【audio-technicaの高品質インシュレーター】
AT6099|AT6098|生産終了
先日はaudio-technicaのハイブリッドインシュレーターAT6099の詳細レビューを書いてみましたけれども、この際ついでですので、弟分のAT6098も購入してみましたd(^_-)。AT6098は兄貴分のAT6099よりもずいぶんと小さく、1セット8個入り。高精度な真鍮削り出しのコアとハネナイト(上下)による3層構造で、底面部の素材としてソルボセインを使っていない点がAT6099との大きな違いです。
また、AT6099は金ぴかインシュレーターがあるぞ~と存在感をアピールする見た目ですが、こちらはサイズが小さい分、オーディオ機器の足として違和感なくインテリアにすんなり溶け込む印象。特にデスクトップPCオーディオの小型システムや、小型ブックシェルフスピーカーの足として使うのに丁度良いサイズ感のインシュレーターです。
AT6098 vs AT6099×小型ブックシェルフスピーカーで音質比較
手始めに普段は小型スピーカーaudiopro Image11の足として前2つ後ろ1つの3点支持にしいてるAT6099(※昔購入した経年劣化してる方)を外し、同じく3点支持でAT6098をセットしてみます。・・・うーん。まず一聴して大人しい。帯域感はAT6099と比べてフラット。音質的にはAT6098の方が素直でAT6098よりも高音質に感じる方が多いかも知れません。但し躍動感や低域の押し出し感は後退。全体にスッキリとS/N感良く、AT6099が明るく抑揚が大きなオペラ向きのグラマーな帯域演出だとすると、AT6098は生真面目で紳士的な端正なイメージのサウンド。高域方向に目立った伸張感は無く、穏やかでほんのり暗い、陰影感ある音色。このあたりはソフトで伸びやかなAT6099とは対照的です。
全体にややウェットなのは両者共通。うーん・・・AT6098は悪く云うとAT6099より少しつまらない音かも。見た目としてはAT6099の方が超小型スピーカーのサイズに合ってはいるのですけれども。。。良く言えばニュートラルなサウンドで副作用が少ない。少なくとも、AT6099の場合でしばしば起こる、音調に大きな変化をもたらす柔らかさや、躍動的すぎて音色が合わないといった違和感はAT6098ではほぼ出ない筈。とは云え暫く聴いていたら気分が段々下がってしまい、ここは結局AT6099に戻しました。元々が充分キリリと繊細な音質傾向であるaudioproのスピーカーでは、ここはやはりAT6099の方がよりポップで楽しめる音がします(*^▽^*)
あくまでスピーカーとの相性次第でケースバイケースではありますが、音楽性対決ではAT6099、単純に音質ではAT6098のがベター。しっかし入門クラスの低価格インシュレーターとは云え、AT6098は失敗だったか?と正直この時点ではかなりブルーに。。。(滝汗)
プリメインアンプ ONKYO A-1VLにAT6098を敷いてみた
暫く考えてみてところ、そういえば先日導入したONKYOのプリメインアンプA-1VLには特にインシュレーターは噛ましていません。。。A-1VLは純正装備が真鍮製のインシュレーター4点支持の豪華仕様ですので、当初は特に何か+αの対策しようとは考えていませんでした。ただ、実際に色々試してみると、筐体の剛性の高さからむしろ逆に外部震動の影響が出やすく、置き台次第でドラスティックに音色が変わってしまう傾向を感じています。
ONKYO A-1VLが持つ本来の純度が高く輝かしい音色とS/Nの良い音場を引き出すには、適当なパーチクルボード系汎用ラックに直置きのままでは難しく、管理人宅では逸品館のAIRBOW人工大理石ボード(DCB コーリアンボード 350×450mm 厚さ13mm)を敷く事で、とりあえず許容範囲の音質に底上げしていました。
ONKYO A-1VLの店頭試聴では、Sound Organisation(サウンド・オーガニゼーション)のガラス天板ラックZ540SLに設置されていたのですけれど、コーリアンボードでは、その際の洗練された音質には今一歩届いていない的な違和感も。。。そこで物は試しにとい云う事で、audio-technica AT6098を挟んでみることにしました。AT6098の素材はA-1VL純正足と同じく真鍮。薄いハネナイトが貼ってあるとは云え、そこまで変わらないかも?・・・と一抹の不安も。4点支持にすることも考えたのですが、安定性を考え、標準足よりも内側・・・A-1VL底面の凸部の角に前2点後中央1点の3点支持にしてみました。
音を出してみた第一印象はaudiopro Image11の場合と同じく、少し大人しくなったかな?というもの。しかし、それ以降の印象がなにか違います。大人しいと云うより、深さと静けさが出た。そして、低域の沈み込みが深くなったような、或いはS/N感が改善されて音場のフロアそのものが一段と深くなったような印象。A-1VLをコーリアンボードに直置きの状態では、音色の雑味感といいますか、なんとなくザワザワした印象や乾いた印象がつきまとい、もう少しS/N感が良くならないものか?と内心感じていたのですけれど(注:以前にインプレしてますが、これでも木製のボード直置きよりは大幅にマシです。)、そういった荒れた印象が一掃されて音場に澄んだ静粛感が流れてきたような印象。音色はやはり多少暗めです。
元々ONKYO A-1VLはともするとドライブ力が強が過ぎると云いますか、プラス方向の直線的な表現に終始し、マイナス方向へのニュアンスが鳴りっぷりに埋もれて搔き消されてしまうきらいがあるのですが、その暴れ感がAT6098によって程々に押さえられ、ピアニッシモ方向への音楽表現の深みがしみじみ感じられる様になりました。それに伴い歪み感も減少しています。試しに再び外してみると、音場が上下に圧縮され、低域がポンついて軽く、中高域も浮ついてカサカサした密度の薄い印象になります。
プリメインアンプでAT6098→AT6099に交換してみる
更に比較対象としてaudio-technica AT6099を同様に3点支持にしてみたところ、なんじゃこれ???音がボワボワになって聴くに耐えません・・・orz。これがインシュレーターや各種ケーブル等々オーディオアクセサリーの難しいところで、こうやって管理人がアンプには〇〇〇が合う、スピーカーにはこのインシュレーター!なんて書いても、その相性や音色の特性が他の機種やシステムでも同様に再現される訳ではないのです。だからこそ、つまるところ、それぞれの環境で合うアクセサリを色々と試して試行錯誤する必要があるのですね~\(^o^;)/
audio-technica AT6098はA-1VL純正と同じ真鍮素材で更に小さなインシュレーターです。ほんの些細な話にも感じますが、ハネナイトを介した三層ハイブリッド構造にした事で見事にサウンドが整然と調教されます。これでA-1VLの展示試聴時に近い、音色の滑らな潤いとS/N感が自宅でもやっと感じられるようになりました。
うーん、それにしてもONKYO A-1VLはやはり震動制御面で一工夫必要ですねぇ。。。国産機らしくコンストラクションが豪華すぎるのが、結果的に振動モードを複雑化し、音色に粗雑感を生み出す不確定要素となっている感じがしたりしなかったり・・・(滝汗)。この点、同クラスの薄型英国&欧州製プリメインアンプの殆どは、シャーシの成型もネジ数等も含めてずっとシンプルな構造ですから。。。
プリメインアンプのA-1VLでは、こんな感じでS/N感の良いセッティング、質の高い電源環境を導き出してあげるのが良さそう。上手く行けば店頭での横並び試聴時に出がちなS/N感の悪いもっさりとした印象が払拭され、本来持っているクリスタルな輝きを伴う硬質な音色が、素晴らしい密度と実体感を伴って眼前に出現します。そんな音はしてないよ~?と感じられる場合は、是非セッティングと電源を奢ってあげて下さいね♪
BD-R&HDDレコーダーSONY BDZ-EW1100に敷いてみた
管理人のオーディオ&ビジュアルシステムで、結果的ににAT6098をレギュラーとして数年以上に渡り長期運用している機種は、前述のONKYO A-1VL以外には、BD-R&HDDレコーダー SONY BDZ-EW1100になります。アニメの録画視聴とクラシック音楽番組の録画にほぼ特化されている、管理人のBD-R&HDDレコーダー SONY BDZ-EW1100。放送音源がCD8SACD音源と大きく異なるのは、それほど聴感上の解像度やレンジが広くなく、細身でフラット&プレーンな、良く云えば聴き易い地味な音質と云える点です
。悪く云うと思いっきり圧縮がかけられていますので、デジタルデータ的には情報量が少ない寂しい音質。こんな放送音源を心地よく聴くには、何よりも人の声、セリフの帯域が聴き易いかどうか?が重要になると思っています。その点、AT6098のキャラクターには余計な過不足が無く、不思議とセリフの帯域が聴き取りやすくなる為、録画アニメを再生する機会が多い管理人のBD/HDDレコーダーには丁度良いライトチューンになっている感じです。うっすらとした高価でしかありませんが、インシュレーター無しよりは、AT6098があった方が音質的に耳当たりが良くなる印象。画質の変化については正直あまり分かりません。↓のページにもaudio-technica AT6098とAT6089CKを比較したレビューを少しだけ書いています。
まとめ♪
audio-technica AT6089の本来の設計用途であろう小型スピーカーに使うにはそれなりに相性があり、手持ちにある十数組の小型ブックシェルフスピーカーで相性の良い物を見つける事は残念ながら出来ていません。とは云え、基本的には音がキツかったり荒れて暴れるタイプの小型スピーカーや、オーディオ機器のインシュレーターとして使うのに向いていると思います。また、上記のようにHDD、BD-R、DVDレコーダーなどのビジュアル系の機材にも、余計なキャラクターを加えずに、聴き易く整ったサウンドが得られる点で使い易いように感じます。
ちなみにオーディオテクニカ AT6098やAT6099に限らず、ソフト樹脂やゴム系素材を使用したBlack RavioliやJ1 projectなどのインシュレーターはどれも、基本的に取り付けて直ぐには本来の音は出ません。最初はどうしても少し高域がなまるような副作用があり、数日馴染ませることで徐々に違和感が消え、このレビューのようなイメージに近づくかと思います・・・馴染むとボードとアンプの間にピッタリ貼り付き、簡単には取れなくなったりしますけれども・・・(滝汗)。書いていていま気がついたのですけれど、AT6098とAT6099って滑り止め効果が高いので抜群の耐震性能が期待できるかも!