ロジウムそれとも金メッキ?オーディオ端子のメッキと音質について考察してみる。

【バナナプラグやYラグ端子はピュアオーディオに不必要?】
前編後編|メッキの音質|AT6301バナナプラグ音質比較

オーディオ機器の電気接点、電源プラグとインレットRCAピンケーブルやXLRバランスケーブル、デジタルケーブル等の各種接続端子、スピーカー端子等の接続プラグ類の金属接点部分は、殆どの場合、導体の銅や真鍮の接触面に何らかのメッキが施されています。(※本来、正しくはひらがなで”めっき”だそうです。英語では”plating”プレーティング)

ヘッドホンプラグ

家電製品含め、銀色の一般的な電源プラグやインレット、機器背面のRCA端子の多くは電解ニッケルメッキが採用され、次に音質に拘る信号経路で多いのが金メッキ・・・これは見れば判りますね。その他に、一部の海外製電源プラグとインレット、昭和の古い壁コンセントやACタップなどでは、メッキが施されていない無めっき銅や真鍮(五円玉色)の場合もあったりします。

銀色ニッケルメッキは安価で大半の電源や信号端子部分に採用されていますが、湿気と埃を含む汚れた大気中での経年劣化により、酸化して徐々に白くくすんできます。それに対して多くの高級オーディオ/ビジュアル機器やケーブル接続端子に採用されている金メッキは、耐腐食性に優れ・・・長期に渡り酸化せず、安定して伝導率が高く保たれるため、オーディオ用途に相応しいとされています。厳密にはメッキされている金の純度やメッキ圧によっても、耐蝕性能や音質に差があると言われています。

赤白黄 標準AVケーブル
標準的な機器付属ケーブル

更に近年ではロジウムメッキが登場。見た目は銀色でニッケルメッキよりも更に光沢が美しく、一部のハイエンド製品、特に高級オーディオケーブルや電源ケーブル用の端子や壁コンセントなどのアクセサリに積極的に採用されはじめています。更にそのまた一部パーツでは、下地処理に一般的なニッケルを使わずシルバー…銀メッキを施したり、ロジウム以外にも白金(プラチナ)パラジウムメッキ、更にはルテニウムメッキなどを採用しているプラグやコネクタ、各種オーディオアクセサリーが登場し始めました。もはや文字通りのアクセサリー、宝飾品の世界ですね(^^;)

ロジウムめっきプラグやコネクタの登場により、ハイエンドピュアオーディオ界隈では、金メッキとロジウムメッキのどちらが良いか?或いはむしろ無メッキが良いのか?などと愉しみつつ喧々囂々だったりしますけれども、これはもう特性は別にして、聴感上は本当に好みの世界。両方共、ニッケルに比べて酸化による経年劣化には強いですが、そもそも電気伝導率が高いのは無メッキの銀と銅(但し酸化して無ければですが・・・)。次点が金とアルミニウム。長期的な耐蝕性、表面酸化等の影響を加味した場合の信頼性と安定度は金(ゴールド)が一番でしょう。

ロジウムの導電率はニッケルよりもマシですが、所詮は金の半分以下(銅や銀の1/3)ですので、高価であっても電気的には劣っている素材。だから、ロジウムプレーティングによって電気抵抗が下がって導通が良くなる訳では無かったりします。(尚、銀は電気的に最も優れた素材ですが、プラチナもパラジウムもルテニウムも電気伝導率ではニッケル未満の素材です。)

それでも管理人は今のところ限定的使用に於けるロジウムメッキ肯定派かなぁ。。。金メッキは昔から汎用されているぶん品質にバラツキもあり、純度が低くて色が変だったり、金メッキ厚のぁ ゃι ぃ安物端子やプラグが巷に沢山ありますけれども、ロジウムメッキを敢えて製品化している数少ない商品は、今のところ、工業製品としては一応・・・それなりに信頼できる高品質なものが多いですので。。。たぶんw。ただロジウムめっきも実際にはピンキリ。下地が安価なニッケルメッキの場合は電気科学的腐食が起こりやすく、高品質なものではダイレクトメッキ及びパラジウムや、銀、金などを中間下地に使うようです。

とりあえず、ロジウムメッキがある高価なオーディオグレードのプラグ端子は、その多くで同時に金めっきバージョンも製品化されていますから、システムの音質バランスや皆様の好み如何で使い分けてみましょう・・・みたいな(^^)ゝ。ちなみに管理人的には製品数は少ないものの銀メッキ(もしくは純銀)の音質が実は一番好みだったりします。

o-greenバナナプラグの金メッキ,銀メッキ,ロジウムメッキによる音質差を比較してみた

聴感上、金メッキは楽音帯域の音質とバランスに優れ、仄かにウォームでソフトで滑らかな傾向、ロジウムメッキはクールで分解能・解像度が高まる傾向などと言われますが、一部オーディオマニアの中には、固有の付帯音、色付け感があるメッキそのものを毛嫌いする人もいらっしゃいます。昔どっかのオーディオ店で私が安易にメッキに頼る点についてお説教されたことがありました。゜゜(´□`。)°゜。

金メッキプラグ ステレオミニミニ FiiO L16
金メッキ ステレオMini to Mini

一般的な電源プラグなどのニッケルメッキについても、わざわざ金ヤスリで削ってメッキを剥がすのがベターなのだそうです。端子がニッケルメッキされた機器付属グレードの単なるキャブタイヤ電源ケーブルでも、めっきを削って剥がすことで歪みが減り、エネルギッシュなリアリティの在る音になるそうです。店頭で試聴させて貰いましたが、確かにその通りとは云え、バランス的に低域押しで高域が丸まる感じが私は余り好みじゃ無かったり・・・。不要なキャブタイヤACケーブルがあれば簡易なDIYで出来ますので、手間を惜しまない方はトライしてみるのも一興かも!?d(^_-)

個人的には無メッキの銅臭いまったりゴリッとしたエネルギー感のあるサウンドも、これはこれで素材の固有音の成せる色付けなのでは~?と感じますので、メッキ無メッキ適材適所、ようは組み合わせの匙加減次第、皆様お好みでどうぞ♪というスタンスです。銅も純度や素材(ベリリウム銅やテルル銅等がある)で随分キャラクターが変わりますし、低域とエネルギー重視なら無メッキ、解像度と高域重視なら高品位メッキを使い分けて・・・みたいな感じでバランスを取るのが良いかも。ゴールドプレーティングは、、、なんとなく一番耳当たりというか生理的に体に優しい音がする・・・気がしていたり(滝汗) ちなみにオーディオ向け金メッキ製品でもっともメッキ品質が良いのはORB製品だと思います。管理人も相当数の金メッキORB製品を導入していますが、輝きがヌメヌメしていて惚れ惚れします♪

それから、蔑ろにされているニッケルメッキが音質的に必ずしも良くない訳ではありません。金メッキやロジウムメッキ・・・etcなどと云っても、そういったパーツの多くは下地にニッケルメッキが施されています。※そうでない場合はaeco製品のように高品質ダイレクトメッキであることを敢えて表記していると思います。銅や真鍮のカラーレーションを、ニッケルメッキや、はたまた(回路やハンダの)スズメッキが程よく中和してくれると云いますか、オーディオ機器の多くはそもそも色々な金属をメッキや導体として多用した部品や端子で構成され、その前提で音作りをされている訳ですから、変にバランスを崩したくなければ、部分的なニッケルメッキをそのまま受け入れるのもありかな~と。オーディオグレードの製品でもPS AUDIOの電源ケーブルやコンセントなどは多重研磨ニッケルメッキが敢えて採用されていたりしますし。

ニッケルメッキの音と金メッキの音質の違いは、ヘッドフォンの多くに、イヤホン用のミニプラグと標準プラグのステレオ変換プラグがあると思うのですが、ニッケルメッキのステレオ変換プラグと金メッキの変換プラグとを差し換えて聴き比べてみると判りやすいです♪。プラグの素材と品質が同等であれば、ニッケルプレーティングに比べ、ゴールドプレーティングは聴感上のレンジと空間が広がり、少し華やいで音楽の表情も滑らか且つ豊かになると思います。↓は管理人が愛用しているFURUTECH F63S-G。

特に海外製のAKGやSENNHEISER、ベイヤーなどのせっかくの高級ヘッドホンを使われている皆様の場合、ステレオミニ⇒標準変換プラグが付属品の安物銀プラグでは勿体ないですので、FURUTECH F63Sでも、audio-technica GOLDLINK Basic AT3C1Sでも、JVCケンウッド AP-301HFでも、お好きな金メッキのステレオ標準変換プラグに交換されることをお薦めしします。(※プラグの底面・・・ミニジャック側の挿し入れ口が平らになってない場合、ミニプラグの形状によっては奥まで入りませんので、変換プラグ選びには注意して下さい。)

フルテック F63-F63S

あと一つ、これはあくまで科学的裏付けが全くない箱ピュア管理人の毒電波理論なのですけれども、オーディオの信号経路の導体は、純度や電導率云々よりも、抵抗値や固有振動の異なる色々な素材を上手に組み合わせた方が、色彩豊かで立体的な響きの音になる・・・なんて妄想毒電波を飛ばしてゆんゆんw

これは高校生時分にはじめて購入した高級オーディオケーブルで、未だに愛用しているISODAハイブリッド・ケーブルで強く感じたことでもあったり。。。イソダケーブルは導体に銅/真鍮/アルミニウムと3種類の芯線を撚り合わせた特殊なオーディオケーブルで、銅・・・カッパー線固有の色つげ感、カラーレーションが感じられない、立体的な響きのとても爽やかな音がします。素材によって異なる固有振動を打ち消し合うという発想です。

イソダケーブル

ウォームでマッタリとした、例えるとセピアモノクローム調のカッパー線の音色の癖を軽減するために、多くのケーブルメーカーでは、純度や製法、直径が異なる銅素材を複数組み合わせたり、銀メッキという手法がとられていますが、これはこれで高域に銀線特有の艶が乗ったりで、銅/真鍮/アルミニウムのハイブリッド線の持つ、より透明に近い薄い色味のグラデーションとはだいぶ違う音なのです。

銅とアルミニウム(アルミロイ)の二種導体ではアメリカJPS Labsのケーブルがありますが、初期に輸入されていた単線の青くて細めのRCAケーブルを聴いたのみですが、あれはまた全く違う方向性の切れ味鋭いシャープでタイトな音で、ピンポイントで刺し込む高域に耳、耳ぐぁぁぁ!となってしまい私は遠慮させて貰いました。。使いようによっては凄い効果があると思うので、英語が出来JPS Labsの現行製品にご興味がおありでしたら個人輸入してみるのも手かと。(本来はAudio Referenceさんが代理店ですが、古い製品在庫があるのみで現行製品は取り扱い休止されているみたいです。でも依頼すれば価格応談でお取り寄せしてくれるかも知れません。)

JPS LABS 高音質ケーブル

~まとめ~

このような経験と超電波理論的な観点wから、信号経路に銅、金、銀、錫、真鍮、アルミニウム、ロジウム、パラジウム、ルテニウム・・・etcが色々と適当に混ざっていた方が、響きに多様性が生まれ、カラフルになって心地よいというのが僕個人の実感です。時に音色がキラキラとザワつくとか艶が出すぎるとかで嫌がる方もいるかとは思いますけれど、そこはあくまで好みとセンス、さじ加減の妙として愉しんでしまうのも、ピュアオーディオの醍醐味であり、スタイルじゃないのかな~なんてね♪。(※音を脳内で色としても視覚的に認識してしまう奇特な輩の戯れ言ですので、意味不明な場合はスルーしてやって下さいましましm(__)m)

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コメント一覧 (1件)

  •  オーディオと全く無関係な乾燥で恐縮ですが、当方機械製造業で金属加工の仕事の仕事に従事しているため、めっきや金属の電気的特性に関する記述がとても勉強になりました。尚、真鍮あるいは銅と金鍍金の間にニッケル鍍金を挟むのは、銅と金はなじみが良すぎて接触面が合金化するためだと鍍金業者の方に教わったことがあります。

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