MARANTZ(マランツ) CDR630 Professional CD-Rレコーダーの紹介をしてみる

MARANTZ(マランツ) CDR630。1999年に購入し、メインシステムのオーディオラック左上に収まったまま不動の地位で既に22年。途中で同じものを一度買い換えていますので実は2代目。その名の通り今となっては骨董品の据え置き型「CD-R」用単体レコーダーで、ついでにCD-RWのリライタブルもとい書き込み消去も可能です。レコーダーと云うと今の人には録音専用機と思われがちですけれど、これで歴とした再生用CDプレーヤーでもあります。という事で今更ながらレビューしてみますけれど・・・需要あるかな?。

MARANTZ CDR630 c

主力のCDプレーヤー(これも同じく骨董品CEC TL5100Z)に比べてMARANTZ CDR630の使用頻度は1/10以下ですが、それでも当時のPHILIPS/MARANTZ系CDレコーダーのみに搭載されている「ダイキャストメカ」と、PHILIPSのビットストリームD/Aコンバーターが織りなす音質は、今となっては他に代えがたい特別な魅力を持つ「旧PHILIPS系CDプレーヤー」の系譜末席にしっかりと残る逸品だと思っています。

Index

CD-Rメディアの存在意義と高音質化

民生用デジタルレコーディングに於いて圧縮デジタル音源のMDプレーオーやDCCテープデッキが主流の90年代末、MARANTZ CDR630で画期的だったのが、CD-Rディスクへの非圧縮PCMデジタル録音(CDの無劣化コピー)が出来るCDレコーダーだった点です。当時は業務用DATという選択肢もありましたが、DATにはカセットデッキと同じくテープ及びテープヘッドの劣化やトラックアクセスの悪さという欠点がありました。CD-Rは既存の光学12cmCD-DAとほぼ同様に扱えて、殆どのCDプレーヤーで再生可能という触れ込みでしたから、当時の僕の目にはCD-Rの方が魅力的に映った訳です。CD-Rの音質そのものについては、実はDATの方がずっと優れていましたけれども・・・(滝汗)

MARANTZ CDR630 b

当時、一部のPCマニアの間では既にCDをPCドライブでリッピングする行為がはじまり、程なくプレクスターやTEACの高音質ドライブが話題になり始めました。高音質CD-Rを製作するためにはジッターの多い高速ダビングを回避して等速コピー(1倍速)が望ましいとか、喧々囂々マニアが議論し始めた時期です。※当時のCD-Rメディアは最大で4~8倍速でした。HDDの容量が10GBとかの時代ですから、大量にCDをリッピングしたままPCに保存というのはあまり現実的では無かったのです。CD-Rにダビングすると元CDより劣化して聴こえるとか、更に世代コピーを繰り返すと音が濁るとか、バイナリ一致しているのに何故音が違って聞こえるのか?等々技術面の論争が色々と楽しかったのを覚えています。

これらの喧噪は保存メディアが大容量化し、“EAC” Exact Audio Copy等でのPCでの高音質リッピングが容易になった今となってはとても考えられない内容です。けれどそんな時代、業務用の音楽用CD-Rレコーダー専用機は、PCドライブよりも簡便且つ、聴感上高音質にCDのダビングが可能という考え方があり、そこで当時の僕が飛びついたのがMARANTZ CDR630でした。

姉妹機種PHILIPS CDR880SとMARANTZ DR700 CDR640とSCMS

MARANTZ DR700

実はCDR630と中身がほぼ同じ民生用CDレコーダーにPHILIPS CDR880SとMARANTZ DR700があります。PHILIPS CDR880SとMARANTZ DR700は民生用DAT同様のSCMS(シリアルコピー・マネジメント・システム)を搭載することでCDの世代コピーが不可能ですが(※ワンスコピーのみ可能)、MARANTZ CDR630の場合は業模用レコーダーのためSCMSが非搭載。即ち何度でもコピー可能なCD-Rを製作出来ると云うのがポイントでした。今となってはPCでも出来る浦島太郎なお話ですけれど、当時はPCでのCD-R焼き品質についてそれほど信用されていなかったのです。尚、これらPHILIPS/MARANTZ製CDレコーダーの製造国は全てオランダPHILIPSのベルギー工場でした。

PHILIPS CDR880S

PHILIPS CDR880SとMARANTZ DR700、CDR630は基本的に同じ物ですが、当時MARANTZの人に直接伺った話では、それぞれのブランドイメージと目的に合わせてMARANTZサウンド、PHILIPSサウンド、業務用向けの色付けの無いサウンドになるように味付けが変更されているそうです。同じ日本マランツ社内でブランドキャラクターを分担していた「輝かしく明るい音色のMARANTZ」と、「ビロードタッチのウォームで濃厚なPHILIPSサウンド」の違いを、このようなモデルでもそれなりに作り分けていたのですね。

PHILIPS CDR560S

他にはCDR880SをベースにサイズダウンしたPHILIPS CDR560と云うハーフサイズのモデルや、左右にCDレコーダーとCDプレーヤー(CDM12.4メカ)を載せた1:1倍速ダビング用のダブルデッキプレーヤーPHILIPS CDR765Sがありました。CDR765Sの主要チップや録音側ドライブメカもCDR630と同じ構成ですので、これはこれでお得かも知れません。

PHILIPS CDR765S

尚、CDR630は業務用ですので、民生用のMARANTZ製CDプレーヤーのサウンドイメージとも異なる色付け感の無い地味な傾向の音質です。あとはこのデザイン。3機種ともベースデザインは全く同じなのですけれど、ラックマウントも出来るマットホワイトの筐体は20年経っても全く見た目に飽きが来ません。低価格機特有の安っぽさが無く、業務用機でありながらエレガントな雰囲気を纏っていてとても美しいプレーヤーだと思います。また、CDR630のみラックマウント用のスチールパネルでシャシーを挟み込む構造のため、民生用モデルよりも少し重量が有り筐体剛性が高くなっています。

MARANTZCDR640s

CDR630はプロ用機器としてSCMSが回避出来た代わり定価が165,000(当時実売12~13万程度)。民生用で定価130.000円(店頭実売10万以下)のPHILIPS CDR880S/MARANTZ DR700に比べると割高になります。しかも当時のCDプレーヤーは平均的に今よりもずっと安価で物量投入されていましたので、CDR630は他の再生専用CDプレーヤーと比較した定価5~8万円程度の回路構成に過ぎません。ですので相対的にお世辞にもお買い得なCDプレーヤーとは言い難かったのですけれど、僕にとってはあくまでサブ機であり、またSCMS無しCD-Rを家庭内で自由に焼ける魅力には代えられませんでした。上位モデルには、更により本格的な高音質回路を搭載した録音スタジオ向けリファレンスモデルMARANTZ CDR640(\\250,000)がありましたが、手が届かないので妥協案として弟機のCDR630を購入した経緯があります。

MARANTZ CDR630 音質レビュー

MARANTZ CDR630のCDプレーヤーとしての再生音質はプレーン。民生用且つ日本製品的なキャラクターを付加された派手さやドンシャリ傾向は無く、マットでややクリスピーな中域~中高域を中心に、音源そのものの音質を変な色付けや誇張感無くストレートに伝えてくれるコンサバでニュートラルな音質のCDプレーヤーです。MARANTZの派手な明るさもPHILIPSの濃厚なビロードタッチもCDR630はなく、双方の民生機しか知らない方からするとこれは少々地味すぎると感じられる知れません。敢えてどちらに近いかと云えば、90年代マランツの薄型普及機に共通するトーンバランスから派手な色を抜いた感じです。

MARANTZ CDR630

温度感は微ウォーム。レンジ感はFレンジDレンジ共にナロウ、残響感や音数は少なめ。中域~中高域にかけて少しだけ前に来ますが、低域の量感は少なめ。高域は明らかに地味。音場サイズや奥行き感は普及機なりの普通さです。光る部分を挙げるとすれば後述するダイキャストドライブメカのキャラクターとして独特の秘めたエネルギー感と音の粒子感を感じます。全体的に国産機的な鳴り方では無く、今時のクリアで3D的なハイレゾサウンドにも程遠い、完全に90年代のヨーロッパトーンの範疇にあるCDレコーダー/CDプレーヤーで、云ってみればデジタル臭の薄いアナログライクなサウンドが特徴です。

音質的には黒子に徹している反面、音楽的につまらない音がするタイプでは無く、流石PHILIPSのビットストリームDAC搭載機と云える独特のリズミックで音楽的な抑揚ニュアンスを、演出控えめの中にもしっかりと継承しています。PHILIPSやMARANTZ民生機のような一聴して判るエロティシズムの誇張はしない地味子ちゃんではあるのですけれど、良く見ると・・・!?みたいな。

MARANTZ CDR630 筐体内部

内部にアクセスするには欧州製品らしくT10ヘクスローブ(トルクス)レンチを使います。見事にスカスカですが、この辺りのシンプル&ストレートでの割り切りは当時の欧州製CDプレーヤーに共通している部分です。肝心のデジタル基板はドライブメカの下側にあるため全貌が見えません。右側は電源基板でヒューズはT315mV(SB)。背面で100V/200V切り返えが可能です。

MARANTZ CDR630 inside

カバーで見難いのですがいったん電源を入れてトレイを引き出した状態にするとピックアップが見えます。けっこう埃っぽかったので綿棒とピックアップレンズクリーナーで清掃。

CDR630 pickuprends

ダイキャスト製CDドライブメカとビットストリームD/Aコンバーター

搭載DACチップは、当時欧州製普及価格帯のプレーヤーやDACで良く使われていたPHILIPS TDA1305T。デジタル入力とSRCがTDA1373H、ADCがSAA7366。回路も極々簡素ですし、中上位機で多く使われていたDAC7(TDA1547)搭載機ほどのリッチな音数を愉しめる訳ではありませんので、そこら辺は(当時の5~8万円程度の)クラス相応な廉価モデルのDAC音質です。音楽性そのものは高く、音質面も決して悪くはありませんが、あくまでエントリークラス水準であり、DAC部分についてはPHILIPSビットストリームサウンドの味わいと肌触りの良さを別にすると、取り立てて音質的に優れている感じはありません。

MARANTZ CDR630 inside 2

ドライブメカはPHILIPS CDM-12/VAM-12系をベースにCD-R録音用に開発されたダイキャストメカCDM36 (CDL3610/01)。歴代スイングアーム式ダイキャストメカからは外れたリニアトラッキング式のメカですけれども、最後のPHILIPS製ダイキャストメカとして、通常のプラスチック製CDM-12/VAM-12では得られない独特の快活で血の通ったエネルギー感と、ダイキャストメカに共通する粗めの粒子感が特徴です。これもCDM4やCDM9スイングアームメカほどの厚みと熱気剥き出しでは無く、快活さと節度のバランスが取れた音質が特徴だと思います。

まともな光学ドライブ搭載機がめっきり減ってしまい、あってもなかなかのお値段の機種になる今となっては、このCDM36 (CDL3610/01)ダイキャストドライブメカのCDトランスポートとしての音質だけでもご飯が三杯食えると云いますか、当時165000円の価値が今になるとあるように感じます。※デジアナ回路部分はともかく、PHILIPS CDM9終了後の10万円以下のCD再生専用普及モデルで、これだけの音質のドラブメカを積んだモデルは当時でも少なかったと思います。

PHILIPS CDM36 CDL3610-01

尚、CDM36 (CDL3610/01)ダイキャストトランスポートとしてみた場合、CPRMを気にしない場合は翌年に出た民生用のDAC7搭載機のMARANTZ DR-17がドライブメカ×筐体品質等で音質的には最強だと思います。※いわゆる当時の厚みと暖かみがあり、キンキラ明るく℃派手なマランツサウンドです。ドライブメカさえ良ければ送り出しトランスポートにして外付けDACでいくらでもグレードアップ出来ますので。CDM36 (CDL3610/01)リニアトラッキングダイキャストメカ搭載機はCD-R録音機としての評価が先に来てしまい、単体トランスポートとしての隠れた性能がスルーされてしまった勿体ない機種だと思っています。

CD-Rの録音品質

実はもう10年以上CD-Rのレコーダーとしては使っていません。今となっては全てPCで代用が利きますし、等倍速コピーには時間が掛かる、1倍速コピー用の高音質CD-Rが遙か以前に入手が難しくなっていること。24倍など高速コピー対応のCD-Rメディアは、引き換えとして低速時のジッターレベルが高く、等速ダビング用のメディアとしてはあまり向いていない点、FMラジオのエアチェック習慣が無くなってしまったこと等々から、レコーダーとしての出番はほぼ無くなってしまいました。

当時のCD-R焼き品質については、ノイズの多いPCを環境内で一切使わずにバイナリ一致でダビングが出来るため、焼き上がったCD-Rメディアの音質はジッター及びビット書き込み精度面でかなり良好だと思います。更に送り出しのCDトランポートとデジタルケーブルの音質傾向がどういう訳かガッツリと乗りますので、送り出し側の音質次第で色々な傾向のCD-Rを焼くことが出来ます。

ただまぁ、これはあくまでCD-Rメディアとしての話ですので、どこまで行ってもオリジナルのアルミ(or金)蒸着CD-DA盤の音質にはどうしたって敵わないのも事実です。CD-Rメディアは響きがモワッと濁った感じになるのですが、焼き品質次第で程度の大小の差はあってもCD-DAの音には及びません。CDに比べて反射率が悪いので、手持ちではナカミチのカーステレオ等、CD-R非対応の旧式CDプレーヤーの一部で音飛びが避けられない点も地味にCD-Rが解決出来なかった問題点だったりします。ただ、PCで無造作に高速焼きしたモワモワ音質のCD-Rに比べれば、最大限高S/Nでボケが少なく焼けるのはメリットでした。

CDR630の使いこなし インシュレーター

良い素性を持ってはいますが、業務用という事もあってこのままではどうしても「地味」な音の印象が拭えません。地味であるが故に録音に刻まれた音楽表現におかしな色眼鏡を掛けたり邪魔をしないメリットはあるのですけれど、オーディオラックに並ぶ製品と比べるとどうしても+αの何か?を求めてしまうのはオーディオマニアの業ですね。。。そこで箱庭ピュアオーディオ管理人は、例のごとくインシュレーターRCAケーブル電源ケーブルを交換してある程度のキャラクターを付加することで、CDR630を運用する上でのシステム内でのバランスを取っています。

Audio Replas OPT-1HR

最初、もう1999年の時点でやったのがインシュレーターの取り付けです。元々は良くある滑り止め付きの丸いプラスチックフィートが付いていますが、それはそのまま外さず、手前側中央ドライブメカ直下のトレイ左右及び後方角2点に、人工水晶(石英)で作られたAudio Replas OPT-1を4点支持で入れています。※同機2代目にはOPT-1HRを入れています。個人的な経験として特にデジタルプレーヤーでAudio Replasの石英インシュレーターは絶大な効果を発揮すると感じていて、ここを含めて他にも何カ所かに入れているのですけれど、もしかすると水晶発振器と共鳴しているの?なんて電波を飛ばしてみたり・・・。

DSCF5205s

CDR630は筐体の塗装仕上げの影響からかややマット調のクリスプでドライな響きがしますが、※民生用のMARANTZ DR700、PHILIPS CDR880Sとはフロントパネル周りやシャシーの塗装仕上げが違います。ここに適度な透明感と響きを加える意味でも、Audio Replas OPT-1HRは家では欠くべからざる存在です。これによって温度感が下がり、上品で清潔感と高級感のある響きが加わります。

取り付けには「0.15mm極薄」のアクリル系両面テープを使っていますが、基剤不織布orプラ等、これでも音質が変わるので試行錯誤した方が良いかも知れません。貼って剥がせるタイプが無難ですが、経年で剥がせそうに無い場合にはデンタルフロスを使えば取れます。

スリーエム(3M)
¥500 (2024/11/21 15:11時点 | Amazon調べ)

CDR630の使いこなし インターコネクトケーブル

2つ目はRCAケーブル。これについては繋げるアンプ・・・システム全体との相性でマッチするものがそれぞれ違ってくると思いますけれど、艶と明るさ、響きを補うタイプが向いていると思います。今入れているのはStereovox HDSEですけれども、上質なケーブルが他の機器にみな取られている状況で、余ったものの中から消去法で充てているだけで、Stereovox HDSEがベストだとは思っていません。

Stereovox HDSE

明るさや音場の開放感はHDSEで良いのですけれど、響きの量の面でCDR630を補うには少々ドライすぎるかも知れません。尚、TAG McLaren 60i時代はずっとSpace&Time Prism22を充ててPHILIPSサウンド風の濃厚なイメージを付加していました。そういや両方とも単線ケーブルです。現行製品ではWireWorldなんかは良く合うと思いまが、プロ機らしくゴッサム辺りを宛がうのも通っぽいかも。自分が仮にスタジオ用途で使うとしたら色付けを廃す組み合わせとしてDH Labsを選びたいかな。

CDR630の使いこなし メガネ型電源ケーブル

3つ目は電源ケーブルでここが一番効きます。CDR630背面のインレットはC7メガネ型端子ですので、これまでに市販のオーディオ用メガネ型電源ケーブルを数種類試してきました。覚えているだけでこんな感じです。

adPanasonic OFC RP-CA108A
internalオヤイデ L/i15dpc
internalオーディオクエスト NRG-1(工事中)
internalSir Tone VFF-2508
internalNordost SHIVA

Audio Quest NRG-1を使っていた時期が長い気がしますが、現在収まっている人はNordost SHIVAです。どちらも単線電源ケーブルですね。SHIVAの音質についてはこちらにレビューしていますが、基本的に美音系で弾むような快活な音楽性と明るさを加える方向に働きます。喩えるなら地味子ちゃんのピアノの発表会でちょっと露出の多い派手目のドレス服を着せてあげる感じです\(^^@)/ ※Nordost SHIVAをCDR630に繋げるためにはIECインレットのメガネ端子への換装が必要になりますが、加工については↓のエントリをご参照くださいませ♪

CDR630の使いこなし 入出力端子キャップでのチューニング

4つ目は端子カバーでのチューニング。CDR630は録再デッキですので背面には沢山の入出力端子が付いています。使わないRCAやXLR端子は酸化を防ぐためにカバーキャップをしておきたいのですが、この手の端子キャップの素材如何でそこそこ音質が変わるため、一周回って何も使わないのが最も音質が良かったりします。

MARANTZ CDR630 rearpanel

素材の音が乗ると言えばそうなのですけれど、良くあるaudio-technicaの透明なプラキッャプAT6063Rピンジャックプロテクターは歪み感が取れますが、音の立ち上がりが鈍って丸くなる傾向。こればかりを沢山使うと耳当たりは良くなりますが、引き換えに安っぽく篭もった感じになります。この傾向を活かして歪みっぽい機材の耳当たりを改善するのには使えます。

Audio Technica(オーディオテクニカ)
¥3,170 (2024/11/19 00:04時点 | Amazon調べ)

RCA端子カバーとして僕が良く使うのは、audio-technicaが元々はカーオーディオ用に販売しているPG-JP6メタルピンジャックプロテクター。なんだかんだと空き端子のある各機材に概ね1個ずつ入れています。質量のある真鍮ニッケルメッキで、1個でも結構変わるので少しずつ使うのですが、音色はクールでメタリック、高級感のある滑らかな響きが乗ります。但し2箇所以上に使うと音が生気を失ってしまう傾向がありますので、使用量には細心の注意が必要です。この手のRCAキャップ、XLRキャップなどの金属製端子カバーやショートピンは各社から色々と出ていますので、それぞれに皆音色が違うので色々揃えると重宝すると思います。

adAudio Quest ノイズストッパー RCAキャップ RCA-CAPS
adCARDAS RCA C-SS
adAcoustic Revive IP-2Q
adMUTECH MU-RCAP
adLOJECT ロジェクト LJ-STP
adMG-M RCAキャップ RCAジャックカバー
adMonosaudio RCAキャップ
adAET EVO-RPS EVO-RPB ※ショートピン
adAcoustic Revive SIP-8Q ※ショートピン

注意点として、通常のキャップは入出力端子問わず使用出来ますが、ショートピンタイプは理論的にノイズ抑制効果がありますが、出力端子には使用出来ませんのでご注意下さい。

~まとめ~ CDトランスポートとしての使用がお薦め

録音スタジオで採用されていた台数も多く、今でも中古で入手される方がいらっしゃる機種ですのでこんなレビューでもまだお役に立てる方がいるかもと書いてみました。メインのベルトドライブCDプレイヤーやSACDプレイヤーに比べれば正直稼働率は高くないのですけれど、また演出感の少ないブレーンでニュートラルな普通の音を聞いてみたい場合には、敢えてCDR630側で再生したりします。そしてCDトランスポートとしての音質が存外に良く、外部DACを繋げることでクラスを超える音質を得ることも可能です。既にCDレコーダーとしての需要は殆ど無くなっているでしょうが、僕の中でこのCDR630の価値は、CDトランスポート対DACが8:2くらいのイメージです。

Pioneer
¥25,714 (2024/11/17 02:50時点 | Amazon調べ)

CDR630を購入した同時期に同じく民生用単体CD-RレコーダーのPioneer PDR-D5を所有していたのですが、CDR630をデジタル送り出し側にしてPioneer PDR-D5をDAC側として使うと双方のサウンドを大きく凌駕出来た為、この2台を掛け合わせて使っていた時期がありました。これはまぁ流石にイレギュラーな組み合わせですけれど、普通にそれなりの単体外部DACでも良いですし、アンプ内蔵のDACに入力する方法でも割と好結果が得られると思います。

同じCDM36(CDL3610/01)ダイキャストドライブメカ内蔵機ではMARANTZらしい明るく派手な音色のDR-17が更にお薦めですが、業務用機ならではの脚色の少なさから敢えてCDR630やCDR640を選ぶ選択肢もありますので、まだお使いの方は試してみてください。ちなみにドライブメカそのものが同じでも、機種それぞれの音質傾向は驚くほど明確に乗ってきますので、音楽生成に於いてDACとトランスポートの本当はどちらの支配力が高いのか?を見極めるのにも使えると思います。

MARANTZ DR-17

箱庭ピュアオーディオ管理人現在、CDR630をCDプレーヤーとしてではなく、CDトランスポートとして外部DAC Musical Fidelity V-90 DACに繋げて使用しています。その話は単体DACの紹介という形で↓のエントリに纏めています。

+For
貴重なCDM36(CDL3610/01)ダイキャストドライブメカ搭載機
プロフェッショナル用且つ色褪せない独特のデザイン
90年代ヨーロッパートーンのコンサバティブサウンド
PHILIPSのビットストリームDACサウンド

-Against
単体CDプレーヤーとしての音質はあくまで普及クラス
音質傾向はいろんな意味で地味

categoryCategory:MARANTZ(マランツ)とPHILIPS(フィリップス)
categoryCategory:CD/SACDプレーヤー

  • URLをコピーしました!

コメント一覧 (1件)

  • CDM-24の マランツ CDR-615とCDR-640を主に使っていますが、615が壊れたので DR-700fのCDM-36からメカを移植しました。調べたらピックアップ部はebayで4000円くらいで売られていますね。ただし、新品ですが社外品なので品質はダメな可能性があります。ところで、やはり予備パーツとしてPHILIPS CDR880を買ったのですが、CDR-640やTASCAM DVD-R1000で焼いた太陽誘電のマスター用CDRを読んでくれませんでした。音楽CDRでないと書けないのはわかるのですが、読むことすらできないようですので使い物になりませんです。

コメントする

CAPTCHA

Index