ナカミチ Nakamichi CD-35 1DINヘッドユニットを分解メンテナンスしてみました。

【知る人ぞ知るナカミチのカーオーディオ】
C4昔話|ヘッドユニット分解|黒い噂スピーカー

管理人が長年愛用する1DINCDレシーバー Nakamichi CD-35の購入価格は当時なんと29800円。これにはちょっとしたカラクリがありまして、当時ナカミチの低価格ラインナップとして、実のところオートバックスのみで専売されていたモデルの一つだったのです。ナカミチの廉価品については、会社が傾いた為にオートバックスが安く身請けしていたという批判あったのですが、元々オートバックスオリジナル製品としての販売は94年からずっと続いていたらしいので、これは微妙に事実と違うのではと思います。記憶では当時、首都圏のオートバックスにはナカミチ専用の什器が置いてあり、また、AUTOBACS専売品はありませんがジェームス系列にも数年前までオリジナルナカミチ専用の什器がありました。

Nakamichi CD-35 CDヘッドユニット IDIN オートバックス

CD-35は古いCD-350の後継機かと思っていたのですが、調べてみると中身が少し違いました。オートバックス専売モデルのCD-35(他にMDプレーヤーMD-20/2DINのMD-85等)は、ナカミチの一連のヘッドユニットの中で最も低価格な位置づけ。純ナカミチモデルの筐体色がブラックのみなのに対し、こちらは塗装がブラック/シルバーのツートンカラーなので見分けが付きます。更に加えてオートバックス専売モデルではリモコンが付属しません。

ナカミチ リモコン カーオーディオ Nakamichi
但しCD-35の中身はナカミチ@本物のCD-40Zとほぼ同じ仕様ですので、もしかするとリモコンは転用可能かも…
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Nakamichi純正ヘッドユニットとAUTOBACS専売品の違いについて

Nakamichi ナカミチCD-35 AUTOBACS

純ナカミチの上位モデルでも、CD-35とフェイスパネルのボタン配置が同じor色違いモデルについては、製造元と基本設計が共通であると考えて良いと思います。但し上位機種になるにつれ、基盤のDACチップの銘柄が違ったり、トランジスタアンプの容量が43w→47wにパワーアップしていたりします。 CD-35の製造国はマレーシア。同ラインで2DINのMD-85(MD-95zのオートバックス廉価版)については、6連奏CDチェンジャーのMBミュージックバンク搭載で日本製でした。

USA-AUDIO Yahoo!ショッピングさんでは今でもナカミチ製品(NSEシリーズ)の在庫があるみたいです》

MB-100 (6連奏MusicBank) ナカミチNakamichi

フロントパネルのボタンやボリュームのレイアウトも、オートバックス限定モデルとそれ以外で共通。筐体や背面の端子位置も同じ。ネット上でドライブメカと基盤の内部画像を色々と比較する限り、CD-35系とCD-40系はほぼ同じ。CD-45系もメカとシャーシはCD-35と同じ。CD-45zなど45系基板画像が見つけられませんでしたが、マルチビットですので400系と同じかも。CD-400/500系もCD-35と同じシャシーですがドライブメカと基板が違います。尚、6連奏MusicBank搭載のMB系CDチェンジャー機や最上位のCD-700系は日本製で中も外も全くの別物です。

ナカミチ Nakamichi CD-35 1DINヘッドユニット 内部回路
う~ん、予想以上にシンプルでスカスカ…。上位のCD-40zもほぼ同回路ですが、もう少しキャパシタが乗ってました。

回路上の大きな違いとしてCD-30z/MD-30z/CD-45/CD-45z/MD-45z/CD-400/MD-95z/CD-500等の中級機では、D/AコンバーターチップにマルチビットDACのバーブラウンPCM1704若しくは多分PCM1702が採用されています。しかし下位のCD-35/CD-35/MD-20/CD-40/CD-40z等では1ビットDACが搭載されています。CD-35ではSONYのCXD2587Qでした。すなわちシングルビットモデルと24ビット(20ビット)モデルでは基盤設計が異なります。バーブラウンとSONYのチップの違いとして、繊細感や音数の描き分けにはかなり影響があるのではと推測。

SONY CXD2587Q DAC D/Aコンバーター

Nakamichi CD-35 レシーバー音質レビュー

肝心のCD-35の音質です。コストダウンした最廉価モデルとは云え、管理人が過去に所有していたホームオーディオのCDプレーヤーNakamichi CDPlayer2と比べても、音質は十分にナカミチサウンドの範疇と呼べるサウンドに感じられます。余計なものを足さず、アナログアンプの音を素直に引き出したクリーンで無色透明な音傾向です。生真面目で上品且つ繊細。ほんのりクール、蒸留水みたいな印象。低域方向は程々。高域は繊細でややもすると神経質。パンチやドライブ力はイマイチ。音圧感や太い音の真逆ですので、低音好きには物足りないかも知れません。

ウェットで響きが豊かですが、これはあくまでDSPを使わないストレートな音の範疇ですので、昨今のデジタル補正バリバリのヘッドユニットの持つハイスピードなサウンドや、周波数補正された広い音場感は望むべくもありません。弄れる項目はLRバランスとHigh Low Midのトーンコントロールのみ。積極的に音を作ってアピールしてくる印象は無く、カーオーディオというよりピュアオーディオ的な思想を感じる非常に素直な音質です。ギトギトのDSPサウンドに耳が慣れてしまうと、スッキリし過ぎていて肩すかしを食らうかもです。。。

東芝 TOSHIBA TA8262H バイポーラ式トランジスタ Nakamichi CD-35 ヘッドユニット
43W×4chパワーアンプは東芝のTA8262Hバイポーラ式トランジスタです。

クラシックや洋楽、ジャズなどアコースティック音源向きであり、打ち込み系とかはどちらかと云うと苦手。音楽性は大人しく淡々としています。情報量の面ではマルチビットDACを使う上位モデルのCD-40/CD-40Z/CD-45/CD-45z/CD-400等には一歩劣るかも。それと高域方向の神経質なくらいの繊細感ですが、以前聴いたハイエンドモデルのCD-700Ⅱなどは、CD-35の更に3倍増しのセンシティブでシャープな高域が際立っていました。

CD-700Ⅱ

FM/AMチューナーの音質はイマイチ。感度が低くて市街地では走行中にノイズが入りまくる上に、低域が弱く上擦った音質です。以前の車で後述するナカミチのスピーカーとの組み合わせだった時は、この音調が妙にクリアにマッチしてとても良い音に感じたのですが、音響環境が異なるシトロエンC4の場合、純正Blaupunkt製ヘッドユニットのチューナーの方がセリフの中域に密度があってずっと聴きやすいです。

Nakamichi CD-35 Rear 背面

NakamichiヘッドユニットのDIY分解修理メンテナンス

実は当時購入して一年も経たないうちにCDのイジェクトが甘くなるトラブルが発生しました。本来ディスク半分程度出てくるべき所を、先っぽ1cmくらいまでしか出て来なくなるのですが、これナカミチのヘッドユニットに良くありがちなトラブルみたいです。実用上は問題無かったので長年放置していましたが、ブログの画像撮影のために分解したついでに、上下のゴム製ピンチローラー周りをスリーボンドの電子機器クリーナーPANDO 29Dや消毒用エタノールを浸した綿棒で丁寧に掃除するだけで、あっさり直ってしまいました。

internalPANDO(パンドー)29D電子機器クリーナー。接点洗浄の決定版♪

internalキトサン抗菌?オーディオ機器のメンテナンスに使う綿棒って・・・

ナカミチ CD-35 ヘッドユニット分解方法

CDイジェクト不良は修理に出す程の故障ではありませんので、同様のトラブルでお困りの方は、一度分解清掃にチャレンジされるのも良いかもです。やってみるとドライバー1本で簡単にできます。分解のついでにピックアップレンズもエタノール(若しくはIPA)でクリーニング。これで読み取り性能が改善しますので、以前の車で悩んでいた段差等での音飛びも全くしなくなりました。これはシトロエンC4の猫足が良いからだとも云えそうですけれど・・・。

ナカミチ Nakamichi CD-35 レシーバー フロントパネル脱着
さらに手前左右の上部ネジを外せばドライブメカが簡単に外れます。仮にメカの調子が悪い場合でも類似機種のジャンク品から換装可能です。フロントパネルも簡単に交換出来ます。

internalCDプレーヤーがディスクを認識しなくなった時の対処法♪

長年の使用でフロントパネルのクリア樹脂が傷だらけでしたので、分解ついでに調子に乗ってpoly Watch(ポリウォッチ)で磨いてみたのですが、そんなに力を入れてないにもかかわらず、液晶の端に黒いシミが入ってしまいました・・・(涙) 漏れたのが表示に殆ど影響しない位置で良かった。う~ん・・・割と大したことない圧力でも中の液晶が潰れるっぽいのでパネル磨きは危険行為かも。取り付け取り外しの際にも液晶周辺には触れないようにした方が良いです。普通に持ったくらいで簡単に潰れる危険性大です。

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~まとめ~・・・CD-Rとの相性があります

それから、ナカミチのヘッドユニットは音質向上のためにサーボ電流を最小限に控えているためなのか、CD-Rを再生した場合に時々音飛びします。これは故障ではなく仕様です。CD-Rの焼き品質やディスクメディアの反射性能にも依存するみたいですが、この辺は90年代旧設計のご愛敬と云うことで・・・。たまのレンズクリーニングである程度改善したりしますし、管理人は気にせずにMARANTZ CDR630で作った自家製CD-Rを使いまくりです。夏場に暑くなる車内にCD放置したくないですしね。それと、時代的にMP3のCD-Rには対応していませんので悪しからず。最晩年のCD-500になって初めてMP3/WMAファイルの再生に対応したレシーバーになりました。

internalMARANTZ(マランツ) CDR630 Professional CD-Rレコーダーの紹介をしてみる

以上、今更感はありますけれども、今回はカーオーディオの伝説ブランドであるナカミチ製CDヘッドユニットの内部を公開してみました。尚、ヤフオク!ではまだ今でもナカミチ製カーステレオの中古品、ジャンク品が流れていますし、時には新品もあったりします。管理人と同じCD-35や或いはもっと良いモデルをご所望の御仁は、一度探してみては如何でしょうか?

internalオートバックス専売ナカミチの黒い噂・・・に続く

【知る人ぞ知るナカミチのカーオーディオ】
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コメント一覧 (4件)

  • 突然のコメント申し訳ありません。MD45Zなのですが、音がバリバリこもり小さくなったり、なおったりするようになりました。ピックアップは清掃、LINE入力の音源もそうなので、基盤のどこかのハンダの接触不良あるいはLINE出力の接触不良などを疑っているのですが、もし考えられることがあれば教えていただくことはできないでしょうか?

  • 健太様こんにちは。遅レス失礼します。
    古いものですので既にあらゆる部分で故障が出ても致し方ない機種ではないかと思います。片側でしたらスピーカーかラインケーブルの配線接触不良。配線が問題無ければ内部のアンプ故障、両側でしたらそれ以外の中身やメカを疑います。本体故障が確定している場合は、修理するよりも中古品やジャンクを安くヤフオク!で入手して、ニコイチにしたりする方が安上がりではないかと思います。
    ・・・余りお役に立てそうになくて申し訳ございません。

  • 管理人さま
    コメントありがとうございました。
    あれから外部アンプの電圧不安定とわかり、内部を清掃して接触部分をクリーニングの上再度配線したところ、現在のところ症状はおさまりました。古いものですので使えるだけ使ってまた考えようと思います。ありがとうございました。

  • 令和に入ってから今更ですがコメントします
    電源入らないナカミチ有るんだけど要る?と言われCD45Zが手に入り修理をしております。
    SBDが熱割れしておりパターンも焦げ剥がれておりました。
    SBDと最低限のコンデンサーを交換し祈る気持ちで電源を入れると無事起動ました。
    ですがCDは入って行くのですが中で回転が出来ず排出されてきます。
    英語のマニュアルを確認しながら格闘中であります。
    話がそれてしまいましたが
    本文中に書いてあるんですが CD35Z 40Z 45ZもCXD2587Qです。
    35と45Z基盤も見た感じ同じ物じゃないかな?と思われます。
    長文失礼しました

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