【おすすめ超音波洗浄機 使用レポート】
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CDを超音波洗浄機で洗浄してみた@音質レビュー♪
ここからは肝心の音質レビューです。サンワサプライ 200-CD037で洗浄する前に、まずはメインシステムで洗浄前のCDを10分ほど再生。洗浄後(180秒。拭き取りなど前後合わせて約5分)再び同じトラックを再生。1分でも難しいのに洗浄前と後で5分間も時間的ブランクがありますので、今回の比較試聴は何気に難しいかも!? 一度で確実に傾向を掴む自信はありませんので、同じ動作を複数のCDで数日掛けて試してみました。繰り返すことで洗浄前と後での印象の違いを明確にあぶり出すためです。
結果。。。一回目の試聴で印象はあれ???というものでした。良くなった感じがしない。少なくとも想像していたようなベールが一枚剥がれたような~とか、クッキリした鮮明な音質~とかそういった感じは全くありません。むしろ、どんよりしてるかも。。。こんな筈はない~と思って複数枚テストしてみるも、やっぱり傾向は同じです・・・。
敢えてポジティブに評価すると、CD特有のデジタル的なとげとげしさや高域の歪み感が取れて、厚みのある音質になります。音像が堂々とした印象になり、特に低域方向や奥行き方向へ音場もぐっと広がるようです。デジタル的な音のエッジが取れて耳当たりの良いナチュラルなサウンドとでも云いましょうか・・・。
そしてネガティブに評価すると・・・なんと云いますか音色が重い\(^o^;)/。高域方向のシャープさやキラキラした輝き感、華やかさが大幅に減退するので音楽が重くなります。どよ~ん。。。いわゆるCD的な鮮やかさが無くなります。この鮮やかさはそもそも一種の歪みなのかも知れませんが、CD派の管理人は回転ディスクメディアの音質的な癖含めて楽しんでいる部分がありますので、この音質傾向には少々面食らいました。。。あと、音が太い。弦楽器全般も倍音の震えが目立たなくなり、キレが甘くサーフェスがさらっとした感じです。オーディオ的な意味での立ち上がりの鮮度感が下がります。
超音波洗浄後、更に消磁処理を加える方がベターでした
超音波洗浄機サンワサプライ200-CD037でCD数枚を洗浄してみた結果、正直なところ最初はしくじったかな~と思いました。何せこの手のCD処理は大抵どれも非可逆になってしまうのが相場です。少なくともいくつかのCDでは管理人の感覚では洗浄しない方が良かった。特に輸入盤の音が国内盤みたいになるのにはびっくり。輸入盤独特の音のキラキラ感や響きがたゆたう感じが削がれ、国内盤のようなポリカーボネート臭い地味~な音色になってしまいました…orz。このままでは大切なCDの音色が変質してしまってマズイですので、困ったときの神頼み、伝家の宝刀「Acoustic Revive RD-1」で裏表1回ずつ消磁してみることに。。。消磁処理をした上で再生すると…今度はとりあえず成功♪ 超音波洗浄器でクリーニングする前の、明るく伸びのある音色に何とかかんとか戻りました\(^o^;)/
Acoustic Revive アコースティックリバイブ CD消磁器 RD-1/RD-2/RD-3 の効果検証
Acoustic Revive RD-1で消磁した場合でも厳密には洗浄前より硬い音ですし、低域方向の重さは残ってしまうので元と同じ音質ではありません。それでも失われた高域の艶やかさを補完する意味ではなかなか使えます。とりあえずRD-1で消磁することで許容範囲レベルの音には戻りそう。。。ただ、RD-1の聴感上の効果は消磁直後は鮮やかなのですが持続性に問題があり、数十分である程度まで減衰します。減衰するとまたサンワサプライ200-CD037で洗浄したキャラクタが上回ってしまうような微妙な雰囲気に…。聴き始めは良くても数時間経つとあれ?みたいな。。。だからといって何度も繰り返し消磁すると逆に音が歪んで悪くなりますので、個人的な感覚で消磁器が使えるのは片面2回(裏表で4回)まで。結局、超音波洗浄機の方が聴感上の影響力は支配的な印象です。。。
管理人の主観では、消磁器のRD-1による音質変化と、サンワサプライ200-CD037での変化の方向性は180度正反対です。どちらが良いかはあくまで個人の好みになるとは思いますが、RD-1は音の表面をクリアにして高域方向の鮮度が上がる傾向。音像の定位感もシャープで立ち上がりのスピード感が速くなります。音楽表現も快活になりますが反面低域はやや軽くなります。対して200-CD037で洗浄した音は低域方向へ厚みが増す傾向。歪み感が大きく減退する代わりに高域方向の輝きや立ち上がりのシャープネスが削がれる印象が強いです。音の実体感が増しますが、その代わりに定位も太くなります。それと困ったことに音楽性が落ちる・・・これが管理人的には一番の問題だったり。
~まとめ~
以上のような感じで、水と界面活性剤を使用した超音波洗浄機でのCDクリーニングは「洗浄」のイメージから望んでいたサッパリ・クッキリした音質改善の方向性とは違っていた為、現状で音質に不満の無いCDでの使用は避けた方が良さそう。「何も足さない」が理想の私としてはCDメンテナンスの切り札になって欲しかったのですけれども。。。とは云え明らかに歪みっぽい、高域がウルサイなどの理由から再生する気にならないCDがありましたら、200-CD037で洗浄する事で好結果をもたらす可能性はあると思います。それから中古入手やレンタル落ち等でベトベトしていたり見た目に明らか汚れているCD、保存環境の悪さからカビてしまったCDなどは、音質以前に超音波洗浄機で1回しっかり洗浄するのがおすすめ。但しこの場合、できればAcoustic Revive RD-1とセットで使う方が音質的にはベターかなと。
また、洗浄液としてぬるま湯を使う場合、少量の界面活性剤入り中性洗剤については私見では適宜使用する方が良いと思います。水だけでは落ちない油性の汚れが落ちますし、界面活性剤には殺菌(殺カビ?)作用がありますし。 僅かな違いですけれども、洗剤を使用した方が水道水のみの洗浄時よりも更にクリアになるように感じました(高域の地味さ加減がマシな気がします)。CDの素材であるポリカーボネートへの界面活性剤の攻撃性については、洗浄直後に濯ぐことも含め、数百倍の少量希釈であればそれほど気にする必用はないと考えています。
それから、今回は試していませんが、洗浄に使用する水の純度、洗剤の種類が違う場合は異なる結果が得られる可能性は十分ありそう。或いは洗浄液をそもそも水では無く100%「IPA/イソプロピルアルコール」にした場合など、水+中性洗剤よりも洗浄効果が高そうですので、これもいずれ試してみようかと考えています。そして何だかんだ云って、サンワダイレクト200-CD037を購入してからはメガネの超音波洗浄を月に1~2回するようになりましたし、使用後の視界のクリアさは格別です。その他に防水腕時計やアクセサリー類の洗浄にも使えますし、超音波洗浄機が家庭に1台あるとQOLが色々と向上すると思いますので、細かいことにこだわるタイプの皆様には特にお薦めしておきたいと思います。はい\(*^o^*)/。⇒その3 洗浄液にエタノール(エチルアルコール)を使ってみたてすと!?に続く。
※当エントリは2009年にTOSHIBA 超音波洗浄器 MyFresh TKS-200 のレビューとして書かれたエントリの加筆修正記事です。後継機種TOSHIBA TKS-210では台座と蓋の色が水色に変更され、その後しばらくディスコンでしたが、販路がサンワダイレクト(サンワサプライ)に変更され型番200-CD037として再発売されました。製造元が同じで中身は東芝製と同じと思われます。
コメント一覧 (2件)
今日も他所でアナログ・ディスク――LP――を聴いてきた(自宅には再生環境が無い)のですが、CDとは音が違いますね。
>CD特有のデジタル的なとげとげしさや高域の歪み感が取れて厚みのある音になります。
身体的に経年とともにだんだん可聴域が狭まっているはずなのに、高域が耳に障るのは何故なんでしょう。高域はボリュームが小さくても聞こえるのにデジタルでは融通がきかないとかあるんでしょうか?
次のてすとが楽しみです。
う~ん・・・。たぶん高域が癇に障るのは本当はLPよりもCDの方が10KHz以上の高域がノイズに埋もれず微小信号がクリアに出ているからと、22.05KHzで急激にシャープロールオフしているから。そして多くの再生装置の高域特性が歪んでいるから。CDの音がデジタル的でキツいと感じる人って、実はスペック的に最強のSACDでも結局似たように感じるんではないかと思います。
昔、FIDELIXハーモネーターと云うガレージメーカーの製品で、CDの音質をアナログ的に聴きやすくするものがありましたが、あれは確か15~20KHz以上の帯域にホワイトノイズ?を付加するというものでした。CDプレーヤーでもアナログチックな音と呼ばれるものはスローロールオフフィルターで可聴帯域内から高域をなだらかに減衰させていたり、アナログ段にライントランスのような仕掛けをして高域を切り落としてたり…私はアナログはCDと違って高域をカットしないから良い音なんだ~という話は眉唾だと思っています。むしろ高域がノイズにマスキングされてマトモに出ていないから良く聞こえるんじゃないのかなと。LPで15000Hzを超える周波数の微小音をきちんと再生するのは…余程の精度の高い高品位なターンテーブルと上質なカートリッジに加え、溝が減っていない新品同様のレコードが必用な気がするのですが実際の所どうなんでしょう?