PCオーディオはCDプレーヤーの音質を超えられる?

【PC上の音楽再生ソフトはどれが一番高音質?】
CDP|その1その2その3番外編

internal箱ピュアカテゴリ:デスクトップPCオーディオ
internal箱ピュアカテゴリ:D/Aコンバーター略してDAC

DAC-1000 接続トランスポートによる音質の違い (後編)では、USBで接続する先のDDCやDAC、デジタルアンプ、スピーカーが以前と全く同じ構成のままであっても、パソコン本体が違うと音質が全く違う事について触れました。ソフトウェアが同じでもPCトランスポート側にハードとしての潜在的な問題多くあり、母艦次第でPCオーディオの品位は如何様にもり得るって事になると思います。母艦による音質差に比べたらソフトウェア面のLILITHとかASIOとかFoober2000とかAudioGateとかそういうのは些末な問題~ってくらい、根本的なボトルネックがハードとしてのPC自体に潜んでいるような予感が…( ³△³ ).。o

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デスクトップPC筐体内部に挿す高音質サウンドボードはどう?

それでも、アシンクロナス伝送方式を採用したDAC-1000等々の優秀なDACを奢ればDACなりの音は出てくるのですが、せっかく高価で高音質なDAコンバータを導入したのに、DACの本来の音質を引き出せず、PCが足を引っ張る形になったままで満足するのはちょっと勿体ないかな~と。

ONKYO SE-300PCIE
SE-300PCIE PCIe デジタルオーディオボード

デスクトップPCも一つ一つ丁寧に対策すれば良くなるよ~ってのは解ります。ONKYO SE-300PCIEなどの音対策を徹底的に施した優秀なサウンドカードをPC内に入れる方法もありますし、半自作でパソコンをカスタマイズし組み立てる試行錯誤まで含めると、PCそのものに手を入れるアプローチは確かに面白い。でも、あくまで音楽や音質を主目的とした場合、パソコンは本来オーディオ的には電源やノイズ対策面で非常に不利なアーキテクチャである事には変わりありません。

音楽データのデジタル転送&アナログ変換諸々をPC本体から切り離したい

だったらUSBやTOS端子からデジタルデータをさっさと外部に出して、デジタル/アナログ変換以降の音質はPCの影響を受けにくい外部DACに依存する。これが単体外部DACを使った最近流行のPCオーディオ高音質化のアプローチです。コレについてはなんだかメディアに踊らされてるような気もしますがまぁいいや・・・w

ところが、DAC以降を電気的/物理的に極力PC本体と切り離した外部モジュールに依存しても、そもそもPC本体の送り出し側(トランスポート)の不安定さに起因すると思われる、デジタル波形のジッタやグラウンドラインのノイズ&原因不明のオカルト要素えとせとら~からは、どうやらなかなか逃れられないというジレンマに。。。というのが現時点の管理人が陥っている状況です。

デジタルトランスポートとして敢えてノートPCを提案してみる

そんなこんなしている間に、PCオーディオで手っ取り早く程々の音を得たかったら、もしかして、市販のネットブック&ミニノートPCを使った方が、実は手っ取り早いんじゃないかな~?と変なことを考えてみたり…( ੭ ・ᴗ・ )੭♡。サンプル数が少ないですので断定的な事は云えませんが、電源は長時間バッテリ駆動できるモバイルノートの方がAC電源由来の各種ノイズの影響を避けられますし、、ACアダプタ駆動にしても、デスクトップPCのようなあからさまな電源汚染感は不思議と聴感上感じられません。モバイルノート機は低電圧&低消費電力で内部ノイズは結果的に少なそうですし、グラボはオンボードでラップトップを閉じてしまえばモニタの接続を簡単に切れます。

基本的に高速な無線LANでデータを送って貰うだけですから、再生中にHDDには殆どアクセス無し。HDDの回転ノイズを根本的に止めたかったらSSDに換装すればいいですし・・・等々少し考えただけでも、デスクトップPCで実現するには色々とハードル高そうなメリットが、ノートには最初から既に備わってますよね?。退役したPanasonic Let’s noteを無線ミュージックサーバー専用機にして、音楽以外の音に悪影響を与える余計なOS上の機能は全部削除して使ったりも出来ます。

そんじゃ音の良いノートパソコンはどれよ?って話ですが、ファンレスが良いとか、SSDが良いとかはあると思いますが、たぶん本質は別の所にある気がするのです。Let’s note CF-T2でもASUS UL20FTでも、そこそこ使えると云うだけで、積極的に音が良いと云えるレベルかと問われると、個人的な基準では正直云ってNOなのであります…( ³△³ ).。o。・・・それでも手持ちのiPhone4よりは遥かにマシな音がするとは思いますけれども・・・。

追記:ASUS UL20FT上でAudioGateとLilithを弄っていて、ドライバにWASAPIを使うと全然音が違う事に今更気付きました。XP上のASIOでも良いかな~と思ったのですが、プレーヤーの音質差もさることながら、OS上でWASAPIが使えるかどうかでどうやら音質が(今までに無く)大きく左右されます。という事で、音楽再生用にモバイルノートを使う際には出来ればWindows7を選択するが良い・・・Macの事は良くわからん。

PCと単体CDプレーヤーののデジタル出力を、同じDACで比較してみた

こんな感じで普段使いのPCにUSB接続のD/AコンバータとしてONKYO DAC-1000を接続した場合の音質は「管理人の環境に於いては」DAC-1000の性能を十分引き出すのにPCがまだ追いついてない印象でありました。その音質レベルが前述したCDプレーヤーのトランスポートと比較してどうか~と言うと・・・現時点ではこんな感じであります↓

CDR630C-S5VLEVO-CDCREEK CLASSIC CD Player

>>> 越えられない壁 >>>

UL20FTCF-T2>TL5100Z>>HP d330

ピュアオーディオ至上主義のぱすてるん♪大勝利!PCヲタざまぁ!とか吠えてみたら面白そうですが、これには最後まで読むとオチがありますので…。

↑の結果ですが、CECの名誉?の為にお断りしておきますが、TL5100Zは明らかにDAC-1000との音質的相性が悪く、水と油的な音になってしまいましたので厳密には比較対象外。CECのベルトドライブトランスポートは、DACとの相性が悪くなければ管理人のプレーヤーの中では圧倒的に良い音がする筈のドライブメカですので、その辺はお間違えなきよう。一般的なリニアトラッキングメカのCDプレーヤーの場合でしたら、普通こんな事にはならないと思います。>>>箱ピュアカテゴリ:CEC

TL3N (現行後継機 CEC TL3 3.0)は、CEC TL1NやTL0などハイエンドトランスポートのみに使われてきた、スピンドル/ピックアップのダブル・ベルトドライブ方式を遂に採用。しかもTL5100Z以来の国内生産復帰モデル。ものすごく欲しい・・・。TL5100Zの場合、ピックアップ部分は通常のダイレクトドライブです。

残念ながら同じDACを使用した場合、具体的な各種高音質対策があまり施されていないPCのデジタル出力で、そこそこ以上のレベルにあるCDプレーヤーの持つデジタル出力の品位を超えるのは、まだまだ無理というのが正直な感想です。DAC-1000に代表される最新型&高性能のDAC奢ってみたところで、PCハードの素のトランスポートとしての音質は、6~20万前後のCDプレーヤーに於ける(S/PDIFで一番音質上不利な)TOS光デジタル出力経由のの音質にすら、追いつくのがまだ厳しいレベルかなぁ~と。

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SACDが再生できた旧型PS3の話題が以前に一人歩きした時もつくづくそうでしたが、比較に全く違うDACを使っておきながら音が違うとか、PC(PS3)の方が良いとかいう類の論旨すり替えはこの際無しにしましょう。当たり前ですがDAC以降を良い物に替えてしまえば、出来の悪い(or安物or骨董品)CDプレーヤーやDVDコンパチ機の内蔵DAC相手でしたら、PCでいくらでも逆転できると思います。PCトラポでもDAC-1000然り、更にウン10万クラスのハイエンドDAC使えばそれなりの良い音が得られるのは必然なのであります。

Ayre QB9 DAC 192。この価格帯でUSB入力しか無い割り切り。既存のCD-DAトランスポートと並列比較できないから精神衛生上良いかもですね~♪

でもその同じハイエンドDACに出来の良いCDプレーヤーか単体トランスポートを繋げたらもっと良い音がするよ?って所を敢えてスルーしないで欲しいな~とは思うのです。デジタルトランスポートの音質と、D/Aコンバータ以降アナログ段の音質は明確に切り分けて考えるべきです

とは云いつつも、PCオーディオは日進月歩で数多くのアプローチが為されています。ソフト面とハード面の進歩から、CDトランスポートの音質を数年以内に追いつき追い越せる日が来るんだろうな~とは思っているのですが、きっとその時出てくる高音質PCって、結局ピュアオーディオ的なアプローチをある程度踏襲してくるんじゃないかしら~?と。そうしないと絶対に色々と手をかけた中~高級CDプレーヤー(CDトランスポート)の音は超えられないと思うのよ。良く出来たハイエンド・CDトランスポートやCDプレーヤーって、それ位次元の違う音がするのでしてよ…( ੭ ・ᴗ・ )੭♡

PCオーディオの肝は、デジタルトランスポートとしての高音質化が鍵

で、ここでPCオーディオを諦めたら面白くない。実際問題、CDプレーヤーの「越えられない壁」と敢えて書いた部分をPCで超えられるのか?ですけれど、この問題は、PCをデジタルトランスポートとして使った場合、ソフトウェア面とハードウェア面の二つの問題に切り分けられると思うのです。辺境のオーディオマニアにしか良く理解されていない話ですが、ピュアオーディオもといハイエンドオーディオが生み出す音の質感の良さや高音質化のアプローチって、上記で敢えて紹介したCDトランスポートを見ても解る通り、大半がハードウェア面での機械的工夫なんですね。

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ピュアオーディオはオーディオ機器をある種トータルで音を出す再生楽器として捉えて、回路やノイズ対策以外にも震動やら何やらのオカルト不確定要素を耳で感じながら詰めていく世界。電気を媒介にしているとは云え、最終的な出口としてスピーカーというどうみても「楽器」に連なっている音響装置ですから、必然的に音楽が流れる空間とそこに連なる装置の振動と共鳴として捉える形での理解が必要になります。このハードウェアのアプローチ部分は、PCオーディオだろうがピュアオーディオだろうが、真に良い音で音楽を楽しみたいという目的があれば、出来ることは本質的に何も変わらない筈。・・・主目的が違ってる御仁もいるけどね~\(^o^;)/。

しかしソフトウェアの部分となると話が違います。ピュアオーディオの世界は16bit/44.1kHz CD-DAという化石的古さの規格を未だにそのまま使っている訳で、この部分の読み取りと転送能力については、ソフトウェア的工夫が正しく行われればでPCの方が遥か優位に立てる可能性があると私は思っています。ていうか既に立ています。今まで巷のPCオーディオの音が良くなかったのは、この最初の大前提の部分でコケてるからじゃないかと。

個人的な経験を踏まえると、ノイズ対策や震動処理等のアプローチが不十分な、エントリークラスのCDプレーヤーDVDプレーヤー相手でしたら、ソフトウェア的に最適解を導き出すことで、PCでも同レベル或いはそれ以上に持っていくのはそこそこ可能ではと考えます。これはあくまでデジタルトランスポートとしての話であって、AVアンプやDACに頼った上で超えられるって類の詭弁は無しですよっ~゜゜(´▽`。)°゜。

敢えてエントリークラスなら超えられると書いたのは、それ以上の音の世界はPCでも結局ピュアオーディオと同じ類のハードウェア的音質向上アプローチが必要になると思うから。PCをオーディオ機器に置き換えて考えると、仮に安物のユニバーサルプレーヤーでミドルクラスやハイエンドCDプレーヤーレベルの音を工夫して出せるか?と言われれば相当難しい。出来たとしても、ユニバーサルプレーヤー本体よりも、ケーブル電源アクセサリインシュレーター等々、創意工夫にかかるコストの方が遥かに大きくなり、見た目も凄いことになって本末転倒になるのがオチです。

元々音楽専用機として設計されている訳では無いPCの場合、コレよりも更に難しいアプローチになる訳です。抑も論としてPCの利便性を犠牲にしたり、多額のコストをかけるような自己矛盾的アプローチをせず、スマートな使い方のままでやるとなると、今のところはWindowsのネットブック&ミニノートPCでソフトウェア面の最善を図るくらいが、個人的に許容できる妥協点かな~と。

先ずは無料の音楽再生ソフトでの底上げを目指します

そんなこんなで暫くこ~んな感じで逡巡していたところ、昨年無料公開されDSD対応など一部で既に高音質だと騒ぎになってるKORG AudioGateが、9/1にリリースされたv2.2よりWASAPI(共有モード)に対応して来たのです。ここのところ毎日AudioGate+WASAPIでPCからBGMを垂れ流してるのですが、この音質が素敵過ぎてちょっとやばいかもですよ?

……もしかして、「超えられない壁」を超えちゃったかも!?

と云う事で、次回はPCオーディオのミュージックプレーヤーにこだわってみるの予定~♪

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