今回は箱庭AUDIO STYLE管理人にしては珍しく、店頭予約して発売直後にゲットしたアコースティックリバイブの新製品、RKI-5005インシュレーターのレビューです。ちなみに購入店は地元のオーディオ専門店スクェア。使い易い形状と、妙にお高いですけれどオーディオマニア的には手を出したくなる微妙な価格設定で爆発的ヒットしそうな予感・・・。因みにRKI-5005は既に発売されて大ヒット中のターンテーブルシートRTS-30と同じ素材をインシュレーター用に調整し転用したものだそうです。
Acoustic Revive RKI-5005は直径5cm厚さ5mmとインシュレーターとして非常に使い易いサイズ。質感は硬めのゴムパッドそのもので色はグレー。正直、見た目にお値段ほどの高級感はありません。開封するとなんだか仄かに良い匂いがします。裏側は真っ平らで、凹凸模様がある面を上にして使います。硬めのシリコン系素材と云ってもブニブニ曲がる程度ですので、長期間機器を載せておくと足の跡が残るかも知れません。また、それなりに弾性があり、落とすと軽く跳ねます。ツルツルとしたタイプでは無く埃がくっ付き易いのが難点ですけれど、表面が滑らないので、耐震目的等の滑り止めパッドとしてもそれなりに使えそうです。
Acoustic Revive RKI-5005の特殊素材について
シリコン系素材に「貴陽石、トルマリンなどの天然鉱石を含浸」とのことで、オカルト上等ないつものアコリバらしくマイナスイオン効果を謳っています。インシュレーターとしてのみならず、マイナスイオンと静電気除去効果を狙って機器の上に置いたり貼り付けたりと云った使い方も出来るとのこと。トルマリンや貴陽石は圧力をかけることでマイナスイオン発生効果がより活性化するらしく、インシュレーターとして使う場合にも、機材からの加圧によりオーディオシステムの周囲がマイナスイオンで満たされるとのこと。・・・と云うことは、載せる機材はある程度重量がある方がより効果的なのかも。まぁ色々と、まじかるぽか~んですけれど(滝汗)。
埃が付きやすいのですが拭き取りにアルコール・洗剤・化学薬品は使用不可。柔らかく毛羽立たない布で水拭きして乾燥が推奨。どうしようも無い時はサッと水洗いして水切り即乾燥が良さそう。
RKI-5005の音質レビュー♪
張りのある充実したサウンド傾向で、中域~中高域は明るく滑らかな音色です。ワイドレンジ傾向の強いアコースティックリバイブ製品ですので実は少し心配していたのですが、高域方向の刺さるような歪みっぽさは全くありません。むしろシリコン系らしく歪み感を取り除く方向。中域~低域は粘りと密度感を伴いつつやや押し出しが良くなり、エネルギー感と集中力が高まります。シリコン素材の影響は皆無では無く、ほんのりと柔らかめで僅かにアタックの角が取れる印象はありますけれど、音が鈍りやすいゴム系のインシュレーターにしては思いのほか副作用が少なく、立ち上がりのスピード感はそこそこ保たれている印象。
音場空間はスケールが大きくリアルになる反面、細部の空間情報量はやや整理される方向で、粒子感よりも滑らかさに耳を奪われるタイプ。その代わり音楽的な流れ・・・旋律の見通しは良く、音楽性はやや闊達な方向へ向上します。音の把握の仕方に粘りとダンピングが効いていて独特の個性があると云いますか、この部分が音楽的に生きるように、システムの出音とをどう噛み合わせるかがポイントになりそう。噛み合わないと可も無く不可もなくみたいな中途半端な感じになるかも。
適度なダンピング感があり音のエネルギー感と集中力が自然に高まる傾向ですので、RKI-5005の音に慣れてから外すと、なんだか少し音量が下がってスカスカした印象になります。ただし、音場空間の開放感や高域方向への広がりについては使わない方が優れていますので、敢えて小さなデメリットを挙げるとすればトレードオフとなりそうなこの部分になるかと。とは云え、敷いた直後よりもしばらく(数時間~数日)置くと、最初はシリコン素材臭に埋もれてマスキングされていた細部の情報が出てくるようになり、立ち上がりも改善され、馴染んで音質が良くなるタイプのインシュレーターです。
全体的にこれといった尖った特徴は薄いと云いますか、シリコンゴム系のインシュレーターにありがちな欠点をなるべく消す方向で、Acoustic Reviveらしく上手にチューニングされている優等生的な印象。効果としては良くも悪くも素直でマイルドな効き味。逆に云うとこの価格のインシュレーターに求める個性の変化量としては個人的に少しばかり物足りない気もして、コストパフォーマンスは正直イマイチだと思います。スピーカーで使う際には都合2セット必要になりますし・・・。4枚セットの希望小売価格が1/2、実売で3千円程度の価格設定でしたら絶賛していたところですが。。。
CREEKのサブシステムでテスト
CREEK CLASSIC CDのスチール天板の上、普段スペーサーとしてJ1 projectのICP ダンピングスペーサーP35D-J/4Pを入れているプリメインアンプCREEK Sequel2の硬質ゴム足に、P35D-J/4Pダンピングスペーサーを入れたまま、更にその下にAcoustic Revive RKI-5005を敷いてみます。う~ん、、、音がデッドになった。ハイの歪み感は取れるのですけれど、音が少し篭もる方向。中~低域にかけての濃さは魅力的になりますが、音場の広がり面では抑圧感も。。。インシュレーターそれぞれでバランスが取れているので、変に重ねたら駄目なやつでした。。。
気を取り直してRKI-5005単体で試すと、2種重ねとは違ってかなりまともですが、中~低域方向と音像描写の厚みが増す反面、元々やや控えめな高域方向の響きが更に抑制されてしまいなんとなく微妙な感じに。RKI-5005に耳が馴染んでから外すとやはり暫くスカスカ感を感じてはしまうのですが、元々エネルギー感は十分なシステムですので、RKI-5005を使わない方が細部の見通しが良く、空間が開放されて聴き易いです。ここに元々入れていたJ1 projectのダンピングスペーサーP35D-J/4Pを戻すと、低域方向の押し出しと量感ではRKI-5005に負けるものの、独特のチャーミングで綺麗な響きが上乗せされて(高域方向がデッドな音色の)アンプの弱点を補ってくれますので、結局元サヤに収まる形でSequel2での採用は見送り。
D/Aコンバーター Pro-Ject DAC Box DSで試してみる
DALI MENUETのサブシステムで使っている小型DAC、Pro-Ject DAC Box DSの下にAcoustic Revive RKI-5005を敷いてみます。下はクラビノーバの天板(たぶん東南アジア系木材のMDF)、手の平サイズの小型オーディオ機器に良くある丸い小さなゴム足が付いていますので、こちらもシリコンゴム×シリコンゴムの組み合わせになります。
1㎏を切る小型軽量機器でも効果はあるか・・・気になるところですけれど、敷いてみると全体的に音が充実しつつハリが出て明るく活き活きとした傾向になります。定位についてはピンポイントでソリッドな定位感と云うよりは、中身が充実して実体感のある滑らかな定位感。少し音場が下寄りになる印象。この組み合わせは充実感があって割と好印象ですd(^_-)。RKI-5005を外すと音圧が下がり、音場が奥まって腰高になりますけれども、奥行き感や高さ方向の広がりについては無しの方が良いかも。
真空管デジタルアンプ Miuaudio MKTP-2に敷いてみました
Acoustic Revive RKI-5005をPro-Ject DAC Box DSから外し、Nordost Blue Heavenを介してその先に繋がる更に小さなマイクロ真空管デジタルアンプMiuaudio MKTP-2側に移動してみます。足はΦ5mm厚さ2mmの小さなクッションゴム(透明シリコン)。下はROTEL RDA-06で剛性の高いソリッドアルミニウム天板。
音楽的なエネルギー感の増加と共に艶やかな中高域が魅力。ハリと明るさが出るのはこちらも同じです。低域方向の充実についてはDAC側の方がより強く出ていた印象。真空管にPHILIPS 6922管を使っていることもあって音場が過度に拡散しやすい傾向のアンプですので、その点を適度にダンプしてくれる方向性。拡散していた響きが音像にリッチな厚みとなって纏わり付く感じ。リッチで滑らかですが粒子情報量は少々減退。
今回はRKI-5005を1セットしか購入しませんでしたので、アンプ Miuaudio MKTP-2とDAC Pro-Ject DAC Box DS両方に入れたらどうなるか?までは判りません。しかし1セットでも十分と云うか、仮に両方に使った場合、RKI-5005のシリコン素材的な個性が強くなるのと、ダンピングの強さが増す代わりに開放感がトレードオフになり気になる部分も出てきそう。片方に入れる場合はどちらが良いか・・・う~ん・・・悩む。。。欠点をカバーしてくれる意味ではアンプかな?※もちろんこれは個々人のシステム次第でどちらが良いかは異なります。あと、けっこう熱くなる機材で使う場合に、耐熱性、熱耐久性の面が気になるところですけれど、シリコンですから普通に考えたら大丈夫なのかな。
~まとめ~
いつも発売から数年遅れで今更感たっぷりのレビューばかりの”AUDIO STYLE”管理人には珍しく、発売直後の緊急レビュー♪ですので今回のテストはここまで。まだアコースティックリバイブRKI-5005を使い始めてからの日数が足りないので此処から更に気付くこともありそう。初期の印象は思ったよりも好感触で色々可能性を感じさせるインシュレーターではありますし、実は購入目的の本命は別の場所だったりします。後日、別のパターンでテストした結果はこのページに随時追記していきます。
Acoustic Revive RKI-5005は全体的に楽音帯域については明るく張りのあるポジティブな音質で、どちらかと云えば柔らかい傾向。その点で、解像度が高すぎて硬く高域が刺さるシステムの調音には特に向いていそうな印象。逆に高域が元々デッド気味なシステムには合わないかも。また、音場の3次元的な定位やリアリティには優れているものの、間接音成分の広がりはやや抑制的で楽音帯域がやや手前に張り出したサウンドになります。俗に云うカマボコサウンド程では無いのですけれど、フラットでも無いと云いましょうか・・・。既に絶賛されているアナログレコード用のターンテーブルシート、Acoustic Revive RTS-30の音質傾向が好みの方であれば、RKI-5005を追加導入すると更に幸せになれること請け合いです。
シリコンゴム系素材にありがちな立ち上がりの鈍さとある種の抑圧感についてはかなり入念に払拭されているとは感じますが、それでも皆無ではありませんので、その点をどうやって活かすかがRKI-5005に於ける使いこなしのポイントになりそう。方向性として、エントリークラスのオーディオシステムにありがちな、制動力、エネルギーが足りずスカスカ気味の音が出るシステムに於いて、ダンピング感を高めて有機的なエネルギーを生み出すのに向いています。ですので少々価格はお高いのですが、音の厚みや豊潤さに物足りなさを感じている場合にはトライする価値があるのではと思いますd(^_-)。
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