オーディオプロ”audiopro”ステレオワン”stereo one”魅力はやっぱり音楽性♪

スウェーデンのスピーカーメーカーオーディオプロが日本向けに販売しているCD/FM・AMチューナー/プリメインアンプ一体型ミニコンポstereo one/ステレオワンCDレシーバーアンプ+スピーカー。もう発売から2年以上経過し、箱庭的ピュアオーディオでも当初よりサイドバーで紹介しつつも詳細レビューを提供せず。2008年には合成皮革巻きの50台限定モデル“stereo one Limited”が発売されたりもして、欲しい人は既に手に入れた後だと思われますが、例によって今更ながら過去2回ほどの試聴レポートを取り上げてみます♪

audiopro stereoone CDレシーバーアンプ+スピーカー

まずは外観。レシーバー部分はミニコンポ独特のハーフサイズと深い奥行き。ハッキリ言って何処からどうみても「日本製」のハイコンポにしか見えません…。 (注:裏にはAudio Pro AB Sweedenと書かれています) カッチリとした筐体の作り、ノブの触感や操作性も、トレイの動きも、とてもヨーロッパ製品とは思えない直球ど真ん中の出来の良さ。これ、日本の輸入代理店が製品企画からまるごと参加しているのではないかと勘繰らせるほど、日本人の目から観てそつのないキチンとした作りです。

オーディオプロが開発した世界特許ace-bassとace-plusの高度なテクノロジーを搭載し、サイズを超えた圧倒的にスケールの大きなサウンドを伝統と斬新さの融合したスカンジナビアデザインとレザリータッチの感性でお届けします。全世界で限定500セット(日本国内50セット限定)販売。

スピーカーはオーディオプロの他シリーズと共通するピアノブラック仕上げ。ただ、管理人が所有するImage11Image12と比べてバッフル面が一回り大きく、奥行きが320mmとこのクラスのピュアオーディオスピーカーとしては異例なほど深いため、軽く倍くらいはエンクロージャーの容積がありそう。

また、そのスピーカーとレシーバを接続するスピーカーケーブルが専用品となっているのも特徴。ace-bass/ace-plus方式と呼ばれるオーディオプロ独自の規格で、通常の赤黒2本のスピーカーケーブルに加えて、低音域の動作、ウーファーの位相の遅れを電気的にコントロールするコードの計3本による接続方法となっています。ある意味スピーカーケーブルに悩まなくて良いのは朗報かも…。

オーディオプロ・ステレオワン_スピーカー

肝心の音質ですが、ちょっと驚いたのはものすごく音楽性が高い点です。同条件で試聴した、国内外のレシーバー一体型及びエントリークラスの単品オーディオシステム8セットの中でも群を抜いて音楽性が高い。時間軸方向の音楽の流れに血が通ったホットでウォームな大人のサウンド。これ、クラシックは言うに及ばず、ジャズは相当良い感じで楽しめるんじゃないでしょうか。音質そのものは、滑らかさ・粒立ち感・背景のほの暗さなど、オーディオプロのスピーカーに共通するサウンドなのは間違いないのですが、Image11/Image12のシャープで透明で切れ味のある鋭い高域と薄く広がるひんやりとした音場感とはやや異なり、よりアコースティックでウォームな質感と、大人びた翳りと濃さを感じさせます。箱ピュアにあるスピーカーではALLROOM SATの音色に近く、これをより凝縮し、低域方向へレンジを広げ、密度感を高めて濃くした感じです。

audio_pro_allroom_sat

反面、音場の広がり感が物足りない。この部分は上下左右後方へ広大な音場を展開するオーディオプロの他のスピーカーとはかなり性格が違い、音像に意識が行く国産ハイコンポ的な鳴り方で、両スピーカーの間へ箱庭的な音場を展開する印象です。レシーバーの外観も含め、なんか国産オーディオっぽいなぁと感じた部分。ただ、STEREO ONEの音色は他の国産機ではありえない音楽的表現力と艶めかしさを持っていますし、縮小サイズのピンポイントで定位し、アコースティックに粒立ち転がるホットなピアノや、スマート且つリアルなヴァイオリンの音色はオーディオであることを忘れてついつい音楽に没頭してしまう求心力があります。

売りとなっている低域ですが、特殊なace-plus方式を採用しているからといっても、低域方向のバラバラ感や先走り感は全く感じられず、極めて自然でオーソドックスな低域のボリュームが得られるといった感じでしょうか。何気に公称最低周波数38Hz~上が40000Hzとこのサイズにしては頑張っていますし、13センチウーファーでバスレフ型という条件の中では十分な低域のボリュームが得られているとは思いますが、ことさらそれを強調するような子供っぽい音作りはされていない所に好感を持ちました。

オーディオプロ・ステレオワン_インテリア弱点は、黒と金の高級感ある色遣いは別として、案外オーソドックスなデザインと発展性の弱さでしょうか。スピーカーや独自の接続システムも含め、本来の性能を引き出すにはレシーバーと互いの存在が不可欠。下手にどちらかを入れ替えたところであまり良い結果は得られなさそう。

総評:高域方向の音作り面で北欧の空気感に例えられる高解像度系のイメージ11/イメージ12の音を期待すると全く違う音。BISとPHILIPSの違いといえば判るかしら(謎) より音楽を近しい存在として積極的にユーロトーンを楽しませるサウンドが魅力。今時のオーディオ機器ではこういった音楽性が高い機種に巡り会うことがすっかり少なくなりましたが、ステレオワンには間違いなく音楽の息吹が宿っています。反面、ピュアオーディオ的な音質クオリティは同コンセプトの価格帯の中で比べると中の上くらいかな?

aura_note_ゼンハイザー音質についてはAura noteやDENON PMA-CX3/DCD-CX3など、もっと良いシステムが他にあります。個人的な主観もありますし、劣る方のシステム名は角が立つので書きませんが、要するに比べた8モデルの中では3番手でした。ただ、音質は箱庭的オーディオシステムとして実際のところ必用十分ですし、stereo oneに相応しい限られた設置スペースでの半ニアフィールド的な使い方を考えると、これ以上の音場感に何の意味があるのか?というのも事実。まずは音楽性を!それが無ければ意味がないという一番大事な事が判っていらっしゃる方々には、お気に入りのソフトを店頭へ持参し、STEREO ONEを”じっくり”と試聴されることをお薦めします。あと、そもそも音楽性とはなんぞや!?という人も、stereo oneの再生音を聴く事で、箱庭的ピュアオーディオ管理人が常々言わんとする音楽性が感覚的にわかるかも知れなくてよっ\(^^@)/

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コメント一覧 (10件)

  • aura noteいいですねえ。本文のステレオワンも興味津々ですが、aura noteのセンスの良いデザイン。オールインワンであとはSPとケーブルで遊べますね。欲しいです。あと、allroom SATのビビットなピンク。SPらしからぬファンシーな色・・。音も良いみたいですが、すっごいなあと思ったしだいです。
    ヨドバシなどの量販店で、各社国産ハイコンポ?をチラッと見た感じでは見た目は小奇麗でした。音は、騒音で良く分かりませんでしたし差は感じられず・・わたしには分析は不可能・・。ただこれで十分とは思わなかった。デノンのCX-3は低・中音の押し出しの強いイメージのデノンにしては高・中音域がすっきり爽やか・繊細で聴きやすい感じかと。なぜかデノン嫌いの自分としては、馬鹿でっかいモノ以外も作れてこの路線を行ってくれるといいのに、と思います。
    ちなみに今日北欧の雄?プライマー到着いたしました。まだ、箱開けてません・・。なので、音だししましたら稚拙な感想などいつの日か近いうちに。A1/C1-vlの行く末も考えねば。保存中のメニュエットと繋げて残す手もありますが・・。DALIロイヤル2セット・・。

  • 我ながらすごい時間だ…(苦笑)
    先日のナカリャコフのCDが密林から届きました。
    ラプソディインブルーなんかとってもいい感じでした。
    重ね重ね紹介ありがとうございました。
    追伸 yahooで薬のネット販売に関する署名をやっていたので、署名してきました

  • >moguさん
    Primare I21/CD21到着しましたかっ♪どんな音が出ているのか興味津々です。そういえばプライマーってデンマーク人のボウ・クリステンセンの設計なんですよね。それと、A-1VLを手放すのは勿体ないかも。。。うちにも数台アンプがありますが、困ったときはA-1VLみたいな使い方が出来ますから、是非サブシステムにでも残す方向で検討してくれると嬉しいです♪
    >>ただこれで十分とは思わなかった。
    オーディオプロ・ステレオワンはオーディオマニアのメインシステムとしては少しだけ力不足、書斎やベッドサイドに置くパートナーとしては合格♪d(^_-)という風に捉えてください。あと、マニアっぽくなりたくない人ゃ、機械音痴に奨めるときにはステレオワンで留めておくのが無難だと思います。オールルームSATの℃ピンク色はw最初は退いたのですが今は逆に唯一無二のオブジェとして気に入ってます(^^;
    >TIGAさん
    セルゲイ・ナカリャコフのCDお気に召していただけたようで幸いです♪それと署名の方本当にありがとうございますm(__)m

  • ふと おもった?
    オーディオプロSPピンク色の後ろ!
    金縁額の絵は クリムト?
    …ちがったらゴメンなさぃ<(_ _)>

  • 残念♪はずれ~(^^)ゝ
    露店をしていたユダヤ人の兄ちゃんから買った特殊プリント絵です。光が当たるとキラキラ光って奇麗なのでつい買ってしまいました。美術的価値はゼロwですが結構気に入ってます。プロの画家さんの描いた画は、この部屋は外光が明るいので飾ってないんですよ~。
    クリムトといえはアニオタな私はエルフェンリートを思い出します。一般にはとてもお薦めできないすぷらったアニメですが、クリムトをモチーフに描かれたオープニング絵とOP曲”Lilium”は絶品でした。
    http://www.nicovideo.jp/watch/sm672781
    この曲のCDはエルフェンリートDVD初回限定版第1巻に同梱されていたらしいのですが、プレミアが付いてしまって手が届きません。。。私は曲が欲しいだけで本編は別にイラナイ(録画してあるので)。それにしてもクリムトの絵はシュールで怖いですねぇ、、、外で観るのは良いけれども、レプリカでも自宅に飾りたくはないかも。。。でも嫌いじゃないというか…惹かれるんだけれども怖い。耽美的といいますか、ボードレールみたいな?
    ちなみに、pastel_pianoが一番好きな画家はロシアのワシリー・カンディンスキーです。

  • んま!カディンスキー!抽象画が好きなのね。
    絵を見たいときは、私が行くサイトここです。
    http://www.allposters.co.jp/
    最近ここで ジョージア・オキーフの絵ばかり
    眺めてるオイラ 買いたいけど2~3万はちょい
    躊躇してしまう><
    ラジエータービルが欲しいよぉ!

  • 抽象画というか、カンディンスキーが特別好き?みたいな。パウル・クレーも好きですけれども。
    >ラジエータービル
    オキーフですか~。フレーム抜きでプリントだけでしたら高くないし、額は御予算内で自前で調達する!でどうでしょうか?私はフレームと絵は割と別々に選びます。

  • まだ箱開けてません。週末、プライマー聴いてみます。楽しみはとっておくタイプです。A1vlは、残留検討します。親にメニュエットとセットで譲ろうかなと・・十分気に入ってたセットなので。
    カンディンスキーといえば、元美術部のわたしとしてはコンポジションシリーズ、異常に抽象画好きな友人(彼はブラック好き)が思いだされます。クレーは絵の構成、配色が素敵ですね。モダンな部屋に合いそうです。カンディンスキーは、あのバウハウスにもいたのでよね?どちらの絵も音楽的?とむりにこじつけてみる・・。でも、音楽って抽象的で、なぜ、あの音の配列が心(脳)に気持ち良いのかと不思議。論理的、具体的に説明されてみたい。地球人以外には雑音にしか聴こえなかったりして。脱線ついでに、欧米の人って日本人が心地良いと感じる虫の音を、雑音として無視?するみたいですね?人種が違えば、音の感じ方も異なるのか?まあ、個人差もあるでしょうが。昔、小澤征爾とヨーヨーマが対談してて、アジア人にはクラシック音楽は本質的に理解?困難である、ようなことを(詳細・肝心なところは忘却・・)ヨーヨーマが言ってて小澤征爾が反論していたです。逆に歌舞伎を欧州の人が日本人と同じように理解するかというとなんか難しそうだし。まあ、歌舞伎見たことない自分がいうのもなんですが・・。

  • >どちらの絵も音楽的?とむりにこじつけてみる。
    こじつけでも何でもなく、カンディンスキーは元々ピアノやチェロの素養があり、音楽に触発されて色々な絵画を生み出したようです。実際、彼の絵は音楽…音符そのものを視覚的に形にしたかのようにとてもリズミカルで極めて音楽的です。子供の時分は、そんなこと全然知らずにただフィーリングが好きだったのですけれど、後でカンディンスキーと音楽の関わり話を読んで納得♪交流のあったシェーンベルク等の無調性の現代音楽がモチーフといわれていますが、勿論そういう絵画もありますが、私の中ではむしろバッハの平均律クラヴィーアのような印象の絵画も沢山あるように感じます。
    クレーについてはそこまで音楽的だったとは大人になるまでつゆぞ知らなかったのですが、実は彼自身天才ヴァイオリニストだったらしいですね。前にNHKのハイビジョン番組(スイス制作)でパウル・クレーセンターの建設にまつわるドキュメンタリーがあったのですが、その番組でクレーの絵画と音楽の関わりについてやっていました。
    続きはまた夜に。。。

  • >なぜ、あの音の配列が心(脳)に気持ち良いのかと不思議。論理的、具体的に説明されてみたい。地球人以外には雑音にしか聴こえなかったりして。
    同感。そもそも空気がなければ音を伝達できませんし、その辺りの脳生理学が解明されるのは未来と云うことで…。ちなみに私は音=光ではないかと考えています。私は子供の頃から何故か音を脳の中でビジュアル的に色彩として認識できる技能の持ち主(謎)で(←音楽界隈には、割と同じ事を自覚されている人はいらっしゃいます。)音は光の周波数を落とした存在で、光からもたらされる印象、、、快/不快の感覚と、音のそれとは実は共鳴周波数が同じではないかしら・・みたいな。
    >欧米とアジアの文化の違いについて
    >アジア人にクラシック音楽は本質的に理解不能。
    これはまぁ正直私はヨーヨーに同感です。小澤征爾の指揮がヨーロッパの音かと問われれば否ですし。彼の音楽の本質は「和」に帰結すると思いますし、それをコスモポリタン的に置き換えているだけで。そんな和風のテイストが西洋人にとって独自性と新鮮さを持って受け止められているのが本質かなと。
    クラシックなどの西洋音楽は突き詰めると=キリスト教です。本人達の自覚が有る無しに。だからまず、西洋文化圏の根底にあるキリスト教思想とユダヤ思想を理解しないと難しい。これ、ある意味東洋思想と善し悪しの価値観が間逆ですから、日本人の古い価値観のままクラシック音楽をやるというのは、無謀なのではないかしらと。あとは、言語の発音問題。鈴虫が耳障りに聞こえるのはこれが主因ではないかと思うのですが、やっぱり東洋人でも違和感がない音楽を作れるのはあちらで育った人が多いと感じます。

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