数年前に暫く使っていたスイスEnsemble社のスピーカーケーブル HOTLINEです。今でも後継モデルが色々とあるのですが、いつのまにかEnsembleの製品って日本では売られてないですよね。90年代半ば?の高級オーディオケーブル黎明期の製品で、当時の価格はたしかこの2mペアで税込み6~7万円くらい・・・正確な希望小売価格は忘れてしまいましたが、新型が今入ってきたら○十万とかしそう。ホースのような質感でとにかく太くて重いです。
アンサンブルはかのゴールドムンドとも繋がるハイエンドブランドという事もあってか、同社のスピーカーケーブルHOTLINEはもの凄い個性的な音質で、これを繋ぐと空間情報量の多さにスピーカーから音がオーバーフローしてくるような印象です。
今時の超クリアで上下にワイドレンジな空間表現とは趣が違って、多少圧縮された帯域の中に豊潤で濃密な音が溢れ出る感じで音像はすこし大きめ。中域から超低域にかけて押し出しが強く、音楽的にきわめて活き活きとした弾力とエネルギー感を備えていました。オペラの肉感的な表現とかエロすぎて異常。 ただ、これはEnsemble社のスピーカーなど製品全般に通じる個性だと思うのですが、楽音帯域の中域以下は恰幅良く、音が太くてわ~っと来る反面、高域、というか可聴帯域最高音域から更に外くらいの超高域が繊細で極めて神経質なのですね。良く言えばスイスの冬の空気を想わせる澄んで凍てつく肌触りの高域なのですけれども、聞いていて耳が疲れるし、寒気がするのです。
なんだろうな~悪く例えると、あの欧米人独特の、外面は超フレンドリーに恰幅良く迫ってくるのに、よくよく付き合うとシビアでロジカルな超差別主義者?みたいなめんどくさい音がするんですよねこれ…。。それでも、パーツ精度が高くオーディオシステムの高域に嫌な歪みを含まない超ハイエンドシステムでしたらHOTLINEの音作りで大丈夫なのかも知れませんが、組み合わせる機器とアクセサリーがエントリークラスからミドルクラスに行ったり来たりの半端な箱ピュアシステムでは、この高域~超高域の神経質さをどうしてもコントロールできずに持て余してしまい、結局ELAC FS247SE使いの知人に差し上げてしまいました。FS247SEにはどうやら合ってたみたいで、向こうのテンション上がりまくりで良かったという♪ でも初期型のVienna Acoustics Mozart T-2にはやっぱりSILTECHの純銀単線FT-12G3の方が合うっぽい。(でも、eBayやヤフオク!などのオークション等で安価に売られているSILTECHのケーブルは9割が模造品ですのでご注意くださいね♪)