AKG K391NC ノイズキャンセリングイヤホンを今更ですが購入しました♪

あまりヘッドフォン&イヤホン界隈には手を出さない箱庭オーディオ管理人ですけれども、この度数年ぶりにイヤフォンを購入してしまいました。選んだ機種はオーストリアAKGのK391NC。 新幹線や飛行機、電車内での騒音遮断に使えるノイズキャンセリングタイプのイヤフォンが前々から欲しかった事もあり、以前にもBOSE IE2 MIE2i MIE2 mobile headsetの試聴記を書いています。現在の後継モデルBose QuietComfort 20は特にキャンセリング性能に優れていますが、お値段的に食指が伸びず、ず~っと遮音性ゼロのB&O A8(工事中)でお茶を濁していたのです。それで前々からAKG K391NCが欲しい~みたいな話を箱庭的”AUDIO STYLE”で触れていたのを読んでる人は覚えているかも知れません

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イヤフォン界隈のトレンドには少し疎くて理由を推察出来なかったりするのですが、AKG K391NCってどうやら超絶不人気機種っぽい。その上、今年に入ってから目出度くディスコン&販売店在庫限りになってしまい、実売価格もず~っと最安14000円くらいだったのが6000円台まで急降下。そんでもってウォッチしていたとあるお店の在庫処分で最後の一つをギリギリのタイミングでキャプチャーする事が出来ました。例によって入手困難になりつつある頃に今更レビューをするのは箱庭オーディオの平常運転ですけれども\(^o^;)/。←中古購入ユーザーさんには少しはお役に立てるかも知れない!?と云う事で今更レビューいってみます♪

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AKG K391NCの音質レビュー

これはイメージしていたのと少々違いました。もの凄い直球ど真ん中のヨーロピアントーン。これぞまさしくAKG。もう少し線が細くて現代的なフラット感や高域の繊細感、解像度があるのかと思ったら、そうでも無かった。ベースにあるのはウォームで滑らかでトラディショナルなウェルバランスのサウンドです。ホールトーンが多めで長時間聴き疲れしないナチュラルサウンドは明確にクラシック向き。購入直後は少し曇った甘い音で失敗したこれっ!?と思ったのですが、SACDプレーヤーのONKYO C-S5VLに繋げてクラシックとジャズのSACD高音質盤を沢山用意し、大音量(注:短時間なら耳で聞けるもイヤフォンが壊れない程度の音量)で2日間くらい慣らし運転をしたところ、情報量も増えて十分クリアで不満の無い音色になりました。

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基本、ホームオーディオ的なバランスの鳴り方で、長年使って来たB&O A8(工事中)とかSENNHEISER MX400は基本的にかなりハイバランスで、家にあるスピーカーとの周波数バランスの違いにすっごい隔絶感があったのですけれども、AKG K391NCはホームスピーカーそのまんまのバランスです。良くある高音質イヤホンのように高域や中低域が強調されて聴き疲れするような感じは皆無の正統派。かといって(注:NC アクティブの場合)曇ったり濁ったりしている訳でも無いです。歪み感の無いリッチでエレガントなユーロサウンドです。

ノイズキャンセリングのオンオフで音質が違います

音質はノイズキャンセリングONとOFFでは全く違います。と云いますか音量が違います。ONの音量が100dBでOFFが92.5dB・・・・・アクティブとパッシブでなんとまぁ8.5dBも違うデスよ。聴感上も2倍以上違って聞こえますので、使用中、不用意にNCをアクティブにすると曲によってはかなりの爆音になるので注意が必要です。

音質はNCパッシブではフラットでナチュラルなヨーロピアントーン。かなりウォームでCREEKの音に似てます。但し客観的な水準としてマイルドさが勝ってしまい、価格相応(14000円~相当)の高音質とは言い難いです。NCアクティブにすると程々のドンシャリになります。中低域と中高域が聴感上ワイドレンジに聞こえるように強調されて、ウォームトーンが後退し、NCパッシブ比で劇的にクリアになったように聴こえます。フラットバランスではありませんので、モニター的な音質とは本質的に異なる創られた音場感なのですけれども、音楽的なツボを押さえた立体的で聴いていてなかなか楽しい音になります。設計的にも常時ノイズキャンセリングONでの使用が前提っぽい音質です。

これでも兄弟モデルのAKG K374/K375みたいに低域が過剰に強調されたり、高域がロールオフして不明瞭になる感覚はK391NCには全くありません。同じドライバーを使っていても両機の音作りは違うベクトルにあるっぽいです。「ミュージック・ギークス!」でAKGのハイエンドモデルK3003のテイストが味わえる隠れた名機?的に書かれていますが、確かに”フラッグシップの遺伝子を受け継ぐナチュラルで透明感のあるサウンドは、誇張の無い均一なエネルギーバランスで、音楽の感動をありのままに伝えます”というハーマンの触れ込み通り、これは正統派のダウングレードな感じ。1万数千円クラスという本来の価格相応である十分な情報量と解像度を備えつつ、ホールトーン豊かな音場感と上品でエレガントな滑らさが支配的なサウンドですので、AKG K374/K375と両機持ちする場合には、ソースに合わせて使い分けるのが良さそう♪

ノイズキャンセリング性能

フィードフォワード式ノイズキャンセラー搭載。でもノイズキャンセラーの性能はやや中途半端感があるというか食い足りないかも。町中が日本みたいにうるさくないオーストリアで設計されていることもありそう。基本的に低域のみにしか働かないノイズキャンセラーですので、イヤーピースでがっつりと遮断しない限り、会話とか日常音等々は透過して聞こえる感じです。ある意味安全設計。NCが基礎的音質に与えるデメリットとの兼ね合いで、このくらいの効き味になったのでしょう。ただ、電車や飛行機、町中に溢れる低周波の暗騒音は半分以上消えてくれますので、危険な状況にならずに音楽を愉しめるという意味で十分実用的なバランスだと思います。

AKG K391NC 充電中

純正のAKG K391NC用イヤピースの型番はAC6BKですが、遮音性はイヤーピース次第で大幅に変化しますので、そこで各々調整すればまぁ実用十分でほぼ問題無いと思います。管理人としては、ノイズキャンセラーの必要性は外部の騒音低減だけが目的では無くって、結果的に常に低い音量で音楽が聴けるために耳に優しいのが存在意義の本質だと思いますので。

リチウムイオンバッテリー

内蔵リチウムイオン充電池は公称35時間ですので、ふつ~に使っている分には丸一日無充電でも、あるいは数日余裕で持ちます・・・但し使用後に切り忘れて放置しなければですけれども・・・これが結構忘れるんだな~(苦笑)。充電時間は通常1~2時間。汎用規格のUSB miniBケーブル経由です。ここはやはり充電用のminiB USBケーブルに10万/mくらいの超高級品を使うとかなり音が良くなります(嘘です)♪

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長期保管する際には内蔵電池を壊さないために充電状態で保管しましょう。ただこのモデル、バッテリーが切れても音は(パッシブ状態の音質で)出ますので、NC機能にイヤフォンとしての本分を拘束されていないところは何気に優れものだったり。ただ、リチウムイオンバッテリーが将来駄目になったらどうするの?と考えたとき、自分で交換出来ない上に、構造上バッテリーのみの交換は出来ず、修理扱いで約9千円(税込 注:2015年秋時点)ほどかかるとのこと。バッテリーが駄目になったら本体購入価格を上回ってしまふ・・・。

外観とハンドリング

デザインが良くて写真で見るとアルミフィニッシュで高級感がありますが、実物はプラスチッキーで若干玩具っぽいかも。AKGといってもこのクラスは中国生産ですし。ノイズキャンセラーユニットは想像していたよりずっと小さくて軽いです。

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難点を挙げるとすると、NCユニットは「下から入って上から出る」のではなく、同じ側からケーブルが2本出ている方がポケットに入れるにしてもベルトに挟むにしても使いやすいと個人的には思います。そしてケーブルの長さが色々おかしい(苦笑)。DAPとNCユニット間のケーブルが50cmもあってもの凄い邪魔です。ただこれは着脱可能ですので、DAP用の短い高音質ミニミニケーブルにリケーブルすると解決します。

イヤーピース

”イヤーピース”ではなくて”イヤピース”と書くのがなんだか業界標準っぽい。遮音性の兼ね合いでAKG純正で自分に合うのはLサイズでした。でも微妙に耳穴が痛くなるのでLとMの中間があれば良いのに。。。これだけ使っているとこんなもん?ですけれど、他のイヤフォンに慣れたエンスージストの皆様からは装着感的に不評ですので、気になる方は交換した方が良いのだと思われまする。私は交換したひ・・・(苦笑)。イヤフォン界隈に慣れてないので、SとかMのイヤーピースは交換が大変で焦りました。先ずきのこを裏返しにしてから中のチューブをぐりぐりネジ込むとあっさり入るのですね。。。

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リケーブル

AKG K391NCはヨーロピアントーンの滑らか且つウォームで優美な音色が根底にあるのですけれども、これが音質的に若干食い足りない印象に繋がる部分があって、ハイファイ的には中途半端だなぁという感じが無きにしも非ずだったり。。。そこで試しにiPhone→NCユニット間を繋げる3.5mm Mini to Miniケーブルを、(オヤイデHPC-23TNを導体に使用した)FiiO L16にリケーブルしてみたところ、適度な解像感にカリッとした密度感とスピード感が加わり、過剰な甘さが減衰して音質的な意味での不満がほぼすっ飛んでしまいました♪

流石PCOCC-A素材。なんでか音量が大きくなって聴こえます。デメリットとしては音が前に出で来るので、音像が耳の中で更に近くなるのが難点ではありますけれども。。。でもおそるべしリケーブル。たかだか10㎝程度のミニミニケーブルがイヤフォンでもこんなに効くんだ。。。音色の変化が面白いので色々な3.5mm to 3.5mmタイプの Mini to Miniケーブルを試してみたくなりました。次は銀線か銀コート線ですねっ♪

ヘッドホンアンプやDAPデジタルオーディオプレーヤーとの相性

K391NCのインピーダンスは32Ω。公称12-24.000Hz。よってハイレゾには非対応でしてよ♪(はぁと) 音質的にiPhone4iPhone5との相性は良好。特にiPhone5よりもiPhone4での音質が良いです。なんだか一応iPhoneでも音作りしてるよ~な気がする。ただやはりiPhoneのヘッドフォン出力直でのドライブ力には難があって、K391NCと組み合わせると音に力感が足りないと云いますか、ほんの僅かにスカスカ風味・・・そして微小情報がごっそり欠けてる。ヘッドフォン出力の音質が非常に良い自宅のプリメインアンプTAG McLaren 60i(工事中)に繋げると、AKG K391NC本来の活き活きとした実力を見せつけられる感じです。安価なONKYO C-S5VLのヘッドフォン出力でも高解像度基調でなかなか愉しめますし、iPhoneのアナログ出力<<<<<<越えられない壁<<<<<<据え置き単体オーディオ機器のヘッドフォン出力になってしまうのは致し方ない部分。DAPで音楽を聴く時間が長い御仁の場合には、ここはやはり高音質なポーダブルアンプを咬ませた方が良いのではと思いまする♪

プレーヤーアプリはiOS7.1の内蔵プレーヤー、ONKYO HFプレーヤーDenon Audioと使い分けてますけれども、広がり感はiOS7.1の標準プレーヤー、ONKYO HF Playerはレンジ感が狭いのですが、中域の押し出しと高域のメタリックな煌びやかさ、音楽的なノリの良さが好印象♪ 気分が明るくなりますし、特に外出時にも音が埋没しないのが良いです。Denon Audioは潤いある滑らかな音色でDENONのホームオーディオ機を彷彿とさせるな高級感のある鳴り方。ただ、せっかく高解像度のイヤホンで聴くのには、ボーカルや弦楽器など高域方向のサーフェスが耳当たり良くツルッとし過ぎてるかも。自分はこの3つをアルバムの音質に合わせて適宜使い分けています。

~まとめ~

今回は在庫処分の投げ売りの最低価格でK391NCを入手できましたので、不満どころかこの性能でこの価格というのはもの凄いトクした気分です♪ ノイズキャンセラーが付かない兄弟機のAKG K374/K375と変わらない価格ですしね。裏を返すと1万4000円の時に購入していたらほんのちょっぴりトーンダウンした控えめなレビューになっているかも。。。なんて。

でもやっぱり、国内では不人気かも知れないとは云え、AKGの音は色々な意味で優れていると思います。管理人はずぶずぶのヨーロピアンサウンドが大好きだったりしますので、人とは違う何か?をイヤフォンやヘッドフォンに求めるハイセンスな皆様には、質感の深さと音楽性を高次元に両立しているオーストリアAKG製品をパートナーにして間違いは無いと思う。特にクラシック音楽ファンとアニメの「けいおん!」ファンの皆様には、問答無用でAKG製品を1本手元に置かれることをお薦めしておきたいかな~なんて(^O^)/。それでまぁ、機種は出来ればなるべくAKG K3003で…。

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