Zonotone 6NAC-Granster 3000αモニター当選インプレッション♪

箱庭ピュアオーディオ管理人、初夏にZonotoneのレビューモニターに応募していたのですけれど、なんとモニターに当選してしまいました!前園社長ありがとうございました♪ 見ていないかもですがこの場で御礼申し上げますm(__)m。と云うことで、いただいたケーブル6NAC-Granster 3000αを8月末から使用しております。2週間ほどエージングして、初期の印象とは変わってきた部分もありますので、そこら辺も絡めて詳細なレビューをしてみたいと思います。

Zonotone 6nac-granster3000 package

実は2012年にも当時の新製品モニタープレゼントに応募していたのですが、その時には落選してしまい、今回は二度目の正直?だったり(^^)ゝ

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今回モニタープレゼントしていたモデルは4種類の新型RCAケーブルです♪

Silver Granster AC-1001α

6NAC-Granster 2000α

6NAC-Granster 3000α RCA ※当選モデル

6NAC-Granster 3000α XLR

エントリークラスのSilver Granster AC-1001αは、銀コートOFC/HiFC/PCUHD/OFCの4種ハイブリッド0.78Sスケア2芯?ダブルシールド構造。6NAC-Granster 2000αは、6NCu/HiFC/PCUHD/OFC4種ハイブリッド0.78スケアマルチストランド2芯ダブルシールド構造。6NAC-Granster 3000αは2000αと同一構造導体×2で4芯。XLRバランスタイプはスイス NEUTRIK(ノイトリック)製のXLRプラグが使われています。

Zonotone 6NAC-Granster 3000α 音質レビュー♪

6NAC-Granster 3000αの見た目はこんな感じです。先代モデル6NAC-3000 Meisterのジャケットは黒っぽい地味なシースでしたが、新型はZonotoneらしい中が透けてみえる綺麗な透明ブルーのシースに変更されました。RCAプラグはZonotoneオリジナルで高級感もありますが、コレクトチャック式では無くコンタクトは優しい方。質感としては価格帯相応の無難なデザインという印象です。RCA/XLR共に、6NAC-Granster 3000α AVと云うホームシアター向け一本売りのパッケージもあります。

Zonotone 6nac-granster3000α RCAケーブル

取り敢えず先ずは、6NAC-Granster 3000αをRCAケーブルの変更で絶賛お悩み中のONKYO C-S5VLTAG McLaren 60iの間に繋いで音を出してみると、おお、、、これはまさしくZonotoneでありました♪。なんとなくゴディバのチョコレートみたいだ(謎)。オーディオ的には「薄味の今時のハイレゾサウンドとは一線を画す」アナログライクな個性です。音楽的には「音楽の核心部分を実直に描写する」至極まっとうな音。オルトフォン時代からそうなのですが、前園さんのサウンドは、高解像度&ワイドレンジで透明な日本のオーディオ的感覚とは少々ベクトルが異なる、どこか海外製ケーブルにも通ずる音がします。低域が薄いC-S5VLのf特バランスに大きな不満が無くなると云う事は、低域が強いCDプレーヤーやアンプと組み合わせた場合、ウッドベースやドラムの沈み込みがかなり腹に来そう。・・・特にジャズ好きなリスナーさん達は絶対にその方が良いですよね♪

音色は中域から低域方向に向かうほどマイルドでウォーム。レンジ感はこのクラスとしては僅かにナロー傾向かな?帯域別に述べると、低域は深みと沈み込みがあり、中域は音像定位がタイトで密度感が高いのですが硬質すぎずアナログ的。中高域にはアクセントとして光が差し込む感じで、それ以上の高周波帯域はむしろ大人しい印象。なによりリスナーを音楽に引き込む力を持っているところが最大の美点です。オーケストラは高さ方向は出にくいのですが、低域が充実していて、弦楽器は基音が目立つスチール弦的な切れ味ではあるのですけれど、歪み感は不思議と皆無で胴鳴り含めてリアル。ティンパニの音は深く沈み込みドスンと重い。

音場空間は上下左右には格別広い感じはしないのですけれど、スピーカーの少し後ろくらいから上下にばらけず奥行き方向に定位します。この上下に位相がばらけないって結構大事なポイント。これは以前にSonus Faber Cremona M+Accuphaseのセパレートシステムでオッ!と感じた時と少し似てる。ただあれはさすがに上位モデルの7NAC-Grandio 07でしたので、たぶん直接比較したらもっとずっと奥行きが深い。どちらにしてもひたすら前方にガンガン繰り出して迫ってくるだけの安直なサウンドでは無いです。

薄味の明るく爽やかでセンシティブなC-S5VLとは全くベクトルの違った個性で、組み合わせるとらしくない、ほんのりヨーロッパ製CDプレイヤーみたいな音色に。ONKYOのサウンドが好きな人は首をかしげそうですけれど、明るすぎるとか、深みが足りないと感じている場合には、弱点をひっくり返す位の強い個性を秘めていると思います。サブシステムのCREEK CLASSIC CDとEMF Sequel2に繋ぐと、中域の音像の密度感が高まり更に濃厚な感じに。ウォーム系のナチュラル×ナチュラルで音色のマッチングは良好ですが、元々低域強めのEPOSのスピーカーでは中域~低域の押し出しと一音一音の意志の強さが際立つので、時に良い意味でBGM向きでは無くなってしまふ。。。\(^o^;)/

ハイブリッド導体の所以か響きは独特で、直接音はアナログレコードを彷彿とさせる、ほの暗くてウォームで濃厚なアナログサウンドなのですけれど、間接音は温度感低めなのですね。逆に書くとクールな空間の中に情熱を秘めている印象。Zonotoneの音色は熱さと冷たさの二面性が共存する珍しい個性ですので、ウォームなのかクールなのか言葉に困る独特の音色だったりします。※箱庭ピュアオーディオ管理人的には、本質的にウォームと表現したいところではあります。

6NAC-Granster 3000α RCA 2週間のエージング後

2週間のエージング後は良い意味でサウンドがかなり変化。雑味と硬さが取れて滑らかで艶かしいウォームで潤いのある音色になりました。暗さや憂いを帯びた音色は青いジャケットのキラキラと若々しい見た目からはイメージできない音質です。有機的な中域と低域がより際立ってきて新品当初よりも音楽的訴求力がより深まる感じに。

Zonotone 6nac_granster_3000a

新品当初、単調なアナログサウンドだけではない、楽音の中高域に見え隠れする仄かに(例えると)アルミドームトゥイーターっぽい癖と云うか、ピアノの右手方向のジャズピアノチックなキャラクターが割と個人的に気持ちよくてワクワクしていたのですが、1週間ほどエージングが進むとすっかりマイルドにまったりと大人しくなってしまいました。そこで試しに指定方向と逆接続を試したところまた光が差し込むように。メインシステムのONKYO C-S5VLでは順方向よりも逆接続の方が合っているみたいです。。。ただサブシステムのCREEK+EPOSでは指定方向の方が普通に良く聴こえますので、あくまでこれは環境次第。音質微調整のノウハウとして、もし良かったら試してみて下さいませ…( ੭ ・ᴗ・ )੭

旧型 Zonotone 6NAC-3000 Meisterとの比較

音質の比較で無くてすみませぬ。6NAC-3000 Meisterでは黒っぽいケーブルシースから、6NAC-Granster 3000αではZonotoneの切り売りスピーカーケーブルでお馴染みの、透明ジャケットの青いキラキラしたケーブルになってます。先代下位の2000 Meister 6.5NAC-2000MEIと同じ感じの見た目。尚、新型の取り回しは特に硬くも無く普通です。4種ハイブリッド導体は、6N銅とOFCに先代6NAC-3000 Meisterで使用されていたPCOCC(生産終了)と純銀コートOFCが省かれ、新型では代わりにHiFCとPCUHDになっています。

それと先代は同じ4芯スターカッド構造で、2種4本の導体が対角線上に配置されていますが、新型では7.6N・AC-4000 Meisterと同じく並列。プラグも7.6N・AC-4000 Meisterと同じ物に変わりました。シースの意匠変更で見た感じは派手だな、若いな!って印象ですけれど、出音はかなり大人びたシックな音質ですので、ブルーのジャケットから見た目で選ぶと、思いのほか大人びたサウンドに肩すかしを食らうかも知れません。

Zonotone AC 6NPS-3.5 Meister電源ケーブルと比べて

アナログライクな音色や描写の方向性は基本的に類似しています。但しAC 6NPS-3.5 Meisterで感じるアナログ的な雑味感は薄くなっています。RCAケーブルは元々電源ケーブルやスピーカーケーブルと比べるとそういうものでしょうけれど、モデルチェンジで進化している部分かも知れません。逆にシャッキリとした切れ味はAC 6NPS-3.5 Meisterの方に感じます。その代わり、6NAC-Granster 3000αについては、中高域が出しゃばりすぎてサ行がかすれる傾向がすっかり影を潜めています。

電源ケーブルの6NPS-3.5 Meisterは、ここ数年はCEC TL5100Zの電源ケーブルとして使用しています。←これが思っていたよりも音色的にマッチしていて、ベルトドライブ機の弱点である音像が膨らみすぎる部分を上手に引き締めてくれます。CECベルトドライブ機の音色とZonotoneの音色は、アナログライクなプレーヤー×アナログサウンドのケーブルのマリアージュになり、目指す方向性の一致したなかなか心地よいコラボレーションになってると感じております♪

~まとめ~

6NAC-Granster 3000αの特徴を一言で表すと深みのあるサウンドです

中高域のキャラクターはスパイスみたいなもので、このケーブルの本質は深い暗めの音色が支配的。意外と中域のレンジ感、メリハリ感は理性的に抑えられていて、抑制の利いた淡々とした流れの中にある音楽の奥底へ聴き手を引き込むような高密度な描写こそが持ち味。アナログライクで陰翳豊かな独特の世界観と濃厚な雰囲気に満ちた、時を経て退色した油画の光と陰の世界、云ってみれば落ち着きのある大人のサウンドです。

Acoustic Revive, AET, Kaiser Sound KOJO Technology SAEC Zonotone の音の違いを比較できます♪

パッケージにある「ダイナミックで圧倒的なエネルギー感」については、密度感が高く低域が十分に出ている点についてはそう云えなくもないかなと。とは云え見た目に反してどこか律儀で品が良いですし、大人びた説得力で聴かせるタイプで、単純に力感をゴリゴリ押し立て太く前に出てくる様な、やんちゃなサウンドではありません。持ち味はあくまで深みと説得力だと思います。ソースの相性としてはやはりジャズ向きかも。それも(クラシック音楽でもですが)高解像でワイドレンジなハイレゾ録音よりも、古いアナログ録音の方がよりマッチすると思います。それとこの手の音質は意外とバロック音楽を聴くのにも向いていて、チェンバロやバロックヴァイオリンの高音弦がシャープで明瞭な割に、高次倍音に嫌な歪みが伴わないので、長時間じっくり浸るにとても向いているのです♪

6NAC-Granster 3000αを使用すると、CD/SACDの音に上質なアナログ盤のようなテイストが加わるのですが、アナログの密度の濃い音と、現代的な解像度や音場とを両立させて折衷させ、Zonotoneがバランスを煮詰めるとこうなると云う一つのアンサーと呼べそう。アナログ的な音の魅力をご存じなかったり、オールドモダンな価値観の音色はいらないよ!って純粋デジタル追求派の皆様の場合は、もしかすると???となるかも知れないケーブルかもです(^_^;)

RCAケーブル アンプの背面

Zonotoneのサウンドは、本質的にオーディオマニアよりは、ずぶずぶの音楽愛好家向けにチューニングされている様に感じます。パースペクティブな拡大音場型では無く、まず血の通った音像ありきの空間展開は、クラシック、ジャズを問わず、どちらかと云えば名盤とか古いアナログ録音になるほど本領を発揮する印象。現代の高音質盤で視覚的な解像感や立体感を追求するよりも、沢山集めたレコードやCDと毎日じっくり向き合いたい皆様向きだと云えそうです。

今回モニターレビューした4芯の6NAC-Granster 3000αでは、音の流れが低域方向に深く、そちらがより支配的なため、中高域のキャラクターがほんのり微かな味付けとなっているだけで、歪みっぽさに繋がらないのがミソ。たぶん導体径が半分の6NAC-Granster 2000αやSilver Granster AC-1001αの場合、低域の厚みはそこそこに、もっと中高域のカンカンキラッとした部分が明確化されているかと思います。よって低域が元々過剰なこもった音のシステムや、冴えない音色のコンパクトシステムで中域~高域の音抜けを加味したい場合は、6NAC-Granster 3000αよりも、6NAC-Granster 2000αSilver Granster AC-1001αを検討してみるのが良いと思います。上位の6NAC-Granster 3000αは、低域不足のシステムか、敢えて低域にゆとりを持たせたい場合に特にお薦め。そして更にこの音色をベースに維持しつつ、ハイエンド的な3次元空間表現の広さと一段上の情報量を求める場合は、6NAC-Granster 3000α→7NAC-Granster 5000α→Royal Spirit AC-1→Grandio AC-1→Shupreme AC-LX→7NAC-Shupreme Xと、所有されているオーディオシステムのグレードに合わせ、ステップアップされるのが良いのではと思います。

+For
厚みのある低域
価格と音質のバランスが良好
美しいブルーのシース
ジャズ向き
現代的音質とレトロモダンでアナログライクな音色を兼ね備えています

-Against
メリハリと高域の伸びは程々
シックで落ち着いたトーンは明るさや華やかさを求めるには不向き
たぶん後で更に上位モデルが欲しくなります

categoryCategory:オルトフォン(Ortofon)とゾノトーン(Zonotone)
categoryCategory:インターコネクトケーブル

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