【ONKYO DAC-1000 D/Aコンバーターの実力レビュー】
その1その2 |その3その4|トラポ前編|トラポ後編

ONKYO DAC-1000がD/Aコンバーターとして価格以上に優秀なのは前述したとおりなのですけれども、デジタルデータの送り出し側として色々な機器を接続テストしてみて感じたのが、トランスポートの音質差が意外と侮れないという点です。DAC-1000の持ち味は、極力独自の色付けはせずに、クオリティ的な意味での底上げを図るのが特徴だったりしますので、出てくる音の善し悪しと音色のキャラクターは、想像以上にトランスポート(デジタル送り出し)側の品位に依存する形になります。

DAC-1000 C-S5VL

即ちDAC側の音作り以上にデジタルトランスポートの性格が忠実に反映されるため、システム全体での音色的な支配力で云うと、聴感上はDAC-1000よりもトランスポート側の持つ音傾向が色濃く出るるような印象・・・送り出しトランスポート側の持つキャラクターを7割方保持したまま、安定感と解像度、情報密度を上げ、音質的な部分での底上げをしてくれるような印象です。

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あまりにもトランスポート如何で音質傾向が変わってしまう為、正直DAC-1000の音はこういう音ですよ~というレビューを書こうとして当初かなり困難を極めました。前述のDAC-1000レビューその2レビューその3は、基本的にC-S5VLをトランスポートにして主要な評価をし、後から他のトランスポートに切り替えつつ、それでも大きく変わらない共通した印象部分をあぶり出したような感じです。以下はCDトランスポート別での相性についてあらためてレビューしてみます。

ONKYO CD/SACDプレーヤー C-S5VL

C-S5VLをトランスポートとして使った場合の相性は同一メーカー同士だけあって優秀。やや腰高で透明感の高いONKYO C-S5VLのデジタル出力が、DAC-1000の安定感で適度に中和され、中域~低域方向の支持がしっかりしつつ、更にC-S5VLの持ち味である爽やかで瑞々しいプレゼンスを加味してくれます。C-S5VLのデジタル出力には変な色付けがありませんし、にもかかわらず音楽的プレゼンスも豊か。C-S5VL単体でのサウンドより確実に2グレード上のCDプレーヤーの音質になります。DAC-1000でSACDのDSDサウンドを聴く事は出来ませんが、SACDのDSDデータを44.1kHz/16bit LPCMにリアルタイム変換したサウンドを聴くことは出来ます。この音はHybrid盤のCDレイヤー側の音質とはまた違う音になります。また、C-S5VLはPCM/DSD共に各種デジタルフィルターを任意で変更することが出来ますが、この機能はDAC-1000へのデジタル出力には適用されません。この2つで合計10~12万円程度の実売価格ですが、出てくる音は今時の20万クラスのCDプレーヤーと余裕で勝負できるクオリティかも知れません。

CEC ベルトドライブCDプレーヤー TL5100Z

あはは~♪という位、見事に合いませんでした…。 高域方向が潰れてしまい、駄目なアナログプレーヤーみたいな酷い音がします(苦笑)。DAC-1000に搭載されているバーブラウン(テキサスインスツルメンツ)PCM1795のご先祖様、PCM1702を使うTL5100Zのアナログ出力の音に、完膚無きまでにボロ負け状態・・・トホホ。同軸デジタルでは音がボヤけてしまいとても聴く気にならず。AES/EBU(XLR)接続では何とか許容範囲。手持ちに高級なバランス接続のデジタルケーブルが無く、本来の性能を引き出せなかったような気がしますが、半端な同軸デジタルケーブルを使うより、数千円程度の安価な音響業務用AES/EBUケーブルでの接続の方が遥かにまともな音がします。

これだけ盛大にボケ倒した音になってくれると、同軸デジタルケーブルに高域がクリアに出るAcoustic Revive DIGITAL-1.0R-TripleC-FM辺りを持ってこないとダメかなぁ・・・(滝汗) ともかく、ベルトドライブ トランスポート特有のアナログプレーヤーを彷彿とさせる濃厚でソフトなサウンドと豊かな低域が、最新鋭ハイビットDACの現代的なストレートサウンドとはあんまりマッチしないという事なのでありました。最新型のCDプレーヤーCEC CD5辺りではまた違った結果になるかもですけれど・・・。

internal高コスパ♪Acoustic Revive DIGITAL-1.0R-TripleC-FM デジタルケーブルのレビューです。

《その後、バランス型AES/EBUではなく通常のRCA同軸デジタルタイプのAcoustic Revive DIGITAL-1.0R-TripleC-FMを購入しましたが、締まりのあるタイトな定位でS/N感が極めて高く、DAC-1000の良さを引き出しつつも弱点をカバーしてくれそうな音作りです。》

とは云え、デジタルXLRでのバランス出力が、アンバランスの同軸よりずっと音が良いっぽい事を認識させてくれた点は収穫。今回CEC TL5100ZでのAES/EBU接続を今回初めて使ったのですが、普通のRCA同軸デジタルコアキシャルケーブルと全然クオリティが違っていて驚きました。これはケーブルのキャラクター以前の問題っぽいですので、もしデジタルでABS/EBU接続が出来る環境にもかかわらず、アンバランス接続で繋げてる方がいらっしゃいましたら、可及的速やかにバランス接続を試してみるのをお薦めしたいと思います。

CREEK EVOLUTION CDプレーヤー

DAC-1000 EVO-CD CREEK

これはびっくり!。まず合う合わないで云えば合わないとは云えない(謎) EVO-CD単体での音と比べてより低域方向がガッチリ安定。EVO-CDの最大の弱点である高域のそこはかとない変な歪みっぽさが見事に払拭され、動的音楽性も高くなります。音がやや太くなる点はC-S5VLなんかと同じ。なにがビックリなのかというと、音質が、音色が、まるっきりEVO-CDの音そのものです。DAC-1000を通しても殆どEVO-CDの音。トランスポート側の支配力が感覚的に70~80%位いってる・・・。ちなみに内部のドライブメカはPHILIPS VAM1202/12。VAM1202/CDM12系ドライブメカの音質はリニアトラッキングメカの中では確かに非常に良いのですが、EVO-CDの音色はこのメカの素のキャラクターが出ているタイプの音でもないんですよね~。CREEKって出力前のデジタル段で既に何か細工してあったりするのでしょうか~?

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結果的にDAC-1000の良い部分というか、持ち味も打ち消されていますので、この組み合わせをした場合、少しばかり良くなるけれど、違う音にはならないのです。敢えてCDP直とDAC経由をアンプに並列接続して、違う音質を楽しむ面白味が全くないという罠。。。しっかし、あらためて管理人が所有するオーディオ機器って個性が強いなぁ・・・。CREEK Evolution CDをC-S5VLと比べるともの凄い色付け感。パチモンの安物スコッチウイスキーで悪酔いしたみたいな、どんだけ変態サウンド好みなんだよ~と小一時間ry。。。

internalCREEK(クリーク)エヴォリューションCD(EVO CD)導入記

CREEK CLASSIC CDプレーヤー

CREEK CLASSIC CD standby

CLASSIC CDには光デジタル出力が元々ありませんので、こちらは同軸デジタル接続です。これもやっぱりCLASSIC CDのウォームでアコーステッィクなヨーロピアンサウンドの色付け支配力が8割的な音です。低域方向はDAC-1000経由の方が厚みがありますけれど、CLASSIC CD独特のエンハンスされたような響き感や、音階が異様に明確な不思議サウンドが減退して、トータルでのクオリティはグレードダウンのような・・・。互いの持ち味が活かせる方向にはなりませんので、無為な組み合わせ・・・という感じで30分で撤去となりましたw

internalCREEK CLASSIC CD (CD50 mk2) CDプレーヤーの紹介です♪

MARANTZ CDレコーダー CDR630

MARANTZ CDR630

おぉぉぉ!これはかなりアイマス!。じゃなくて合いますw ドライブメカはCREEK Evolution-CDと同じPHILIPSのCDM-12.4。リニアトラッキングでオールプラスチックのVAM1202/CDM-12とほぼ類似構造ですが、CD-R書き込みも可能なダイキャスト製のタイプです。MARANTZ CDR630のアナログ出力の品位が、業務用で定価165000のCD-Rレコーダーとは云え、今となっては中身は所詮エントリークラスのCDプレーヤーレベルというのもありますが、DAC-1000を通すことで完全に上位クラスの音にメタモルフォーゼ。明るく積極的で暖かみもありますので、もしかしたらC-S5VLよりも個人的にはこちらの組み合わせの方が好きかもです♪

internalMARANTZ(マランツ) CDR630 Professional CD-Rレコーダーの紹介をしてみる

それにしてもMARANTZ CDR630と組み合わせることでPHILIPSトーン的な音楽性が高い音が素晴らしい・・・。デジタル出力ですのでビットストリームDAC(TDA1305T)を経由していないのですが、不思議なことにまるっきりビットストリームDACを彷彿とさせる音楽性と音色のサウンドになります。なんなんでしょうねこの謎現象・・・。以前どっかの掲示板で見たCDプレーヤーの音質は実はDACじゃなくてメカの音質で決まるとか言い出す人がいて興味深く思っていましたが、あながち馬鹿に出来ない感じであります。他にもSONYのメカを積んだアーカムCD72Tでどうか~とか、4台持ってるPIONEERのDVDプレーヤーでどうか~とか、倉庫にPHILIPS/MARANTZ機がいくつか転がっていて、接続できるトランスポートが実はまだまだあるのですが、大体結果は読めてきましたし、めんどくさいので今日はここまでw 今回5台のCDプレーヤーをデジタル接続した結果に個人的主観で優劣を付けてみると・・・

CDR630>C-S5VL>EVO-CD>CLASSIC CD>TL5100Z

こ~んな感じになりました。。。たまたまだと思いますが、実を言うと単体CDプレーヤーとしての順位とは見事に逆さまの結果と相成りました・・・(滝汗) 次回はお待ちかね?DAC-1000 接続トランスポートによる音質の違い(後半) PCとの接続についてです。

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コメント一覧 (2件)

  • DDCなどのPCオーディオが気になるところですね。今になってAirmac Expressである必要はないかとは思いますが。廉価なDDCにはなかなかAES/EBYがないのが悩みどころ。うちはAirmac Expressの光出力をCO3でAES/EBUに変換していますがこれはクチが足りないためなので。

  • D/Dコンバータですかぁ・・・。手持ちのUD10.1ではデジタルケーブルを交換した程度未満?にしかこれ自体での変化はそんなに大きく無さそう。でもUSB入力からTOSと同軸とXLRケーブルの出力へ変換して使えるようになりますので、ケーブルによる変化は大きいかも。あくまでどんなケーブルを使うかで全然違ってしまいますけれども。あとTOSを使うことでPCとオーディオを電気的に完全に分離できるのが大きいかな?なんか気になったので繋げてみよ~w

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