Black Cat Cable Silverstar!75 デジタルケーブル導入記 後編 XOX75追加!

【Black Cat Cable Silverstar!75 デジタルケーブル導入記】
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Black Cat Cable XOX75は、S/PDIF同軸デジタルケーブル様に正確な75Ωを謳うBlack Cat Cableオリジナルの高品質BNC-RCA端子変換アダプタです。デジタルケーブル上位モデルのDigit75や30万もするTron Referenceでは標準付属しているプラグですが、普及モデルのSilverstar!75には残念ながら付属せず。変換アダプタだけでも単品価格が定価15000円(税抜き)ですので、コスト的に同梱しにくいだろうと思います。XOX75とSilverstar!75の2つを合わせてしまうと価格が4万円を超えてしまい、一般的なオーディオマニアの手に届く普及価格帯の製品では無くなってしまいますので(^^;)

Black Cat Cable XOX75

代理店のサイトを見るに未だディスコンでは無いはずですけれども、どうやら私が手にしたものは箱の木目からして、Twitterに流れていたオーディオユニオンに入荷した最後の一つだったっぽい(^^;) その後ユニオンではずっと売り切れのままになっていますので、再販を希望しますが今後はどうなるのでしょうね・・・。Digit75 MKⅡやTronには引き続き同梱されて入るみたいですが、本国のBlack Cat CableのHPからは単品販売が消えてしまいました。

XOX75 桐箱入り

Silverstar!75に付属のBNC→RCA変換アダプターは簡単に脱落するレベルで何故かユルユルでしたが、XOX75の差し込み具合はまぁ普通。小さな木箱に入っていて見た目はすごい高級感たっぷり。そして重いです。導通部は純銅に金メッキ。金メッキの輝きはやや?ですが、これもしかするとニッケルメッキが下地に入ってないのかも。四角いボディは削り出しの真鍮製です。

Black Cat Cable Silverstar!75 デジタルケーブル + xox75 BNC RCA変換プラグ

Silverstar!75に取り付けるとこんな風になります。ケーブルが細く軽いのに対して端子がかなり重いですので取扱には注意。低予算のローエンダー管理人としては、実売価格が5万円近いデジタルケーブル等というものは予算的に普段は視界からスルーしてしまうのですが、今回は変換アダプタが別売で結果的に購入が2ステップになってしまったが故に、逆に本来届かなかったであろうこの音質を手にすることが出来たみたいな感じです(滝汗)

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RCA-BNC変換アダプタ XOX75+Silverstar!75の音質

Silverstar!75付属の変換アダプタ(※直販の単品販売価格$14.95)に比べると、全域で解像度が高まり、ハイエンドオーディオ的な高級感を感じさせるサウンドに一気に変貌します。低域が充実しピラミッドバランス。聴感S/Nの大幅向上。金属プラグ特有のメタリックな光沢はほんのり乗りますが、滑らかな質感で決して固くはありません。真鍮的/金属的なキツさや粗さは皆無。音場空間はノーマルに比べてかなり広がるのですけれど、重心が下がるぶん上方向への開放感の部分ではやや抑制される印象もあるので、此処は出来れば更に広げたい。オーケストラは空間の奥行きや透明度が心地よい。特に後方空間の深度が深く、管楽器の定位が秀逸。楽器毎の輪郭が強調されないのも良い。上方向の広がりよりも下方向に深く安定する印象。元々位相感の良いケーブルですが、XOX75の追加で更に位相感覚が改善します。

高域
透明度高い、伸びが良くなるが大変滑らかで五月蝿くはない、上品な美音系。歪みっぽさは無い。潤いのある響きの滞空時間に耳を奪われる印象。たゆたう響きが綺麗すぎて、これはハイエンドアクセサリ特有の演出された付帯音では無いかという気もします・・・(滝汗)

中域
滑らかさ、輪郭滑らか。透明度高い。
ややメリハリは落ちる。表現は深いが、少しスピード感が足りず重ったるくなる場面も。

低域
低域の沈み込み、重量感に感銘。深い音がでる。ぬるっとしたタッチ。ゆったりしたサウンドのベルトドライブCDプレーヤーとの組み合わせのせいかどこかスローな印象。

XOX75の総評としては、等身大的な構成で空間が広がりつつ音場感が大きく改善される反面、音像は付属アダプタではピンポイントでタイトだったのが相対的に少し大きめになるかも。粒子情報的な音数は増えないのですけど、空間の透明度が上がった結果として演奏の細かなディテールと響きの減衰が良く聞こえるようになります。温度感もほんの少し下がり、加えて躍動感は少し削がれる印象があります。ホップな躍動感よりも音楽的な深みやディテールの細やかな表現と動きに耳が行くのでクラシック音楽向きか。オーケストラの出音に余裕が出て、大音量でも歪まず破綻せずに聴こえる。重量級のメタルプラグらしく、プラグが少しばかりエネルギーを吸ってしまうみたいで、共振が抑えられた結果として躍動感が僅かに削がれるところが欠点になりそうですが、導体のSilverstar!75側に躍動感があるのでトータルで音楽性のバランスが取れてしまう感じです。

Black Cat Cable XOX75 BNC RCA変換プラグ

Silverstar!75の導体とXOX75プラグの組み合わせであれば、音楽性と音質の綱引きが踏み留まっていて、音楽が失活することは無さそう。箱ピュアのメインシステムみたいな繊細さ重視でアンダードライブ気味のシステムの場合はバランス取りが難しいところではあるのですけれど、ハイパワー系~普通レベルのドライブ力のあるシステムでしたら殆ど問題にはならないと思います。このXOX75はプラグの音質的に支配力が非常に高く、もしかすると片側だけでも充分かも知れない・・・と思ってみたり。はっきり言ってしまうとSilverstar!75の本体よりもXOX75がより支配的なサウンドで、この音質傾向はむしろプラグが本体じゃないか!?といった印象に(^^;) 本来は上位モデルのDigit75や3Tron Referenceで採用されているRCAプラグですので、BNC端子の他社製のデジタルケーブルでもXOX75を使えばかなり大幅に音質向上してしまうのでは無いかしら?なんて。当初は変換アダプタ如きに1万円以上!?って及び腰でしたけれども、将来的な意味での汎用性を鑑みてもこれはかなりの掘り出し物でした。

XOX75 Black Cat Cable

個人的に感じる最大のメリットは低域の響きが質的高く充実しているために、精神性を感じさせる深い音がでる点です。管理人にとってクラシック音楽の再生で一番重要なポイントの一つが、この低域方向の深みが出るか?どうかだったりするのです。また、標準プラグで感じられる高域の妙な粗さも完全に払拭されます。ノーマルプラグに比べレンジは大きく上下に拡大され、ベールが掛かったような透明度の低さやS/Nの悪さはほぼ払拭されました。このまま行くと中村製作所のアモルメットコアを咬ましてみようかしらと考えていたのですけれど、これだけS/Nが良くなるのでしたら追加は不必要っぽいですね♪

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場合によっては片側のみXOX75にして、もう片側をHDXVやSilverstar!75のノーマル付属品や音質が良さそうなカナレ等の他社製BNC-RCA変換コネクタにするのも良さそうですし、躍動感を補うためにJ1 projectIDSコンポジット マテリアルTダンピングシートT-2010Jから切り出した小さい破片を少しだけ貼ってみるのも良いかも。(後日、Acoustic Revive QR-8を貼ってみました。)

Black Cat Cable BNC RCA変換コネクタ

XOX75のデメリットを敢えて挙げるとすると、これは個人的にはあんまりデメリットにはあたらないのですけれど、システム全体の音が元々ハイスピードでは無いのに更にスローな雰囲気になった点でしょうか(^^;)。リズムの刻みがウィーンフィルなVienna Acoustics MOZART T-2に、古めかしい初代ベルトドライブCDプレーヤーのCEC TL5100Z。更にプリメインアンプがTAG McLaren 60iと云うのろま3兄弟のクラシカルゆらゆら仕様が一層本領発揮してきた感じです(謎)

あらためてSilverstar!75のレビュー

旧モデルのデジタルケーブルStereovox HDXVのレビューのイメージから手持ちのHDSEと似たような音を想像していましたが、HDXVと設計世代の近いHDSEが、仄かに金気臭く虚飾の少ないライブモニタリング的なダイレクト感のある音だとすると、Silverstar!75にはうっすらと弾力感が加わり、ハイエンド的な美音系の演出感も感じますが、その辺りは薄化粧の範疇かな。

数週間のエージングを経ることで、新品当初に感じられた解像度の甘さや当初のもったりしたスピード感の遅さは徐々に改善されてきました。2週間で情報量も増えてきましたので、この点は経験上、半年もしたら全く問題無いレベルまで良くなりそう。(注:5ヶ月経過した今では、むしろ一つ一つの音のグラデーションがきめ細やかで情報量が多いケーブルだと思います。)XOX75との接続当初は、プラグの素材音によるマスキング効果でSilverstar!75の響きのデッドな側面を補ってくれましたが、エージングでXOX75の付帯音が落ち着くと、また導体側のモワッとしたテクスチャがやや気になるように。。。そこで前述のクォーツレゾネーターAcoustic Revive QR-8を引っ張りだし、DAC側のXOX75に一枚だけ貼ってみたところ、聴感S/Nが改善しつつ、潤いと端正さが加味されて程よい塩梅になりました。Acoustic Revive QR-8のレビューはこちら。

Silverstar!75の使いこなしについて

Silverstar!75は割と扱いの難しいデジタルケーブルだと思います。特定の帯域と音質を誇張するような強調感が全くないために、音質マニアが喜びそうなオーディオ的にインパクトのあるエッジの立った高解像ハイスピード系の高音質を期待すると、これはもう思いっ切り裏切られるでしょうし、逆にシステムのレベルが低すぎると寝ぼけた音しか出さないでしょう。Black Cat Cable製品に共通して言えることだと思いますが、聴感で良く追い込まれたシステムで、じっくりと音楽に向き合える人で無ければ真価がわかりにくい、オーディオ玄人向けのデジタルケーブルだと感じます。オーディオ的な意味での虚飾を排していく方向の、むしろ音楽愛好家に対しての説得力を持つ音作りですので、生の音楽への造詣や執着の無いデジタルオーディオマニアにはおすすめしません。15年前の私だったら、当時購入したStereovox HDSEの良さがいまいち理解出来なかったように、Silverstar!75の良さには気付けなかったと思います。

Black Cat Cable XOX75 rear

各オーナーの再生芸術に対峙する姿勢に加え、個別のDACやデジタルトランスポートが目指す音質とBlack Cat Cableの世界観が合うかも大切です。電源も含め、他で十分にS/N対策が練られていて、これ以上デジタルケーブル側で聴感S/Nを底上げする必要性が無く、また誇張されたオーディオ的サウンドにもう未練がない人のための1本だと思います。管理人のシステムの場合、Silverstar!75を導入した上でどう背景の聴感上のS/Nを維持するか?が課題になっていて、対策として思いついた一つの方法が空中配線にすることでした。このケーブル、後壁の壁紙や木製のラックに接触すると、それだけでかなりS/N感が悪くなります。

管理人のメインシステムはオーディオラックの裏に十分なスペースが無く、Silverstar!75の長さも1mとやや長尺という事もあって完全な空中配線は困難。普通に配線すると、どうしてもオーディオラック後部の何れか後壁に接触してしまいます。そこで考えたのは、1点だけ軽く接触させること、その接触部分の素材を金属にすることです。実は最初、壁に接触させないためにポリカーボネート製の洗濯バサミをオーディオラックの後部に挟んで其処へ引っかけてみたのですが、こうするとラックや後壁に接触させるよりはS/N感が良くなるのですが、ポリカーボネートの安っぽいプラスチッキー響きが乗るのが気になります。

XOX_Cable_Car_150x150_grandeこれだけ変わるのならと次にステンレス製の洗濯バサミを100均で購入して置き換えてみたところ、こちらの方がずっと響きが良い印象。いかにも共振しそうな薄いステンレス洗濯バサミですので、少々チャラけた金属の響きは乗ってしまうのですけれど。どうしてステンレスなのかというと、Black Cat CableオリジナルのケーブルインシュレーターXOX “CABLE CARS” CABLE LIFTER(何故か国内未発売)がステンレス製だから。ケーブルインシュレーター素材の選択肢は色々あると思いますが、個人的にもナチュラルできめ細やかな生成りの音がするBlack Cat Cableには、ステンレス等の金属製ケーブルインシュで響きを多少付加する方がバランスが取れるのではないかと感じてます。

更に今考えているのは、より響きが滑らかで共振が少なそうなブロンズやステンレスなどの金属製のふさかけ・・・タッセルホルダー(カーテンホルダー)を、オーディオラックの裏側にネジ止めした上で、そこに一点支持で引っかけてみようかなと。

新型Black Cat Cable Silverstar!75 MKⅡについて

実際に初代Silverstar!75を使っていて感じるのは、電気的な歪みを感じない自然な空間展開とはったりのない情報量や音楽性の高さだったりしますが、弱点をはっきり書くと、聴感S/Nがいまいちな点です。付属のBNC-RCA変換コネクタでは正直気になるレベル。XOX75と組み合わせた場合でも、S/N感は許容範囲に収まるものの高水準とは云えないかも。特に置き換え前に使っていたAcoustic Revive DIGITAL-1.0R-TripleC-FMがファインメットマルチノイズサプレッサーが入っていることもあって非常にS/N感に優れるデジタルケーブルでしたので、その部分ではSilverstar!75がどうしても後塵を拝している様に感じます。

しかし先日発売されたばかりの新型Silverstar!75 MKⅡでは、純銅の二次シールドと網組ジャケット追加に加え、上位モデルDigit75で先に採用されたRFI/EMI除去材の簡易版が追加されています。詳細は不明ですがファインメットとかアモルメットの類いでは無いかしら?な~んて推測してみる。外観も太くなり、モデルチェンジでがっつりS/N対策を取ってきたなという感じで、初代Silverstar!75で感じられるような上記問題はSilverstar!75MK2ではすっかり解決していそうな予感。ただ、シールドとノイズ吸収コアの多用は、音質やS/Nを改善する反面、空間の自然な開放感と楽器音のナチュラルな肌触りについて多少なりともトレードオフにしてしまう傾向はありそうに思うので、その辺りのバランスがどの様な塩梅に落とし込まれているのか、敢えて初代Silverstar!75を駆け込み購入した身としては色々と気になるところだったりします。

「しっとり滑らか。実にきめ細かなテクスチャ。馥郁たる薫りが漂う中に、その手の音にありがちな音像の揺らぎがBlack Catのケーブルには無い。」

と書かれていて色々納得してしまいましたd(^_-) このLupo MK2には手が届きませんけれども、同じく純銀単線の弟分で先日発売されたばかりのLupino RCAはいずれは手にしてみたいなぁ~なんて。

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そこで、追加でSilverstar!75MK2或いは上位モデルのDigit75に手を出してみる?って考えたりもしましたが、ここは何というか、機会があればクリス・ソンモヴィーゴ氏の設計の原点に戻り、90年代に設計されたKimberCable D-60が1本欲しいかったり(というか当時からずっと欲しい・・・)。20年以上に渡ってモデルチェンジをせずにロングセラーを続けているデジタルケーブルですから、今更時代遅れって言われそうですけれども、管理人は懐古趣味で現代の最先端トレンドの音質は正直殆ど求めていないので、むしろ古き良き時代のアメリカを感じられたらな~なんてね♪

~まとめ~

+For
虚飾の無い音楽性を求める音楽愛好家に
生成りの肌触りとはったりの無い自然な空間
75Ωの厳密な追求
低歪みで長時間リスニングにも耐えうる音
本来あるべき音楽の世界に入り込める

-Against
オーディオ的演出、誇張されたレンジ、ハイスピード、高解像度とは全く異なるベクトル
黒猫銀星の初代については聴感S/Nが良くない
変換プラグXOX75は別売 ※無いと価値半減

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