海外製小型スピーカーの薦め。ミニコンポからのグレードアップに

さて、現在ご使用のオーディオ機器やミニコンポでじゅうぶんに幸せな音が出ているとは感じられない貴方。或いは現状にある程度は満足しているとしても、音質面での更なる向上を望む場合、お手持ちのオーディオシステムから何らかの効果的なステップアップが必要になります。

MonitorAudio radius 90

ラジカセ等の一体型システムの場合は丸ごと交換するしか手がないとして、ミニコンポ若しくはハイコンポと呼ばれるセットコンポをお持ちの場合には、先ず手始めにセットのスピーカーを単品のものに交換されてみることをお薦めします。(もちろん予算が許す場合はシステム全部を交換した方が望ましいのですが・・・)低価格コンポの場合、音の骨格の半分以上がスピーカーの品質で決まると言っても過言ではありません。(内的な質の部分はアンプの品質や相性がむしろ重要なのですが、ここでは次のステップとします。)ダイナミック型スピーカーの構造は、デジタル機器と違い技術的にはローテクの塊で、昔から基本的な構造はそれほど進歩していません。その為、音の善し悪しを決めているのは、メーカーの技術力よりも設計者の音楽的な感性や耳の良さといった、ある意味で抽象的な感性の部分、職人的、芸術的なセンスの影響が強くなってしまいます。

ところが、大抵の国産のミニコンポに付属する程度のスピーカーの場合、

※ギリギリまで製造コストを削られている
※ピュアオーディオ部門以外の技術者による雑な設計
※価格と外観しか要求しない市場のニーズ

等々が原因で、悲しいことに、高音質とは程遠い中途半端でいい加減な音しか出せないスピーカーが大多数を占めるているのが現状です。

近年では国内メーカーのミニコンポに付属する純正スピーカーとしてELACなど、評価が高い海外メーカーのモデルを最初から同梱している珍しいケースもありますが、それは例外中の例外。大多数の国産ミニコンポの付属スピーカーとして派手で奇抜なデザインや、ユニットが無闇に沢山付いているタイプのスピーカーは、おしなべて見た目のハッタリ重視で上質な音は出ないと断言して良いです。(※ECLIPSEのTDスピーカーのような例外もあります)こういったスピーカーが付属してくる現状では、システムコンポ側にある程度の潜在能力があったとしても、スピーカーの品質に足を引っ張られてしまい折角の能力を引き出すことが出来ません。とにかく先ずはステップアップの手始めとして、ピュアオーディオ向けに設計されたまともな音のする単品スピーカーと入れ替える事を提案したいと思います。

internal色々試聴してきました その1 スピーカー編
internal小型スピーカー23モデルを比較試聴してきました@2014-15 前編
internal小型スピーカー23モデルを比較試聴してきました@2014-15 後編

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敢えて大きなスピーカーでは無く小型スピーカーをおすすめする理由

ここで箱庭”AUDIO STYLE”がお薦めするのが、ミニコンポにセットされるスピーカーと同じかそれよりも少し小さいサイズの、ヨーロッパorアメリカ製の小型ブックシェルフ型スピーカーです。上質な部品を奢られた品質が高い製品であっても、小型スピーカーはサイズが小さいが故に相対的に低価格で手に入れることが可能です。

その理由ですが、大半のスピーカーはラインナップ別に一つの設計思想で超小型から大型まで同じ品質で生産されていて、特に音の本質的なクオリティを決めるパーツ品質や基本設計は共通化されています。結果的に価格差は品質差よりもサイズ違いによる部分が大きく、元の設計が優秀なものは、ダウンサイジング&低価格化した場合にも、そのまま音質も優れている事が多いからです。

※また、スピーカーの場合は同一ラインナップでも点音源に近い廉価な小型モデルほど相対的にセッティングが楽で、廉価な小出力アンプでも破綻無く鳴らし易い傾向があります。結果的に初心者さんの適当なセッティングでも高音質且つ高音楽性を得られやすいというパラドックスもあります。

小型スピーカーの限界としては、

*サイズの制限で低音域が十分に出せない
*大編成のオーケストラやジャズ・ロックでは力不足
*大きな音量を入れると歪みやすい

等の弱点があります。

逆に大きなスピーカーの場合、

*同一設計/同品質ではサイズや販売数量の面から割高になる
*小音量再生では帯域バランスが崩れたり音が滲んで曇りやすい。
*まともな音質を得る為に、部屋のサイズ及び音響のコントロールに加え、組み合わせるアンプやケーブル等にも、より高品位且つ相性の良いアクセサリーを要求する。

・・・等々、大小でそれぞれに得手不得手があります。

部屋のサイズと予算が十分にあり、等身大のジャズにフルオーケストラやロック・ポップスなどで、豊かな低音や大音量を御近所と密接しない一戸建ての住環境で楽しめる恵まれた方々の場合には、箱ピュアで推奨するミニマムシステムは、あくまで仕事場やベッドサイドのサブシステムとしてのお薦めになります。しかし日本の一般的な住宅環境の大半は、実際のところ小~中音量でしか音楽を再生出来ない、低音がドスドス出ると近所迷惑、そもそもBGM用途で使われるケースが多いのが実情ではないでしょうか?

箱庭的オーディオシステムは、低音的の迫力や音量を一番に求められる場合にはお薦め出来ません。その代わり、ボーカル帯域や、音楽の流れ、普段の小~中音量でアコースティックな生楽器のリアルな質感や純度を期待される方には、敢えてセッティングの影響を受けにくい小型スピーカーを選択される方が、下手に大きなスピーカーを選ばれるよりも、音楽的な満足を得る為の近道になると思います。

それでは、2005年の現時点で手に入りやすい海外製スピーカー廉価モデルの中から、箱ピュア管理人的お薦めスピーカーをいくつか挙げておきます。お手持ちのミニコンポのスピーカーをこれらと交換するだけで、新たなクオリティの音楽世界が広がる事になるでしょうd(^_-)

スウェーデン audiopro Image12

オーディオ プロ audiopro
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透明度の高さは超一流で、小編成のクラシック音楽を静かに楽しみたい、ハイエンド的な音質の透明感を低価格で追求したい向きに特にお薦め。管理人が普段書斎のサブシステムで使っているスピーカーに先代モデルのaudiopro Image11がありますが、こちらは絶品の中高域と引き換えに充分な低音が出ません。Image12ではユニットが変更され僅かに寸法が大きくなり、低音域・高音域共にワイドレンジ化されています。比較するとドンシャリ気味で少々違うスピーカーになってしまった気もしますが、多くのソースに適応し万人受けするのはこちらかも知れません。audioproの耳の良さと音作りのセンスの良さは健在です。※箱庭ピュアオーディオ管理人はImage12も追加購入し、現在はImage11と置き換わっています。

スウェーデン audiopro ALLROOM sat

audiopro BLAVO ALLROOM SAT
BRAVO ALLROOM SAT audio pro

SATと名が付くとおり本来は5.1chサラウンド用途のサテライトスピーカーですけれど、とても小さいのでデスクトップのニアフィールドリスニングにも向いています。audiopro Image11やImage12と比べるとかなりナローレンジですけれど、響きが多く、音場が良く広がりチャーミングで滑らかなサウンドです。ナチュラルな音楽の流れと表現力では、時としてImage12やImage12を上回わる事もある優秀なスピーカーです。

ドイツ ALR/JORDAN EntrySi

ALR/JORDAN ENTRY Si

こちらも旧モデルのALR/JORDAN EntrySを、箱ピュアのサブシステムとして先日まで使っていた優秀なスピーカーです。メタルコーンながら中域の密度が高く、ALR/JORDAN独特のウォームで木質感溢れるタッチと少々ドライながらナチュラルな質感、高密度で実体感のある中域、響きの広がりの広さ、かなりのパワーを突っ込んでもめげないタフさ、音楽的な充実度など、何処をとっても国産スピーカーにはない魅力に溢れるスピーカーです。EntrySiにマイナーチェンジされ、トゥイーターが変更されるなど更に高品位な再生音になりました。

英国 MonitorAudio Radius 90 (HD)

モニターオーディオのラディウスシリーズ最小機Series 90。ブラック・ホワイト・シルバー・ビーチ・ローズウッドなど多くのカラーバリエーションがあり、インテリアに合わせてセレクト出来ます。音質的にはブラックなどの艶ありピアノフィニッシュモデルがお薦め(仕上げで音色が変わります)。こちらはメタルコーンらしいクリスプでソリッドな雰囲気。スピードが速く特に電子音の打ち込み系やロック・ポップスを歯切れ良く聴かせることが得意なスピーカーです。重低音や音圧を望まなければ十分に楽しめるスピーカーの一つ。重低音はかなり弱いのですが、手のひらサイズにしては意外な程伸びていて、なかなか頑張っているとも云えます。また特にドラムの切れ味が抜群で、聴いていてゴキゲンな気分になれます♪

以上、2005年時点で現行モデルとなる実売で5万円未満のスピーカーを4機種紹介しましたが、オーディオマニアの方々にはどれも名の知れたポピュラーな小型スピーカーです。個人的な好みと知名度とネット通販での入手のしやすさも加味して取り上げてみました。箱庭的ピュアオーディオシステムの薦め”AUDIO STYLE”管理人はモニターオーディオRadius90を入手すべきか迷っています。その前にアンプをどうにか入手しないといけませんけれども・・・。

今回紹介した4機種以外でも、中古で流通している絶版モデルにも優れた小型スピーカーが実は沢山あります。過去に購入資金捻出のために過去にやむを得ず手放してしまったものを含め、個人的には中古市場に溢れる宝物にむしろ興味があったり・・・。その話も含めて、追々ディスコンになった昔の素晴らしい小型スピーカー達についても取り上げていければと思っていますd(^_-)

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