【Nordost RCAケーブル音質比較】
Red Dawn |Blue Heaven
アメリカ NORDOST社のRCAインターコネクトケーブルRed Dawn (形状的にたぶんRev.Ⅱ)。メインシステムでずっと使ってきたRCAケーブルですが、配線を変更しましたので久々にレビューしてみたいと思います。管理人はノードストのケーブルを今まで7本程所有しているにもかかわらず、実は一度もまともにブログでレビューしたことがありませんでした。ネタを放置しすぎてこのシルバーカラーのフラットラインシリーズはもう遙か昔に旧モデル化してしまいましたけれども・・・(苦笑)。
手持ちのインターコネクトケーブルの中でも、このNORDOSTの旧型フラットラインケーブルは風変わり且つ綺麗なデザインで見た目的にはかなり好きです♪ 導体は薄く平べったい99.999999% 8N OFC導体に60μの銀メッキを施した単線を平面上に20本平行配置にし、透明な薄いFEP(フッ素化エチレンプロピレン)で絶縁したもの。触るとそこそこ固く、また被覆が繊細で大変傷がつきやすく、強く曲げ癖を付けてしまうと元に戻りませんので取扱には細心の注意が必要。ちなみにNORDOSTのケーブルは全て米国のマサチューセッツ本社で生産されています。
NORDOSTはValhalla 2やODINなど、一組みで百万円以上もするスピーカーケーブルや電源ケーブル等々がハイエンドオーディオ界隈では大人気なのですけれども、もちろん管理人が使っているものはそんな異世界ジャンルのケーブルでは無く、ノードストとしては下から数えて2番目か3番目くらいに相当する一般オーディオマニア向けシリーズです。ただ、低価格クラスと云ってもそこはあくまノードストの基準ですので、管理人が持っているRCAケーブルの中ではこのRed Dawnでも一番高級な部類だったりします。
ちなみにRed Dawnの意味は赤い夜明け。このネーミング、当時はアメリカ映画「レッドドーン・・・若き勇者たち」ですか?な~んて思ってたのはここだけの秘密。この映画も2012年にいつの間にか仮想敵国がソ連ではなく何故か北朝鮮になってリメイクされてるのですね(^-^;)
Red Dawnに採用されているリヒテンシュタイン公国製NEUTRIK(ノイトリック)のRCAプラグProFi NF2C-B/2は、高品質プラグとして性能に定評があるものの、と~っても挿しにくいのが難点。厳密に正確な角度でなければRCA端子にサクッと刺さってくれないため、オーディオラック裏へのブラインド配線では毎回10分くらい格闘させられます(涙) コンタクト感はしっかりしているので、これはもはや品質の高さとのトレードオフですね。ランクの低いBlue HeavenのRCAプラグは抜き差しが簡単なのですけれども。。。
Red Dawnは元々TL5100Z PCM1702⇒TAG McLaren 60iへのアナログ直出しのメインケーブルとして使用してきたのですが、今回、LUXMANの真空管ハーモナイザーをTL5100Zのアナログ出力に咬ませる為の配線変更が必要になり、0.6mのRed Dawnがラックの上に置いた真空管ハーモナイザーからプリメインアンプ間では僅かに長さ不足で配線出来ず。
管理人のメインシステムの場合、CD再生で使っているメイン経路は、C.E.C TL5100Zのアナログ出力直出し@Red Dawnではなく、TL5100Zのベルトドライブメカをトランスポートにして、同軸デジタルS/PDIFをDAコンバーターのCI AUDIO VDA-2 DACに繋げ、そこからプリメインアンプのTAG McLaren 60iに繋げる形にしています。こちらは0.6mのRCAケーブルでも届きますので、今年前半DACに使ってきたStereovox HDSEをLUXMAN真空管ハーモナイザーに回し、替わりに60㎝のNORDOST Red DawnをCI AUDIO VDA-2 DACに繋げてみました。
ちなみにCI AUDIO VDA-2はアナログ出力が2系統ありますので、Red Dawnともう片側のRed Rose Music 1934とを並列で繋げ、任意で切り替え使用する形になります。(注:この方法は双方のケーブルの音が完全に別々になる訳では無く、アースラインや震動干渉である程度混じります。) 言葉で説明すると難しいですが、要するに同じベルトドライブCDプレーヤーからプリメインアンプに3系統の異なるRCA信号ラインが接続されていて、音源や気分に合わせて3種類の違う音質をセレクト出来る様にしています。
CDP ⇒ アナログケーブル ⇒ 真空管ハーモナイザー ⇒アナログケーブルA ⇒ プリメインアンプ
CDP ⇒ デジタルケーブル ⇒ D/Aコンバーター ⇒ アナログケーブルB ⇒プリメインアンプ
CDP ⇒ デジタルケーブル ⇒ D/Aコンバーター ⇒ アナログケーブルC ⇒プリメインアンプ
※詳細については後日CI AUDIO VDA-2のレビューページであらためて掲載します。
ややドライ傾向のStereovox HDSEに比べ、一聴して残響成分が多くなり潤いが出ます。音質的には軽く2ランクは上。Red Dawnと比べてしまうとHDSEの音は相対的に明瞭度が低い印象は否めません。上下左右・・・特に後方への音場定位の精度が高まり、音域がハイスピード且つフラット展開になりますが、やや音色が暗く頭が重くなる印象。ハイ上がりではありませんが、低域方向はソリッドでボリューミーではありません。単線的なやや硬質で滑らかなトーンの統一感はありますが、銀コート線らしい明るさは皆無です。音像はスリム且つタイトですがエッジの強調感はありません。音楽的にはやや冷めた傾向で躍動感は控えめですが、陰影表現はなかなか得意。HDSEで得られる肌触りのナチュラルさやのどかな闊達さなどの陽性の表現はかなり後退します。
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薄い無色透明のFEP絶縁のみで、8N銅にシルバーコーティングされた平行単線の中身が透け透けの、ほぼノンシールドに近い構造ですが、見た目ほど明るく開放的なサウンドにはなりません。その代わり、シールドが無いにも拘わらず聴感S/Nが素晴らしく良好です。音場内での間接音成分・・・ホールトーンやエコーの響きがかなり多いのですが、その響きに直接音の音像が埋もれる事は無く、弦のビブラートやピアノ線のうなり、打ち込みのエフェクト、アニメの背景音の暗騒音などは際立って明瞭且つ正確に聴こえます。高域方向の解像度が高いため、設計は20年近く前のケーブルですけれども、今時のハイレゾサウンドにこそ生きるクオリティ。正直に云うと解像度が低めのTL5100Zのアナログチックな音質では、Red Dawnのせっかくの明瞭感を充分引き出せてるとは言い難いのですよね。
弱点は音楽性の面で、陰影・・・特に影の部分の色彩グラデーションが豊かで深い表現はかなり得意なのですけれども、生真面目すぎて、どこか目頭を圧迫されているような違和感が付きまといます。何というか、冷たくツルッとした響きが御影石ボードに似た傾向でもある(苦笑)。ただこれはTL5100Zから直に繋げていた間には全く感じませんでしたので、単純にCI AUDIO VDA-2 DACとの相性かも知れません。米国的と云うには上品な独特の色彩感と文化的な漂う空気感がありますので、決して日本的な色彩感に乏しいつまらない音色ではないのですが、音響的な空間位相と空間解像度の演出にやや過剰にこだわっている感じがするのと、音楽の中のある側面だけを切り出している印象は否めないかもです。とは云え極めて実直な意味で音質が良いのは事実。ずっと管理人のシステムではオーバークオリティ気味ではありましたが、やっと時代がNORDOSTの音質に追いついてきたような気がします。
Red Dawnシリーズは現在ではLSモデルにモデルチェンジされ、RCA及びバランスケーブルについては平行フラットラインを廃止し、スピーカーケーブルとは異なる一般的な単線構造(6本)になっています。
長くなってきたので後半はは別ページで。管理人が同じく愛用している下位モデルBlue Heavenとの音質比較と、先日製作したLUXMAN真空管ハーモナイザーとの相性を検証してみます。
NORDOST Blue Heaven”ブルーヘブン”とRed Dawn”レッドドーン”の音質比較♪に続く。
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