【QUAD L-ite2 英国製超小型ブックシェルフスピーカーのレビュー】
序章|前編|後編|シングルワイヤ|バイワイヤ|疑問|ジャンパー
箱ピュアのサブシステムCですが、2013年8月現在はこんな組み合わせになっています。スピーカーは英国の老舗オーディオメーカーQUAD L-ite2(Lite2)。実はつい先日導入したばかりでして、まだバーンイン(エージング)の途中だったりします。QUAD L-ite2を箱ピュアブログで取り上げて早5年。QUAD 11Lから遡ると8年、かな~り今更感が漂いますが、遅ればせながら、箱ピュア管理人もQUAD使いの仲間入りをさせて貰いました♪♪♪⇒本国QUAD公式サイト。
ちなみに繋がっているシステム(サブシステムC)は、プリメインアンプ EMF Sequel2、CDプレーヤー CREEK CLASSIC CD Player、FMチューナー DENON TU-1500N、FMアンテナDXアンテナ US100Aの構成になります。QUADのLシリーズがL2シリーズになる以前から、L-iteか9L2をCREEK中心のサブシステムCと組み合わせてみたいなぁ~なんて考えつつ、5年も前にこんなエントリを書き綴っていた訳ですが、ふと気付けばそのL2シリーズも既にディスコン気味。
今更ですがQUAD L-ite2導入の経緯
イギリス本国では生産終了してるのか、日本でも販売店と代理店のロッキーインターナショナルさんに在庫がある分のみになるのかな・・・?気付いたら上位モデルは殆ど売り切れていて、最も小さいL-ite2くらいしかもう残ってません。もしかするとQUAD Lシリーズの後継機ってそろそろ出たりするのでしょうか?このままのスタイルを踏襲してL3シリーズが出たらそれはそれで個人的には嬉しいのですが、さすがに新設計の全然違うラインナップになったりして・・・。な~んて考えていたら、無くなる前にここはひとつクラシカルな逸品を確保しておかないとぉ・・・という事に。
QUAD L-ite2を選ぶにあたり、購入前の店頭オーディションでは、セレクタと細くて超絶長い安物スピーカーケーブルを介した並列環境で試聴したのみです。その時の印象をまとめると、11L2や12L2と比べて音色はほぼ同じながら、小口径のウーハーで低域に余裕が無く、入力に比するツイーター側の負担が大きくなる分、高域の雑味感が高い点などです。L2シリーズになってからも一通りATOLL IN100SEやDENON PMA-SA11等のプリメインアンプを繋いで試聴はしたのですが、肝心のCREEKとの組み合わせについては相性も含めて不明でした。CREEKと合うと考えたのは、過去の箱庭ピュアオーディオブログへの皆様の書き込み+経験則的直感からでございまする♪
QUAD L-ite2を導入した狙いは、現代的でハイスピードレスポンスな高音質よりも、濃厚なブリティッシュサウンドの再現にあります。うちはメインシステムが、音場スケール大きく響きが豊潤で深い芸術的なサウンド。ONKYO A-1VLを使うサブシステムAが現代的でシャープでハイスピードな透明感。CREEKのサブシステムCがレトロでクラシカルなブリティッシュサウンド、ARCAMとMiuaudioのサブシステムMがライトな薄味ヨーロッパサウンド、ELACのデスクトップPCオーディオが良く言えばwモノトーン調のアバンギャルド風。カーオーディオがBLAM×FOCALのフレンチサウンドetcと云った感じで、敢えてそれぞれの音質的趣向を変えているのですが、CREEKのサブシステムCのに合わせるスピーカーについてはイマイチしっくりしたものに出会えず、ここ2年は消極的選択でaudiopro Image12を繋げていました。本来ハイスピード高解像度が身上のaudiopro Image12にとって、CREEKとの組み合わせはさぞや不本意だったろうと思います。今回のQUAD L-ite2は、その置き換え且つ、本命の組み合わせになります。
QUAD L-ite2のカタログスペック etc・・・
・形式:2ウェイ/ブックシェルフ/バスレフ型/防磁設計
・定格インピーダンス:6Ω
・パワーハンドリング:120W
・ドライブユニット:2.5cmソフトドームツィーター/10.0cmウーファー
・周波数特性:70~28.000Hz(±6dB) 再生限界32.000Hz/-10dB
・クロスオーバー周波数 2.200Hz
・出力音圧レベル:86dB
・寸法 (H)226 x (W)135 x (D)160mm (注:端子除くキャビネット実寸150mm)
・重量:2.8Kg/1台 (これは実測してない。本国記載無し。)《代理店公式ページから商品情報をまるっと拝借しようとしたんですが、細かい数値が色々とQUAD公式と違っているので、本国カタログと実寸からいくつかを修正転載。》
音楽エッセンスを一気に凝縮。モニターテーブルポッド・スピーカー [L-ite2 Series]
上位モデルと共通の本格システム並みの高品位ドライバー搭載
シルクドーム・ツィーターにはネオジウムマグネット、 ウーファーには樹脂含浸を施した軽量かつ高剛性でハイスピードに耐えるケブラコーンを使用しており、 このサイズながらファンダメンタルの面では中域を中心に心地よいバランスで、すべてのジャンルに適しています。 メインシステムとしてはもちろんのこと、ホームシアターのメイン/リア用など、様々な音楽シーン演出の場で活躍します。クラスを超えた豪華な外装仕上げ
http://www.rocky-international.co.jp/quad_index.html
エンクロジャーは15mm&25mm厚のMDF。無垢のツキ板に7回もの塗装と研磨を繰り返すというクオード社独自のハイグロス・フィニッシュで、3種のカラーバリエーションをご用意しています。屋外では手軽に聴けるMP3などのデジタルオーディオプレーヤー全盛の今だからこそ、 “室内では「中途半端なサウンド」で音楽を聴きたくない”という発想から開発に取り組みました。スモールサイズだからこそ素材選択には細心の注意をはらい、本格システム並みのマテリアルを採用しています。
公称スペックから読み取れるQUAD L/L2シリーズの特徴の1つが、この種のオーソドックスなブックシェルフスピーカーの中では珍しく、クロスオーバーが2.2KHzと低めな点です。即ちツイーターユニットへの依存度が高い。そしてサイズの割に下が70Hzはなかなか頑張ってる。数字上は高周波特性も良好。あと、実物が届くまでウーファーがケブラーコーンなことを実は知りませんでした。安物にありがちなポリプロピレンにカーボン混ぜてエンボス加工してるのかと思ってました・・・(^^;)。B&WやFOCAL/JMlabなど、今は手持ちにケブラーコーンのスピーカーがありませんでしたので、これはちょっぴり嬉しい誤算です。そういえば、カラーバリエーションについては当初はブラック/ローズウッド/チェリー以外にも、シルバー/ホワイト及びバーズアイメイプル仕上げがあったと思います。
先代 QUAD L-ITE(無印)とL-ITE2の違いについて
実は何が違うのか購入前に理解できていなかったのですが、届いたものを良く見ると、ツィーター&ウーファー共に上位のL2シリーズ同様、新設計ユニットに仕様変更されていました。無印とL2の相違点として、シルクドームツイーターのプラスチックフレーム面の形状が糸巻き型に変更されてます。これ、実機が届くまでわっちは気付かなかったんでありんす。。。なにせネット上の商品画像は全て無印のL-iteのものばかりでL-ite2の画像は何所にもありんせん。ロッキーインターナショナルの代理店公式ページですら、スピーカーグリルを被せた画像だったり(・・・たぶん無印L-iteの使い回しではないかとw)。
つまるところ新型L-ite2は上位の9L2と同一、11L2&12L2とは共通設計の25mmシルクドームトゥイーターが採用されています。キャビネットの仕上げや外寸その他の数値スペックなどは全く同じ。L-ite2の方が見た目にやんちゃでHi-Fiっぽいですが、ツイーターとウーファーユニットがバッフル上でセパレートしてる無印L-iteの方が、上品でシンプルなデザインで筆者的には好み。L2シリーズは(上位モデルもですけれど・・・)バッフル面でツイーターとウーハーの黒いフレームがセパレートされずにくっついているのがデザイン的に気になります。ですが音質の評判はL2シリーズの方が良い。解像度も上がったみたいでL2モデルになってから例の高域キンキン問題もさっぱり言われなくなりました。
届いた箱を開けてみると・・・
今回購入したのはハイグロスチェリー。これは載せるタンスの色に合わせてのチョイスです。ここだけの話、QUAD Lシリーズは以前から黒檀やローズウッド仕上げの方がより高音質だと云われていますが、これは外側の仕上げで貼られている薄いツキ板の素材違いで、音色が微妙に変わるという意味でもあります。そうですね、木管楽器にも使われる黒檀はタイトで響きがクリア、ローズウッドは響きに味わいがあってアコースティック。これがチェリーウッド仕上げになると少し柔らかめの音色になると推測。。。この際ローズウッドでも良いかと思ったのですが、リビングにあるウィーン・アコースティックのシックなローズウッド仕上げとは違い、店頭で見たところ割と本気で高級感ある光沢ワインレッドでしたので、部屋で浮いちゃうかもなんて。。。
届いた箱を開梱してみると梱包が厳重でびっくり(@_@;)。ハイグロスのピアノ仕上げを保護するためか、発泡スチロールの中にビニール袋。ここまでは普通として・・・更に白い布袋に入れられて乾燥剤まで入ってます。英文説明書も白黒安紙では無く、フルカラーの商品カタログスタイルで豪華。こんな所にコスト割いてどうするん・・・(^^;)。加えてスピーカーに指紋が付かないように綿手袋も同梱されています。綿手袋はそういやaudioproのスピーカーにも入ってました。日本人は細かいと言われますが、案外、潔癖性の度合いはヨーロッパ製品の方が色々と上を行っているように感じます。ちなみにQUAD Lシリーズ/L2シリーズの生産は中国。QUAD使いの皆様には既知の事実ですのでまぁ知ってましたけど。これだけの仕上げをイギリス国内だけでやったら値段が3倍くらいになるのかも。
7層ハイグロスの仕上げはご存じの通り本当に奇麗。ツキ板も本物ですので箱毎に木目が違います。テカテカの光沢は30万くらいのスピーカーかと一瞬勘違いしちゃう仕上がりの美しさ。ただしスピーカーグリルを外して見えるドライバーユニットは少々プラスチッキーではありますけれども(苦笑)。このネットグリルもまた、厚みのある木製で布の質感も含めやたらと上質な仕上がりのものですが、Hi-Fiを追求される皆さんは当然外して使うよね~?なんて考えつつ、ネットグリルの有り無しで音を少し比べてみたのですが、まだエージングが進んでいないこともあるかも知れませんが、グリル付きの方が、木枠とサランネットの質感が乗るのか、よりアコーステッィクなブリテッシュサウンドっぽくって好みかも~なんて(@_@;)←いまのところですが。※追記:エージングが終わってからは結局グリル無しで使うようになりました。
L-ite2とL2シリーズ上位モデルとの違いですが、ウーファーユニットの口径が小さいだけで、キャビネット、ウーハー、ツイーター、ネットワーク、リア端子など、シリーズで同一素材の共通部品が使われているようです。一回り大きなQL2とはキャビネットのサイズ以外ユニットすらも共有。この辺りの量産コスト的に、何れも最下位のミニマムスピーカーが最もお買い得なのはブログで何度も書いてきている通り。低域方向のレンジや音量はキャビネットのサイズなりですが、パーツ品質が同じであれば、音質的な品位は上位機種とバランスこそ違えど本質的に変わらないとも云えますので。(QUAD L-ite2 英国製超小型ブックシェルフスピーカーのレビュー※後編へ続く。)
【QUAD L-ite2 英国製超小型ブックシェルフスピーカーのレビュー】
序章|前編|後編|シングルワイヤ|バイワイヤ|疑問|ジャンパー
コメント一覧 (5件)
pastelさん こんばんは。(…というには微妙な時間。。。)
とうとう!!QUAD導入されたのですね☆ レビュー楽しみ~にしています。
私も量販店でL-ite2を試聴し候補にしながら…パステルさんの過去エントリ同様、9L2が気になってしまって。中古サイト、オクをぶらぶらしています。
L-ite2足元のインシュレーターも合わせて導入されたものでしょうか?。
寝られなくて起きてます。深夜なのに31度・・・あづい・・・。
インシュレーターはオンキヨーのAS-258です。
https://www.audiostyle.net/archives/51870176.html
セッティングする時に余ってたのが目の前に転がっていたからで選択に特に意味はありません。エージング中の印象としてはオーディオテクニカのインシュレーターの中から、一番合うのを選ぶのが良さそうです。
このスピーカー、気付いたのがつい数時間前なんですが、QUAD Lシリーズの例のキンキン問題の所以がやっと判りかけてきました。無印11L/12L程ではありませんが、どうもツイーターにナーバスな気が有って、普段お聴きのジャンルによってはろくでもないことになり得ます。クラシックは大半大丈夫そうですけれども。たぶんバイワイヤリングのコントロールでどうにかなりそうな予感がしてますが、上手に解決するためには結構テクニックが要りそうです。
ヤッパQUADかっこいいですね
えぁは音はいいけど顔がぶちゃいく・せめてBEだったら……
パステルさん、こんにちわ!
少し前の記事にもコメントをいただきありがとうございました。
クオードいいですね。私も、現行モデルの中ではいい出来だと思います。
なにかこの道?に入ると、全然、新モデルがよいとは限らないことがわかってきますので、もう古今東西のモデルが全て選択の対象になってしまうんですよね。
クオードのCD77も一時期5年くらい持っていましたし、クオードの44シリーズ(プリとパワー)の導入を一時期検討して自分のシステムのスピーカー(プロアックのタブレット50とインフィニティのテシマル)につないでみましたが、いまいち相性が悪いようでアンプの導入は諦めました。その後に、ネイムのナイト2とリンのクラシークKを比較して、テシマル用にネイムを購入したんですがね^^?
スピーカーは、やっぱりなんといってもシステムの要なので、これが変わるとアンプを見直さないといけないという命題があるので、なかなかスピーカーの新調には慎重にならざるをえないのですが、サブとして使うならおもしろいかも!という感じです。
レビューを楽しみにしていますね^^?
そうそう、近況報告ですが、松田聖子さんがこの1年、マイブームで、わざわざ特設のブログを作ってしまいました。
名前にリンクしてあるので、よろしければどうぞ!
ではでは^^・
>なかたさん
かっこい~ですか?てへ♪実機は既に部屋のインテリアに溶け込んでしまいクラシカルな佇まいでありんす。
>しばやんさん
オーディオとカメラは懐古趣味です(キッパリ)販売終了して手に入らなくなってから、或いは手放してから悔やむのがこの道の修行です…。 L2シリーズはエントリークラスですので、あくまでエントリークラスとして良くできているって印象です。QUADにはなんと言っても本命の静電型スピーカーESLがありますし、作ってる人達も自宅のメインはESLで、L2シリーズ等々のトールボーイやブックシェルフはサブ機やホームシアター機のつもりで設計しているでしょうから。個人的にはLS3/5aに迫って欲しかったりするのですが・・・まだまだ遥か上の存在かな。
松田聖子さんブログ、トップのリンクリストに登録しておきました。ビートルズのネタはQUAD Lite2の後日エントリで取り上げる予定です。その時にまたリンク張らせて下さいませd(^_-)