ONKYO DAC-1000 D/Aコンバーターの実力レビュー その4

【ONKYO DAC-1000 D/Aコンバーターの実力レビュー】
その1その2 |その3|その4|トラポ前編トラポ後編

DAC-1000は入出力端子が豊富です。このDAコンバーターが売れてる大きな理由の一つがこれではないかと思います。低価格DACは小型で入出力端子を十分備えないモデルが多く、AV混用システムでは色々使いづらいのですけれども、DAC-1000の場合、デジタル入力が光×2 同軸×2 AES/EBU×1 USB×1と合計6系統もあります。繋げてみるとこれがすこぶる便利だったり♪

dac-1000 rear 2

例えばうちのリビングルームのメインシステムに設置した場合、

1) HDD/DVDレコーダー PIONEER DVR-DT100 (光)
2) プラズマディスプレイ PIONEER PDP-427HX (光)
3) CDレコーダー MARANTZ MARANTZ CDR630 (同軸)
4) CDプレーヤー CEC TL5100Z (AES/EBU)
5) SACDプレーヤー ONKYO C-S5VL (同軸)
6) Let’s note CF-T2 (PCオーディオのミュージックサーバー) (USB)

DAC-1000がひとつあれば、この6台・・・リビングルームにほぼある全てのデジタル機器をデジタル接続で一台に統合できます。

更に手持ちで一番高音質なアナログRCAケーブルをDAC-1000に繋げることで、プリメインアンプへの入力が一系統のみになり、例えば同じ予算でも、単純計算すれば5000円のRCAピンケーブルをそれぞれ6系統揃えるよりも、DAC-1000で統合してより高音質な3万円のRCAピンケーブルを使う事が出来てお得♪ そして余ったプリアンプやプリメインアンプの入力端子にはショートピンを刺しておけば尚ベター。プリアンプやプリメインアンプって沢山の機器を並列に繋げるとなぜか音が悪くなりますので、アナログ入力は1系統の絞るのが本来理想だったりするのです。

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あ゛ここまで書いてて気付いた・・・6系統分のデジタルケーブルは用意しないとだめでした・・・(滝汗) ONKYO DIRECT直販で購入した場合にはモンスターケーブルのUSBケーブルDL USB AS-3Fが購入特典で貰える(注:当時)のですけれど、同軸デジタルケーブルは厳密に75Ωが出ている製品となると実は意外と少なかったりしますので、価格に関わらず真っ当な製品を選ぶ必要がありますし、TOSリンク/光デジタルケーブルについては、少なくともAUDIOTRACK GLASS Black等のグラスファイバーor石英コアを導体に採用したタイプをお薦めしておきたいです。

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ただこうやって統合した場合の弱点を敢えて挙げるとすると、セレクタの切り替えを一々DAC-1000でしなくてはいけない点かも。実はリモコンが無い事に箱を開けてから気付いてズッコケました。。。何かの勘違いでリモコンが有ると思い込んでたのですよ・・・。もしDAC-1000がいずれ後継機を出すとしたら、リモコンとヘッドホン端子は新規に装備した方が良いのでは無いかと思います。特に10月に発売されるなど、新しいライバル機が軒並みヘッドホン端子を備えてきましたし、PCオーディオ界隈では、こういった本格的な高音質DACを望んでいるユーザーの多くがヘッドホンを併用されていて、音質には納得できてもヘッドホン端子が無いばかりにDAC-1000を候補から外した~なんて方々も潜在的に結構大勢いそうな。。。

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そういえばONKYOって昔からヘッドホン関係についてはあんまり熱心とは云えませんよね・・・このご時世に自社開発でヘッドホンアンプやヘッドホン/イヤホンの類を作っていませんし(注:2011年当時の話です)。私も95%くらいリスニングはスピーカーって人ですので、あんまり文句は言えませんけれど。。。公式通販でも他社のヘッドホン関連製品を販売している状況だったりして。まぁあれだ、下手に自社製との相性に拘らない分、各製品のヘッドホン出力の汎用性については、広く取ってあるのだろうと好意的に捉えてみたり♪

ONKYO P-3000R_inside プリアンプ

P-3000R_S-7000R_M-5000Rこの件についてはプリアンプのP-3000Rを手にしていれば、自分が普段使う音量ではパッシブ プリアンプにもなりますし、リモコンも付いていてコントロール出来、ヘッドホン端子もある・・・という事で、予算に余裕がある皆さんの場合にはDAC-1000よりP-3000Rの方が後の発展性を考慮に入れるとベターな選択肢になると思います。この2機種のDACの回路構成はほぼ同じですけれども、トランス等の電源回りの引き回しとシャシーの構造が違いますし、プリ部分の電気的な干渉がDACの音質に与える影響も馬鹿になりませんので、P-3000Rの方がDAC-1000と同じ回路とはいえどうやら高音質になっているとのことです。

それから、DAC-1000を店頭で試聴される際には皆さんに注意して欲しい点があるのですが、このDAC(たぶんP-3000RやパワーアンプのONKYO M-5000Rでも)、はっきり言って寝起きが悪いです。通電して最初の1時間くらいはステージフロアに粉をまぶしたみたいなS/Nの悪いノイジーな音がする。安定通電をしてると徐々に治ってくるのですけれども、消費電力には目を瞑りつつ常時通電した方が、正直本来の音を堪能できそう・・・。だから電源入れて直ぐに他機と比較されると割と不利になりやすいタイプなのが微妙に不憫だったり。次回はDAC-1000の接続トランスポートによる音質の違い(前編)です。

+For
高品位なコンストラクションと入力の多さ
この価格ではありえないレベルの物量投入
デジタル/アナログ共にバランス接続可能
史上空前の激安価格
明るくホットで厚みのある現代的で堂々としたサウンド

-Against
聴感S/Nがいまいち
デリケートなニュアンスに欠ける
DSDに未対応
リモコンが付属しない

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コメント一覧 (2件)

  • ちなみにうちのST2は同軸×2、AES/EBU×1の3系統という漢仕様です。Airmac Express付きません。
    しかも選択はトグルスイッチという漢仕様。

  • 次のエントリで丁度書いてみたところですが、デジタルはアンバランスよりもAES/EBUで接続した方が良いみたい・・・。個々のケーブルの性能によって前後はしますけど、概ね XLR>同軸>TOS>USB どうやらこんな感じっぽいです。

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