【audiopro Image11について】
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普段は音質より音楽性優先ということでAUDIOPRO Image11にはSPACE&TIMEのスピーカーケーブル Omuni 8Nを使用しているのですが、インシュレーターの次のアップグレードとして、今回更にAETのスピーカーケーブル6N14Gに挑戦してみました。
おお!いきなりこれは良いかも!?散々裏切られ続けた国産スピーカーケーブルでしかも安物。見た目からしてかなり安っぽく、正直全くと言って良い程期待していなかったのですが、思っていたよりずっと解像度が高く奇麗な音がします。音質は透明でニュートラル。このクラスのお手頃な海外製スピーカーケーブルの魅力である艶っぽさや良く歌うタイプとは毛色が異なり、どこか日本人を感じさせる控えめで端正な佇まいではありますが、喩えると高原の朝の空気を想わせる清涼な空気感は、このクラスの安価なスピーカーケーブルには珍しい正統派のサウンド傾向になると思います。
低音域の出方は価格相応で、取り立てて制動力や力強さのアピールは感じませんでしたが、小型スピーカー用のスピーカーケーブルとして考えると、このくらいの方がバランスとして相応しいのでしょう。オリジナルのオーディオプロ Image11で使用してもウェルバランスですし、逸品館のAIRBOW IMAGE11/改ではWOOD-BOYで改善した方向性を更に後押しし、相乗効果によってサウンド全体の色付けを排除しつつクリーンな傾向がより研ぎ澄まされ、全体的な出音の品位を高める方向に働きます。
少なくとも、音質二の次で色々なキャラに転がりがちな低価格スピーカーケーブルの中にあって、この品位と音質的な色付けの少なさはリファレンス用途・・・セッティングの基準用としてもお薦め出来るスピーカーケーブルだと思います。これで1m/1200円ですから、なるべく安価なケーブルを探しているけれどどれが良いのか判らない・・・そもそも自分の好みの音質や方向性が決まっていない・・・或いはあまりケーブルのキャラクタに振り回されたくない場合などでは、手始めとしてAET 6N14Gを一組み使ってみても損はないと思います。撚り線ではありますがなかなか奇麗な高域と響きが出ますのでサラウンド用サテライトスピーカーにも向いているでしょう。また試聴用にお借りしたものはYラグ端子でカシメてあったのですが、この手の多芯撚り線のケーブルは裸線のまま結線せず、端末処理をするのがお薦めです。純銅製の高品位なYラグを使用することで撚り線の持つ滲み感が軽減されますし、経時劣化でパサついた音になるのも抑制できます。音質的にはどちらかと云えば金メッキよりも銀メッキやロジウムメッキのYラグが合いそうな雰囲気です。
バナナプラグやYラグ端子はピュアオーディオに不必要?(前編)