今回はフランスReal Cableの電源ケーブルCitrine PSOCC-2を紹介します。リアルケーブル社はフランスで国内シェアナンバーワンの日本で云うところのaudio-technica的な立ち位置にある総合ケーブルメーカーとのことで、音決めはなんと開発者の娘さんである女性の社長さんがしているのだそうです。管理人は最初Real Cableの安価なTDC/CATスピーカーケーブルをいくつか試してみて、現在は寝室のサブシテムで使用しています。そちらのレビューはまた別のエントリにするとして、今回は電源ケーブルのCitrine PSOCC-2について。尚、国内代理店はネットワークジャパンです。
現在リアルケーブルでは日本国内で2種類の電源ケーブルPSOCC-1とPSOCC-2を展開していますが、違いは採用されているオヤイデの電源プラグのメッキ仕様のみで、導体そのものはどちらも同じCitrine PSOCC(切り売りもある)です。
日本仕様のオヤイデ製ACプラグとフランス製の導体
PSOCC-1とPSOCC-2の二種類の違いは、日本仕様で採用されている電源プラグが、PSOCC-1は無メッキのオヤイデ P-029/C-029、上位のPSOCC-2は銀+ロジウムメッキのP-037/C-037になっている点。尚、フランス本国のメーカーサイトにCitrineは載っておりませんので、同社の電源ケーブル「PSOCC4MF」に日本向けの仕様としてより高品位なオヤイデの電源プラグを採用したものと思われます。尚Citrine(黄水晶)ってネーミングですが、音が色で見える謎の共感覚電波系のわっちからすると、別に黄色というか飴色っぽい音に聴こえるわけではないという(滝汗)
このPSOCC導体は国内では切り売りもされていて、お値引前の希望小売価格で50㎝7500円、1m15000円・・・うわっ高っ(゜ω゜)と思いきや、本国価格も50㎝/€35なんで似たようなものでした。割引後の国内価格でみれば比較的良心的。尚オヤイデプラグではない本国仕様の完成品は1m/€ 149。しょ~じきオヤイデの電源プラグがお高いですので完成品の方がお得です♪海外製のハイエンドケーブルには偽物のオヤイデプラグが採用されているケースも実は割とあるようですが、こちらは日本国内の代理店仕様ですのでそのような心配もありません。
リアルケーブル Citrine PSOCC-2 音質レビュー
管理人が購入したものは1.2m。短い上に太めでかなり固いので取り回しは良くありません。先ずはメインシステムのSACDプレーヤーONKYO C-S5VLに接続してみます。Citrine PSOCCも同社のTDCスピーカーケーブル以上にかなり個性の強い音で、見た目で内心危惧したとおり日本人感覚ではイロモノ系(良い意味♪)の電源ケーブルになりそうな感じです。素材はOCCとありますが、音を聴いた感じたぶんPCOCC系ではないかと思われます。国産ケーブルのようにそのOCC系の持つ弱点を上手にマスキングしつつ平均化した感じではなく、素材の持ち味を敢えて個性として伸ばしてみました系。オーディオ的なフラットな音質傾向では無く、中域をルーペで拡大しつつ音楽を無意識にトレースさせる力強いケーブルです。
よってスタンダードな使い方をする用途にはあんまり適さなそう。このフランスのエスプリに溢れる些か大仰で派手な個性を、乾坤一擲何処に生かすか!?といった使いこなしのテクニックが問われそうな、ある意味上級者向きの逸品ではないかとd(^_-)
音質は明快で解像感(あくまで解像感)が高く、音像は硬質で輝かしくメタリックなもの。スピーカーケーブル同様にウォーム系なのかと思いきや温度感はクール系です。かなりり両端のシルバー+ロジウムメッキプラグオヤイデP-037/C-037の影響がありそうな。聴感f特は実体感の際立つ中域がレスポンス良く前方に出てくる(&奥行きもある)等身大カマボコサウンド。重心は低め。OCC銅のキャラクターなのでしょうが、女性が音決めしたケーブルとは思えないくらい男性的で、ほんのり押しつけがましい気がしないでもない力強さと、音楽への高い集中力、ダンピング、輪郭線が明瞭ながら、柔らかさのある低域の弾むような躍動感とグルーブ感、音楽性の高さが持ち味と云えそう。間接音成分が音場にわっと広がらない代わりに音像には豊潤な付帯音が乗ります。よって音像は明快ですが気持ち大きめ。ギターのピッキングがリアルな反面、ピアノの繊細なタッチがやや響きに埋もれるのでもう少し分離が良いほうが好みかも。重心が低めで音場の幅や高さ方向は出にくいのですが、前後方向は実体感のあるダイナミックな表現で迫力があります。
弾力と独特の音楽性、音場空間より音像型の描写をする点などは、同社のTDC200など安価なスピーカーケーブルにも個性として感じられますので、REALCableの特徴と云って良いかも知れません。ただ、切り売りで購入した手持ちのスTDC200やCAT150スピーカーケーブルの音はここまで明瞭なタイプではなく、女性的であたりの柔らかいウォームなサウンドが持ち味です。
箱ピュアカテゴリ:OYAIDE/オヤイデ電気商会/NEO d+
リアルケーブル Citrine PSOCC-2で個人的に気になる点があるとすると、中高域~高域に金気臭さというか、ややもすると意図的な歪みっぽさが乗る点です。バーンイン(エージング)が進んでシステムに一旦馴染んでしまえば耳が慣れる程度には治まりますけれども、この高域の金気臭さはATOLLや一昔前(現行では無い)のFOCALの逆ドームツイーターの搭載スピーカーなんかでも往々にして気になったりしますので、フランス文化というかフランス語圏の製品作りの特徴なのでしょうか・・・(謎)
citrine PSOCCの言われなければ勘違いして銀メッキ線なのかな?と思うような音色は、オヤイデのシルバー+ロジウムメッキプラグのP-037/C-037が良くも悪くもPSOCCの金気臭いテラテラ感を更に強調している気がしないでもなく、別のプラグに換装することで、高域はもっとマイルドになるのではないかと・・・・(ほぼ確実に)。良い意味でイロモノ的な明るい音色の個性をスポイルせず、高域の耳当たりをマイルドにするためにゴールドパラジウムのP-046/C-046、或いは低域をフラットにしつつ美音でワイドレンジ化するためにP-004/C-004のプラチナパラジウムか、むしろスパルタンなパワフルさを活かしつつ正統派を目指してベリリウム銅無メッキのP-004/C-004(白)で攻めてみるのも面白いかも。
~まとめ~
なんと云うかCitrine PSOCC-2はハイファイオーディオ的立脚点に立つとなんじゃこりゃ~!?となりかねないグルービーな癖の強さというか、音楽愛好家の作り手が好きな音楽を聴きながら、好み全開でリスニングで音決めしました♪ 世間のオーディオのトレンドとか現代的アキュレートなハイファイサウンドなんて実のところはどうでもいいです、音楽が楽しければそれでいいんです。みたいな唯我独尊的な割り切りを感じる音質に感じていたり(*^-^*)。リアルの意味がオーディオ的と云うよりも生演奏のパッションが基準みたいな。割と本能むき出しのスパルタンな表現力も備えてますので、クラシカルな上品さを求める僕の好みからすると些か派手だなぁと。プレーンな音のオーディオ機器にCitrine PSOCCを繋いでしまうと機器の素性がかき消えてしまい、まるでリアルケーブル製のオーディオ機器かの如く調教された出音になってしまう面もあり、ケーブル一本でフレンチサウンドわ~い♪\(^o^)/となるか、・・・・うぎゃあああ!(≧◇≦)となるかは・・・多分きっと使い手の皆さん次第でしてよ♪(その後の使いこなしについての下書きがあるので気が向いたら後編として後日公開します。)