんで、夢物語ですが。
昔使ってたマランツのCD-17Dという機種のリモコンがシャンパンゴールドのアルミで高級な雰囲気だった記憶があります。
音はあまり自分にはしっくりこなかったですが、リモコンは立派だなあと思っていました。
ところが、今回の記事拝見すると同じリモコンに中華メーカのロゴがついた写真が!! ソウイウコトダッタノカ…
なかなか衝撃的でしたが機器のルーツを知ることができた気がします。
とても興味深い内容で楽しく読ませていただきました。ありがとうございました。
>スガさん
いえいえ、メンテ中のコメは気にしてないです♪ あの後もGoogle Noto Sansなど何度かフォントの変更を試みていたのですが、各所からの評判が悪かったので断念しました(苦笑)。 SHANLING eC1Bは$200くらいですので、考えるまでもないかな~と。元がSHANLING PCD3000AというCREEK EVO-CDのコンパクト版でeC1BはDAC改良型ですし、 PRIMO CDPのような細やかさと味わいは無いと思いますが、よりクリアで滑らかな音がするのではないかと推測します。
>ジャイアンさん
リッピングはEACですね。面倒なのであんまりしませんが。個人的に手ごろな価格で今でも良い音がするトランスポートはCECの一択だと思ってます。この音の質感をPCやネットワークオーディオのデータから繰り出すのはまず無理ですので。デジタルの理屈からはかけ離れていますが、オーディオはご存じのように数学上の理屈のみでは説明できない、震動コントロールなどの影響のほうが聴感上はずっと大きいと感じています。OEMは、最近では国内メーカーもイヤホンやヘッドホンアンプの中韓への外注丸投げが目立つみたいです。
相違点は、DACはカバーがしてあるので不明ですが、当時のMARANTZのリリースではビットストリームTDA1541(DAC7)だったと思います。 筐体シャーシ、背面パネル、液晶パネルは青いですけど全て違うもの。発売時期が95-98年とSHANLINGよりも古い。MARANTZはPHILIPSを担当するくらいの独自の優秀な設計陣を抱えていて設計外注する必要性はほぼ皆無。
というような点から推測したのは、マランツのCDPがそもそものルーツで、当時中国で製造下請けをしていた生産工場が、その生産技術と回路を元に自社ブランド製品を作り、更に世界中のメーカーへのOEM/ODMを引き受けるようになった・・・みたいな? ※単に似ているだけだったり、無関係の他社が回路設計パクったりも充分あり得るので、ここまで完全に想像なので間違っている可能性は多々ありますけれども・・・(滝汗)
先日は早合点して勘違いな書き込みしてしまいすみません。。管理人さんに詳しく調べて頂いてご迷惑おかけしました
あくまで仮定ということですけど、もしマランツの技術を受け継いでいてOEMを引き受けているとしたら色々想像がふくらんで面白いですね
pastel_pianoさん、初めまして。
みっちと申します。
このブログが休止中の時に何度も訪問して、情報をいただいております。当時EMF AudioのSequel2を使っており、そのレビューを拝見したのがきっかけです。
みっちは窮屈なマンション暮らしのため、「箱庭オーディオ」が必須なのです。
ここはWeb上でも数少ない有力なソースですから、また始められたのは嬉しいです。
くれぐれも、お身体ご自愛ください。
みっちさんコメントありがとうございます~。
またちょっとプチ休止気味になりつつありますが、
早く再開出来るように頑張ります\(^^@)/
Sequel2はこちらでも元気に稼働しています♪