【ノートPCでトリプルディスプレイ環境を構築できたよ】
ぱ~と1|ぱ~と2|ぱ~と3|ぱ~と4|スパイダーH
前回のエントリまでに紹介したように、USBディスプレイアダプタは各社から発売されていて現在よりどりみどりの状況です。更に肝心のビデオカードの中身はDisplayLink社のデュアルコアチップDL-165(最大解像度FullHD)/DL-195(最大解像度QXGA)を使用しているため、性能面の差異は小さいと思われます。ま~とはいっても多少の仕様差があったり、不具合報告が多い製品もあったりしますのでそのあたりは慎重に。あとはデザインの好みで決めても良いかな~?なんてね♪
そんな感じですので正直どれを買っても良かったのですが、今回箱ピュア管理人が購入したのはAREA”エアリア”のスパイダーH SD-U2VDHです。なんで日本の有名メーカーでは無くこんなの選んだの~Σ(・□・;)www って話ですけれど、ぶっちゃけると他の同等製品よりもお安かったからでございます…( ੭ ・ᴗ・ )੭♡
どうして謎のディスプレイアダプタを選んだのか?
スパイダーHを選ぶ際に先ず気になった点が、販売元が微妙にぁ ゃι ぃ公式サイトが中小企業の手作り風味・・・(苦笑) 大体AREA(エアリア)って何ぞ?PCパーツに詳しい人しか知らなそう・・・。会社概要を調べてみると東京世田谷の輸入商社って事で、まぁ・・・自分も世田谷出身ですし、場所柄的に信用してあげよう(謎)。
要するに大規模に何かを作ってるメーカーではなく、どっかの国から面白い製品を持ってきて、日本向けにリパッケージして売っているみたい。サポートは大手と違って悪くないらしい。このあたりはお客様に近しい中小企業の強みか。ぱすてるんは割とこういった大手に出来ない隙間ビジネスが好きなのれす♪
そして肝心のスパイダーH。盗撮カメラみたいな名前と見た目に萌え…。 なんだよスパイダーHって。蜘蛛ってのも意味不明ですし、デザインもおもちゃ丸出し。この速攻で消える敵キャラみたいな酷いデザインにしたの誰だよ~w な~んて小馬鹿にしつつニヤニヤしてたら妙な愛着が湧いたのか欲しくなってしまいました。まあ例によって管理人のイロモノ好きが首をもたげたって事でございまする\(๑´ڡ`๑)/
スペックは悪くありません。何故かUSB3.0に対応?してると謳う数少ない製品ですし、チップはDisplayLinkのDL-165。ホントはDL-195が良かったですけれども・・・購入した時点では実は違いに気付きませんでした・・・(滝汗) 。最大解像度がフルHD止まりでしたので何か弱いのかな~とは思っていましたが、これが調べたらチップの最大解像度の違いでした。自分の環境の場合、最大で42型プラズマディスプレイのフルHD、普段手元にあるトリプルディスプレイやマルチディスプレイのEIZO L695/L685はSXGA、他に手持ちのモニタも最大でUXGAですので、QWXGA対応はま~い~か~なんて感じで妥協(負け惜しみ)。最近はQWXGAモデルが多くなりましたので、将来大型ワイド液晶を導入しようとしてプチ後悔するかも知れませんけどねっ…( ³△³ ).。o
また、スパイダーH SD-U2VDHは実際に購入した方のレビューがネット上にいくつかあり、Amazon.co.jpと価格.comのレビューを見てもなかなかイイ感じだったのも後押ししました。少なくとも各所のレビューから判断すると地雷ではなさそうかなと。
それと、HDMI/DVI/D-sub(VGA)全てに対応しているのも大きい。要は変換アダプタが付属しているだけなのですけれども、いざ必要になってDVI(オス)-HDMI(メス)変換アダプタを別途購入しようとすればそれなりのの追加出費になりますし、バルクの安物変換アダプタは不良品率も高く、ハズレを引いてしまうと色々と面倒ですよね。
今のところはHDMI変換アダプタは使いませんけれども、それらのパーツがセットで更に値段が国内有名ブランド品より実売2~3千円安いとなるとやっぱり食指が動きます。たった2~3千円でリスクを取るか?と云われると確かに問題が無いとは云えませんが、1個ではそうでも、例えば複数個を並列で使いたい人にとっては結構な差になると思うのです。と書きつつ、管理人が複数使う予定は今のところ無いんですけれども。。。
AREA スパイダーH SD-U2VDHを分解してみる
そうそう、HDMI対応のUSBディスプレイアダプタを使えば、PCを最近のハイビジョン液晶テレビやプラズマテレビに簡単に繋げられますよ!管理人はYouTubeやニコニコなどネット配信されているハイビジョン動画を、時々モバイルノートPCから42型プラズマテレビにHDMIで繋げて観ています。ちなみに音声はONKYO UWL-1で据え置きDACに飛ばしています。他にも好きな絵師さんの萌え画像とか、目からウロコの大画面画質で堪能できます♪ 今回のAREA スパイダーH SD-U2VDHの購入先は楽天市場。エアリアをぁ ゃι ぃブランドなんて書きましたが、届いたものはバルク品とかでは無く、パッケージその他はちゃんとしていました。中身はこんな感じ。
画像の他にUSBケーブルと8cmのシングルCD-ROM、日本語解説書などが含まれます。本体は小さい。なんとなくACアダプタのような物を想像していましたが遥かに薄くて小さいです。名刺を縦長にした感じです。横から見ると直方体では無く斜めなのですね。
↓さっそく分解してみました。中の基盤です。DisplayLink DL-165と、台湾Etron Tecnology社製EM6A9160TSA-5G 8Mx 16 DDR Synchronous DRAM (SDRAM)ビデオメモリが乗ってます。他に電解コンデンサも無くシンプル。 ぁ ゃι ぃ盗撮カメラは入ってませんでした・・・ちっ!…w
裏側にもチップがいくつか。英語の取扱説明書に書かれていましたが、どうやら姉妹品でミニジャックの音声入出力端子が有り、基板にDAコンバータが乗ってる、USB/DACも兼ねちゃうぞバージョンがあるっぽいです。SD-U2VDHは残念ながら音声は出力できません。
DVIケーブルを接続するとこんな感じです↓。USBケーブルは付属品が短かったので市販の極細USBケーブルを使用しました。う~ん個人的にはケーブル含めて白で統一したいところ。。。赤色インジケータが点灯しますが、スパーイダーHを接続した画面上でマウスカーソルを動かしたり動画再生をしたりするとその間点滅します。負荷レベルや接続設定の成否が目視で確認できますので、インジケータはあった方が良いです。
またUSBディスプレイアダプタは一応ビデオカードの一種ですので熱がこもる場所に押し込めるのは避けましょう。アイドリング状態ではスパイダーH本体はぬるく温かい程度なのですが、全画面で動画再生などをバリバリ続けると結構熱を持つからです。触れなくなる程ではありませんが、やり方によってはその手前くらいまでは発熱します。よって負荷を掛ける作業を継続して行うモニタには向いていないと云いますか・・・これは普通のグラフィックボード同様、製品寿命が短くなる可能性がありますので要注意。対策としては通気性を確保しつつ本体を壁やデスクに接触させない様に空中配線することでしょうか?※追記この記事の初公開から10年以上経過していますが、今でも故障も無く健在です。ちなみにファンレスですので無音なのもグッド。
インストールは基本的にUSBに繋げるだけです
接続方法は単に任意のUSBポートに刺すだけです。Windows7、Windows10、Windows11の場合、刺せば自動でドライバがインストールされます。WindowsXP機の場合も、インストール画面からネットで自動検索してDLを選択すれば程なく最新バージョンでインストールできました。また、管理人のWindows7環境では、スリープ・休止状態からの復帰後も動作に全く問題はありませんでした。一部でトラブルが報告されていますが、英文説明書にも休止モードをサポートしていると書いてありますし、最新版のドライバではバグが治ってるんじゃないかな~なんて。もしくは個別環境でUSBセレクティブサスペンドがONになっているケースかも。
尚、USBディスプレイアダプタを接続するUSBポートはバスパワーのUSBハブを介しても大丈夫ですが、念のため最初の設定時はPCに直接刺して行った方が無難かもです。一端設定を済ましてしまえば、その後スパイダーHを繋げるUSBポートを別系統やハブ等に差し換えた場合でも、解像度やスパン、ディスプレイ位置の設定が保持されたまま、プラグアンドプレイで認識しますのでとっても簡単です。設定をリセットしたい場合はディスプレイアダプタを外してPCを再起動すれば初期化されるそうです。
《付属のCDでDisplayLinkドライバをインストールする場合、PCの光学ドライブがシングルCD非対応な場合には↑を使います♪ ピュアオーディオ的には8cmシングルCDに敢えて使用すると音質が少し変わります…。 》
付属のCD-ROMが8cmシングルのためにドライバのインストールに手間取ったというレビューが散見されますが、8cmCDが再生できない光学ドライブって、むしろ普通では無いですよね・・・?。そして、USBディスプレイドライバを使用する上では、そもそもユーティリティCDを入れる必要が無いという事実に気付いて欲しい・・・。尚、付属のCD-ROMにはサウンド系など余計なユーティリティがてんこ盛りっぽいですので、はっきり言って必要ないでしょう。
DisplayLink DL-165の描画能力と実際の使用感
たかだかUSBディスプレイアダプタの紹介で何処まで引っ張るんだよ?と自分でも苦笑してしまいますが、要するに管理人が一連のエントリで書きたかった事は、最近のノートパソコンでしたら、外部デュアルモニタどころかトリプルディスプレイ以上が簡単に出来てしまいますよ~って話です。苦労して構築したデスクトップマシンでのトリプルディスプレイ環境でしたが、この程度だったら今時はモバイルサブノートのGPUスペック程度でも実現出来ちゃうよ~(*^o^*)~なんて灯台もと暗し?みたいな。
結果的に我がデスクの白い三連星ってばこんな感じになりました。EIZO(ナナオ)のIPS液晶FlexScan L695&L685です。神画質です。画面がテカテカしているのは光沢保護パネルを試していたから…反射が不快に感じたのでこのあと直ぐに外してしまい、普段はブルーライトカット用に JINS SCREEN ( PCメガネ )を愛用してます。そんで壁紙とか気にしたら負けです。欲しかったらpixivを探してね♪なんて。ともかく最後はエアリア スパイダーHの、Windows7及びWindows10での設定方法と実用性の検証です。
デュアルモニタやマルチディスプレイの設定Windows10&7の場合、自動でインストールされたDisplayLink Manager上で行います。
Windows7上でDisplayLink Managerの設定画面はこんな感じ。※キャプ画ではAeroを切っています。この画像の左側4番のEIZO L685にスパイダーHを繋げています。1番はノートPC本体のモニタですが、2番と3番にそれぞれHDMIとD-subを割り当てていますので、オンボードGPUがトリプルディスプレイ以上をサポートしていない為に1番は使用できません。
SXGAモニタが3台並ぶうちの環境の場合、縦表示と横表示で動作の違いは感じませんでした。他に右クリックメニューで「ビデオの最適化」という項目がありますが、どうやら動画がカクカクしてしまう場合に、チェックを入れることで解消されるらしいです。パソコンのCPUを動画圧縮優先に変更し、動画のコマ落ちを軽減します。但し圧縮率が上がるので画質が低下するとか、、、管理人の環境では、スパイダーH上でも動画が問題無くぬるぬる動きますので「ビデオの最適化」は必要ありませんでした。あと、これにチェックを入れるとむしろ静止画面のレスポンスが悪化するとの情報もありますので、普段は使わない方が良い項目みたいです。
また、DisplayLink Managerのタスクトレイアイコンを右クリックすると「アップデート確認中…」の文字が常に出ていて気持ち悪いのですが、どうやら常時接続確認している訳では無く、クリックすると最新版を確認してくれる機能みたいです。尚、画質はデジタルアナログ両方試してみましたが、デジタルは当然としてアナログでも全く問題ありません。アナログで滲むとか何か問題がある場合は、PCの出力品質かモニタ側に何かしらの原因があると思われます。デジタル接続で滲んだら、それは画面解像度の設定が間違っているか怪現象の類です。
先にWindows Aeroは切っていると書きましたが、これはスパイダーHの有無にかかわらず、切った方が操作レスポンスが良くなる気がするからです。ASUS UL20FTでトリプルディスプレイ、IEを4~5つ開けて、タブを合計数十枚展開しつつ、インターネットラジオ聴きながら、YouTubeのリンク確認なんかもしてブログ作成・・・となると、エアロ使ってる場合、時間経過と共に微妙にですが、カーソルのクリックレスポンスが徐々に悪くなってくる気がするのです。Windows Aeroを切るとこういったレスポンス上の違和感は無くなりましたのでやむを得ず妥協する事に。。。Aeroのシースルー表示の方が実は好きなんですけれども・・・今の低価格モバイルノート、ネットブックのGPU負荷の限界がこの辺かも知れません…( ³△³ ).。o。
このことから、USBディスプレイアダプタを使用していてどうもレスポンスが~って場合、まずWindows Aeroを切ってみるところから始めてみると、もたつきがあっさり解消するかも知れません。ちなみにASUS UL20FTのWindows エクスペリエンス インデックスはグラフィックスのパフォーマンスですが、Aeroが3.0前後、3Dビジネス及びゲーム用パフォーマンスが5.0前後です。搭載CPUは2コアのCeleron U3400。消費電力が増えたのに動作周波数が先代SU2300の1.2GHzから1.06Ghzに落ちた為に何かと評判が宜しくないCPUですけれども、内蔵GPUの性能が大幅に向上したのと、UL20FTではTurbo Boostという機能によりデフォルトで常時最大33%オーバークロック可能。実質1.41GHz相当のCPU搭載機って事になります。この程度のCULVモバイルノートでも、SXGAトリプルディスプレイのUSBディスプレイアダプタ上でレスポンスの遅延は体感出来ず、動画もぬるぬる動きます。少なくともASUS UL20FTを使った管理人の環境下でAREA スパイダーH SD-U2VDHは全く問題無く動作しています。アナログVGA接続されたセンターディスプレイとデジタルHDMIで繋がっている右側ディスプレイとの体感差は殆どありません。このくらいのパフォーマンスの機種でしたらとりあえず何とかなりますので、皆様それぞれのノートPCとの比較の参考に。
XP機など、時代遅れの低スペック機では上手く動作しない場合があります
最後に皆さんに留意して欲しいことがあるのですが、この手のUSBディスプレイアダプタはどんな環境でも使える訳ではありません。特にマシンスペック(GPUの描画能力)がある一定線を下回る場合は駄目だと思います。一応スパイダーHの場合、USB2.0、CPU1.2GHz以上、メモリ512MB以上パソコンに搭載のVGAがDirect9.0以上が動作最低条件となります。DisplayLinkのチップを使った他ブランドでも、USB2.0必須、最低CPU:1.2GHz DualCore相当以上、Atom 1.6GHz以上、推奨環境:Core 2 Duo 2.4GHz以上、メモリー1GB以上となっています。個人的にはWindows7でCPUは最低Celeronデュアルコア、メモリは3GB~必須だと思います。この辺りの基本スペックがギリギリか不足している場合は、ぬるぬる動かないか、最悪フリーズなどの不具合が出る覚悟が必要です。
試しに家の古い環境でも動作テストしてみました。先日スパイダー”H”のお陰で目出度く退役したWindowsXP機のヒューレットパッカードd330/Pentium2.66GHz(コア1)GPU Intel 865G メモリ1.5GB 2004年製では、通常の作業では問題無し。マウスカーソルの遅れも無し。YouTubeは通常画面は問題無いが、全画面表示にするとカクカクします。あと何故か動画の解像度が落ちます。Windows7の設定メニューにある「ビデオの最適化」がXPでは出ないのですが、デフォルトで有効になっているみたいです。とは云え動画にこだわらなければ十分実用レベルと云えるでしょう。
更にテスト。OS XP Professional Panasonic Let’s note CF-T2/Pentium M 900MHz インテル855GM 最大64MB。ASUS UL20FTを導入する2003年夏から今年1月まで7年半、管理人のモバイルマシンとして活躍した大切なノートPCですが、残念ながらインストールの段階で見事にコケました。最初は本体とのデュアルモニタと合わせてトリプルモニタになったのですが、何故かクローン固定で拡張ディスプレイにできず。縦横回転も動作がぁ ゃι ぃ。更にDisplayLinkの設定を弄っていると動作がおかしくなり、最後はうんともすんとも言わなくなりました・・・w スパイダーHの内部でもとっちらかったらしく、元のASUS UL20FTに戻しても映らない(アダプタの赤色LEDも点灯しない)ので壊れたのかと焦りました・・・。これは再起動して再設定したら治りましたけれども。ここまで時代遅れのマシンではやはり色々と無理があったようです。
こんな事もありますので、どうみてもマシンスペックが劣る環境での無理な使用は地雷になる可能性があります。よってUSBディスプレイアダプタを購入される際には、そもそも無茶をしようとしてないか~?という点はしっかり確認した方が良いと思います。
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