メインシステムのプリメインアンプTAG McLaren 60iが遂に故障してしまいました…orz

なんだか今日、自宅のリビングが窓を開けているにもかかわらず妙に焦げ臭い&塩素臭がする?と思って周囲を見回してみると、ふだん割と常時通電しているプリメインアンプ、TAG McLaren 60iの通電中の青色LEDインジケーターがなぜか赤く光っていて???。この赤いLEDはミュートリレーのインジケーターで、本来は電源ON直後の数秒間ととヘッドホン端子使用時にのみ点灯するものです。それ以外では、ボリュームを上げて保護回路が働くレベルの大音量で再生しなければ普通はブルーのまま。ちなみに今日は音楽を流さず、アイドリングで昨晩から丸半日以上電源を入れっぱなしの状況でした。※ちなみにこれまで保護回路が働くレベルの大音量を突っ込んだことは管理人の場合は今まで一度もありません。。。

メインシステム TAG McLaren 60i ONKYO C-S5VL

近寄ってみると案の定、焦げ臭い&塩素臭がアンプからしているっぽい。。。震えながら電源を落としつつ、背面のケーブルの配線を全て外し、数年ぶりに蓋を開けて見ると・・・・あああぁ、回路の一部、中央部にある抵抗数本が焦げておりました…orz

TAG McLaren 60i 焼けた抵抗

ぱっと見、焦げてしまった部分以外には、他の抵抗や半導体、コンデンサ等々に外見上の異常は無し。経年劣化でコンデンサが弾けたのかと思ったのですけど、そうではありませんでした。それにしても2000年の購入から18年超、文字通りメインシステムのアンプとしてかなり酷使した自覚はありますが、大きなトラブルも無くここまで良く頑張ったものです。

60iRV

元々TAG McLaren 60i及び60iRVは、1980年代後半にイギリスで開発発売されたAUDIOLAB 8000Aのマイナーチェンジモデル。1998年にAUDIOLABがフォーミュラ1で有名なマクラーレンレーシングチームの傘下に入り、外観を有名デザイナーの手でハイエンドオーディオらしくリデザインされましたが、中身そのものは8000Aの基本設計を踏襲したまま細かな変更を加えただけのマイナーチェンジモデルだったりします。その後TAG McLarenを離れ、資本がHong KongのAIGグループに買収されるなど紆余曲折を経つつも、再びAUDIOLAB名義に戻り、同一設計を踏襲したまま60iRVのマイナーチェンジモデルとして8000Sが発売。※60iRVは60iにリモコン機能及びプリ/パワーセレクター付きの機能強化モデルです。

audiolab_8000s

数年後には8200Aにモデルチェンジ。ネットで画像検索すると内部が判りますが、回路設計や主要部品は初代から通してあんまり変わっていません。音そのものは歴代聴いてみましたが兄弟機の範囲内でブラッシュアップされています。初代はニュートラルで地味目の英国クラシカルサウンド。TAG McLaren時代は特に音場表現に振られて響きが多くゆったりとしたサウンド。その後のモデルではより現代的に高解像でハイスピードな傾向になりました。

audiolab 8200a

2017年に完全新設計となる8300Aが発売されるまで、初代8000Aから外観の意匠変更のみで基本回路やパーツ構成には大きな違いがないまま、30年近く英国製プリメインアンプのリファレンスプロダクトとしてオーディオ誌等の評価機に君臨し、長年に渡り世界中で愛され続けてきました。普及価格帯のプリメインアンプながら中国製では無く、古くから一貫してイギリス国内で生産されているのもポイント。ちなみに主要パーツには日本製の部品が多用されています。

audiolab
¥250,800 (2024/11/19 23:54時点 | Amazon調べ)

それにしても、ああ、これってば修理においくらくらい掛かるのでしょうか…。当時の現地価格は£500。今は無き秋葉原のサトームセンから13万円で購入したプリメインアンプです。そもそも今更修理対応が可能なのかどうか?、他にも壊れてしまっていないか?少々不安なところではありますけれども、壊れたから捨てるなんてのは箱ピュア管理人の辞書にはありません。メインシステムのプリメインアンプを将来的にアップデートする可能性は無ではありませんが、そうだとしてもTAG McLaren 60iとはずっと付き合っていきたい。少なくともマイナーチェンジの後継機は昨年まで生産されていて、イギリス本国では8200Aが今もAUDIOLABホームページ上のカタログラインには残っていますので、オリジナル若しくは後継互換部品そのものについては、本国取り寄せも視野に入れれば今ならまだまだ入手可能なはず。

TAG McLaren 60i inside

故障と云えばこのアンプ、実は購入初年度からボリュームにガリが出始めて、18年掛けてじわじわゆっくり症状が酷くなっていました。これが原因で完全冷却状態からの電源投入時、最初の数分間、左チャンネルからちゃんと音が出ない問題を抱えていたり。尚この症状はヘッドホン端子を抜き差しすると直ぐに直るので、普段、長時間or長期外出時以外はほぼ常時通電に近い運用をしていた事もあり、修理に出すのをずっとサボっていたのが実情だったりします(滝汗)

NOBEL 可変抵抗器

ちなみにこれもNOBEL 帝国通信工業製の可変抵抗器だったりするのですが、ボリューム交換をするとなると、同じパーツかより高品質・高音質なものがあると更に良いのですけれど。他にも大きなELNAの50v10000μF電界コンデンサとか、そろそろ新しい物に乗せ換えた方が良い…筈ではありますよね。

Twitterで相談してみたところ、識者の皆様から数多くのアドバイスをいただきました♪

TAG McLaren 60iの回路構成はA級プリアンプ+AB級パワーアンプで、A級プリのお陰で発熱もそこそこあり、アイドリングの消費電力が見かけに拠らずなんと45W。18年分の消費電力を積算するとそ60iか8200Aがもう一台買えるよね?って思ってみたり…。 どうも焼損している抵抗は容量が微妙に不足気味らしく、ネットに転がる他のTAG McLaren 60iの画像でも、同一部分が焼けているものが見られます。これ、同等修理では無くて、余裕のある抵抗に交換するのが望ましいっぽい。

TAG McLaren 60i 2008

今回焼けて壊れてしまった抵抗部分が以前どうだったのかなと思い、丁度10年前の2008年に撮影した内部画像を引っ張り出してズームアップしてみたところ…当時は気付かなかったのですけれども、既にそこそこ焼けていて、抵抗も破損しつつあり、故障の兆候が見てとれます(画像右側) むしろここから更に10年良く持ったなと(滝汗) 昨晩深夜までは普通に鳴ってましたので、ほんとにじわじわ年月を掛けて焼損限界が来たのでしょうね。

それにしても私、2005年のAUDIO STYLE開設の遥か以前より、18年間もTAG McLaren 60iをメインシステムの中心に据えているにもかかわらず、当初から工事中の表記にしていて実は一度もこのプリメインアンプについてのちゃんとした紹介記事を書いていません…。 無事に直って私のところに戻ってきたら…今更ですけれどもその際には必ず紹介記事を書いてあげようと思っています。

以下、修理状況の進展に応じて追記します。

  • URLをコピーしました!

コメント一覧 (6件)

  • お久しぶりです。
    私はAura Design VA-200を使っていますが、そろそろ20年選手ですので、ボリュームの洗浄やリレーの交換をしたり、ちょくちょくメンテしています。
    そういえば先日、CEC TL-5100Zも壊れました(ToT)
    ピックアップがあれば修理したいところですが、これまでの修理代だけで新機種が買えそうなので悩ましいところです。

  • こんばんは&おひさです♪
    古いアンプを使い続けるとなるとやっぱりそうなってしまいますよね。実はCREEKのSequel2も昨年から長期入院していまして、今家にあるのは代替機だったりします。ちなみにAuraの修理はどの程度の費用が掛かりましたでしょうか?
    TL5100Zについては1回ベルト交換と細部の調整、フロントパネルの表示部交換をしていますが、その時の費用は確か税抜きで15000円くらいでした。ピックアップ交換になると更に加算されると思いますが、SANYOのOEMの汎用ピックアップとして世界中で大量に使用されていたSF-P1かSF-90が中核に使われていますので、オリジナルor代替ピックアップはまだまだ手に入る筈です。うちもTL51Zのベルトが伸びてしまい再生できなくなって、使わないので放置してあります。これもいいかげん修理しないとですね(苦笑)
    https://twitter.com/pastel_piano/status/906194738130305024

  • おはようございます。
    オーラは代理店のユキムさんで修理して貰いましたが、伝票を確認したところ、リレー交換(G2R-2A 24V)は19,440円。ボリューム&セレクター洗浄は12,600円でした。
    ボリュームとセレクターは交換部品がないので完全にノイズをなくすのは無理だそうです。
    TL-5100Zはちょくちょく修理に出しましたが、その度にピックアップの在庫があったりなかったりなのでよく分からないですね。
    近々、メーカーに問い合わせてみます。

  • こんにちわ♪
    Auraの修理はそれぞれ別々の時期だったのでしようか?部品代は数百円程度ですのでほぼ工賃。但し作業内容的には数十分で終わるものですので、同時にその金額が請求されたとなると、大手国産メーカーと比べてしまうと正直かなりお高いな~と。故障のタイミングが異なり、基本工賃1万円?が別々に加算されているのでしたらあり得そうですが。。。
    TL5100Z、既に修理に出されていたのですね。たぶん純正ピックアップ在庫の有る無しと、色々ある互換ピックアップが音質や耐久性の面でまともに使えるかどうか?でも話が変わってくるんだろうと思います。問い合わせをされた場合は是非結果をご報告いただけると嬉しいです。
    うちのは酷使している割には18年間ピックアップ交換無しで正常動作していますけれども、いざとなったら稼働時間の少ないTL51Zのピックアップを移植してもらい、51Zには互換ピックアップでも良いかな~なんて。旧型ベルトドライブはベルト換装でも自分では分解交換しにくいのが欠点です。

  • おはようございます。
    Auraの修理は別々の時期で、五年くらい間が空いています。
    たしかに部品代はたいしたことないので割高ですが、修理に出したときには原因が特定できなかったので仕方がないものと納得しています。
    部品代がかからない場合、無料でメンテして貰ったこともあるので担当者によっても違うのかもしれません。
    TL-5100Zの修理も何か情報があったらお知らせしますね。

  • ありがとうございます。別々に出した場合は、作業内容的に二度手間でどうしても割高になってしまいますよね。複数箇所をまとめて直して貰う方が結果的に工賃が抑えられて助かりますが、修理の前後で多少なりとも音質は変わりますので、まとめて修理の場合、何を交換した結果、音がどう変わったのか個別に把握できなくなるのが難点だったり(^^;)

コメントする

CAPTCHA