Zonotone(ゾノトーン)6NPS-3.5 Meister電源ケーブルの続きです。時々電源ケーブルの抜き差しをしつつ音質比較をしていて気付いている方もいらっしゃると思いますが、電源ボックス上の複数のコンセントの何処へ電源ケーブルを挿すかで、同じケーブル/機器にも関わらず、音質が結構違って聞こえたりする事に皆様お気づきでしょうか?下手をすると極性による差よりもこちらの変化の方が聴感上大きいなんて事も・・・。
電源ケーブルの種類やコンセントボックス、極性などにこだわっても、何となく最初に挿した順番や、電源ケーブルの機器との距離で、”どのケーブルを何処へ挿すのか?”については適当に決めてしまいがちですが、この”どこへ挿すか!?”が意外と侮れません。数種類のタップを私が試した数少ない経験の範囲では、、、
※電源BOXのコード側(壁コンへ繋がる側)はエネルギー感が強い
※電源BOXの奥側(壁コンから遠い側)になる程、電源タップ自体の音質的キャラクターが強く出る
※大雑把にこのような傾向があるように感じています。注:電源タップの性質や特に壁コンへ繋がるケーブルの種類で印象が変わるかも知れません
J1 Project PT-4のような「聴感上のS/N感が改善する」電源ボックスの場合、奥側になるほど音の背景がより静かになり、PT-4の持ち味である密度感の高いタイトな定位感が得られます。反面、表現力については折り目正しく整理される印象で少し躍動感が削がれますが、帯域がフラットな印象になり、これはこれで悪くありません。
今のところTAG McLaren 60iへ繋げているOrtofon PSC-3500XGでは、画像のように壁コンから最も遠い側に接続しないと、PSC-3500XGによる色付け感とふくよかさが出しゃばりすぎて妙な音になります。
逆にプリメインアンプの電源ケーブルを壁コンに近い側へ繋げた場合、相対的な元気の良さと引き換えに音のサーフェスが荒削りになり、トータルでの品位は下がる印象です。また、電源ボックスから壁コンセントの間に使用している電源ケーブル、PSオーディオ Prelude XPD/1.8Mk2のキャラクターがより強く感じられるようになります。個人的にはJ1プロジェクトPT4で得られる独特の音は気に入っていますので、この場合はよりPT-4の影響力が強く出る機器…プリメインアンプを壁コンから遠い側へ繋げた方が良いみたいです。
サブシステムやデジタルピアノへの電源供給へ使っているCSE CX-63A、こちらは滑らかで明るく潤いがあり、ほのかに生暖かい音色が特徴の電源BOXです。この場合、奥側(画像右)のコンセントでは前述の電源ボックスのキャラクターをより強力に感じさせる反面、デメリットとしては音の勢いが削がれて大人しくなり、情報量が不足した印象になります。元々情報量や鮮度感を持ち味とした切れの良い音のタップではありませんが、滑らかなキャラクターと適度な高音質感を両立するためには、アンプ・プレーヤー共に壁コンへ繋ぐケーブルに近い側か、バランスを取って中央を選ぶ方が良い結果が得られることが多いようです。(左上に挿してある木製のキューブはAudio Spice ACC18。)
以上のようなことから、一般的には聴感上のパワー感が必用なアンプ類は壁コンセントに近い側、ACタップのキャラクターを強く反映させたい機器、聴感S/Nを改善したい機器はより遠い方へ接続するのが良さそうです。とはいえ、あくまで機器それぞれの持つ音質傾向と聴感上のバランスから、各システムでどの位置へ挿すのが相応しいかは変わってしまうと思いますので、これはあくまで大まかなイメージ。実際には各々の環境でケースバイケースという事を念頭に置き、ご興味がおありの方は色々試行錯誤してみて下さい。
但し注意点が一つ。コンセントは抜き差しを多く繰り返すと噛合が弱まり徐々に音質が変化してしまいますので、特に音抜けの良いタイトな音を希望される場合は、トライアンドエラーを繰り返すよりも、一撃必殺でベストポジションを聞き分ける!?くらいの集中力で挑んだ方が良いかもです。。。
あくまで我が家にあるオーディオ機器の中での話ですが、電源ケーブルや電源BOXの性格を音質面で一番強く反映しているように感じられるのが、大抵の場合プリメインアンプになるみたい。。。(プリ・パワー別環境がないので断言は出来ませんがプリアンプよりもパワーアンプの方と推測。) その次に一体型CDプレーヤーやDVDプレーヤー等の再生装置、最後に単体D/Aコンバーターです。傾向として電力消費量が大きい機器の方が解りやすい差が出るという事でしょうか。例えば、システム全体の音の力感が不足している場合、オヤイデのTUNAMIに代表される、3.5スケアを超える太い導体を採用した電源ケーブルをアンプ側へ使うことで、ある程度の表現力のダイナミズムを補うことが可能ですし、反対に暴れる音やボリューム感を削ぎたい場合は、3.5スケア~以下の電源ケーブルから、低域のボリューム感よりも音場の解像度やフラット感、透明度を評価されている電源ケーブルをアンプへ使うことで、再生音のオーバーフロー感を抑制することが出来ると思います。
そして、CDプレーヤーなど消費電力の小さい機器については、極端に太いケーブルをあしらうよりも、細めの導体で音色や透明度、解像度に定評のあるケーブルや、デリケートなニュアンスが出る電源ケーブルを使うことで、オーディオシステム全体の音の深みやリアリティを補ってくれる筈です。(注:ココに書かれていることはあくまで管理人の環境での主観評価ですので、個々の環境で当てはまるかどうかを保証するものではございません。)
コメント一覧 (7件)
まぁ、当然そう言うことはあるでしょうね。
アンプの電源ケーブルでもたった1.5mで激変するのですからそう言うことになりそうです。
それにしても、電源ケーブルにはそれほど多くの音声信号が流れていると言うことなのですよね。
この前私の作ったアンプも、電源にはずいぶん注意をして、そう言った影響が極小になるようにしたつもりでも全然でした。
実際、正直、電源ケーブルでここまで音が変わるともう開き直って電源回路の構成を思いっきりシンプルにしたくなります。
MJで安井さんがそんなことをやっていますけど、今度私も試してみるつもりです
yurikamomeさんこんばんは(^^)
>電源ケーブルにはそれほど多くの音声信号が流れていると言うことなのですよね
RCAケーブルやスピーカーケーブルではありませんから、電源ケーブルに音声信号は流れていないことになると思いますが、全ての機器を動かす電力の供給元に繋がるホースである以上、導体やシールドで電気的ノイズ及び外来ノイズなどの透過性に僅かながらも違いがあり、余程大がかりな電源装置を噛まさない限り、上流の影響からは免れないという事でしょうか。。。(…電気知識はからっきしですので、雑誌の受け売りですみませんm(__)m)
オーディオ機器は、ソフトからデジタル若しくはアナログの信号を拾い、回路が電気で動作して、最終的にスピーカーのユニットを動かすという電気理論の視点からではきちんと説明できない、訳の解らない要素が多いと思います。
ただ、電気が解らない私は、それらを楽器と同じ視点で捉えることにしています。スピーカーをはじめ各装置から発生し、接続された同士や接地部分を介した物理伝達、そして音震動として外側から受け取る震動等々が絡み合い、糸電話の如く各装置間を行き来する複雑な震動の反射がオーディオ装置それぞれの個性的な音色や歪みを生んでいるという風に捉えています。大きなピアノであっても、小さな弦楽器でも、ほんの小さな部品の0.1ミリ以下のパーツ位置の違いや、素材の違いや状態など物理特性の変化で音色ががらっと変化したり、調律がメチャクチャにずれたりしますよね。オーディオ機器は楽器のようにそこまで装置として洗練されたものではありませんが、だからこそ、各エレメントが複雑化し、一体何が聴感上感じられてしまう再生音の変化の原因なのか訳が解らなくなってしまうのだと考えています。
電気回路としての真っ当なアプローチはオーディオ機器の作り手側にお任せするとして、現状、ダイナミック型のスピーカーが原音を再現するという理想からは程遠く、むしろ楽器に近い構造と素材で、半ば工芸品、楽器製造的なセンスで設計された物である以上、それに連なるケーブル類や各オーディオ装置の素材、ラック、部屋なども含めて、室内空間の空気を震わせつつ、自らも震動するトータルな楽器がピュアオーディオシステムという感じで捉えています。
そして、オーディオ機器を楽器として捉えた場合、発生する外乱&内部震動が電気回路に悪さをしないよう押さえ込むという発想のみならず(これも条件によって必用な事ですが)、それぞれの物理要素を良い音で響かせる事が、実用上、人間にとっての心地よい再生音に繋がると考えています。消しきれない不要震動は外へ逃がす、どうにもならない震動は殺さず人間の耳に心地よい震動モードで響かせる、、、響かせるというのは歪ませると同義ではありますが、楽器と同様に捉える事が出来れば、心地良い響きは、仮に原音…元信号に忠実とならなくとも、原音楽…音楽の本質を再生側で蘇らせる事が出来るという風に考えています。
オーディオ機器を楽器として捉えるというお考えはとても良いお言葉だと思います。良く調律された楽器のように、オーディオ機器が鳴るようにすることですね。基本となるCDP,アンプ、SPとそれを取り巻くアクセサリー群(オカルト含む)の選択。原音再生・あるいは原音の定義を考えると、頭が痛くなりますが?音楽家の意図している音楽が理解できればそれで十分かと。意図というのもこちらの勝手な妄想・決め付けかもしれないですが。結果として気持ちよい、感動させる音楽が再生できればと思います。それが難しいのですが。わたくしごとですが、お気に入りのDALIメニュエット(ピアノフィニッシュ)よりグレードアップを今考えておりまして箱庭から少しはずれますがロイヤルタワーを考えてます。色はピアノフィニッシュ。いささか、変わり映えしない感じもしないではないですが、価格、音色、環境等々検討した結果です。では、またお邪魔します。お体お大事に。いつもセンスの良いブログ記事楽しみにしてますので。
ネットの辺境で電ムぅ波♪を飛ばしているだけですのでお言葉とか言わないようにw
>原音再生
良く考えれば(考え無くても)、生演奏が録音されて段階で数多くの加工が施された結果がソフトであり、それを前提に再生装置を組む以上、再生オーディオに原音再生はあり得ないのが本当の所ですから、再生というのは加工された料理をより美味しく食べる方法♪なんだろうと思うのでした。
>音楽家の意図している音楽が理解できればそれで十分かと。意図というのもこちらの勝手な妄想・決め付けかもしれないですが。
その通りですね♪妄想でも決めつけでも音楽自体が本質的に感覚であり主観ですから、本質的にそれでも良いんじゃないかしらと。音楽家も色々で、自分に合う音楽を奏でる人とそうでない人がいて好き嫌いも千差万別、弾き手と聴き手の数だけ主観的な正解と好みが存在します。
オーディオや音質へのこだわりについても、音楽家にはもの凄いハイエンドシステムを組んでいる硬派なオーディオマニアもいれば、全く無頓着で更にオーディオマニアを非難する人、或いはカラヤンのように録音段階からあらゆる点に口出しをし、ずぶずふのオーディオヲタクだったにも関わらず、他のマニアの在り方を非難する同族嫌悪型の人も居ます。その辺も含めて音楽の解釈も人の数だけ深くて広い、だからこそ皆さんそれぞれの取り組み方へは広い心を持って接したいなと。
私がオーディオを楽器として捉えることについては、例えば、3点/4点で支えるだけの小さなインシュレーターの持つ素材音が、再生音のニュアンスにけっこうな聴感上の影響を与えることからも、スピーカーに始まり震動が伝達するあらゆるオーディオ機器を構成するパーツやシャシーの素材、ケーブルの素材などが、全て共鳴して不協和音を奏でているのがピュアオーディオ♪と捉えることで、ある種の電気オカルト論への解にならないかと感じるのです。
導体を流れる電気特性云々はさておき、ケーブルでも何もかも、素材的な意味での震動干渉はするよね?と思うのです。導体にしても、純度云々以前に、精錬と引き方で硬さや響きは違うよね?と思うのです。大袈裟に云えば色々と種類があるピアノ線や金属弦のように。それらの影響を否定しちゃったらオーディオ再生の本質であり、もっとも大きな干渉エネルギーである「音」の存在を真っ向から無視した話になりますから。
そしてその干渉レベルの大きさは、素材の大きさ、質量、位置、スピーカーからの距離、接地面との関わり、ラック、部屋、隣り合う他の素材との干渉など何処までも影響しつつ境界線を引くことは難しいものです。勿論、震動モードへの影響力が強く、効果的な部位かそうでないかで再生音へ与えるニュアンスの変化の差は違ってくるでしょうが、これを的確に解析するのは難しい。むしろ楽器と同じで音を出しながら耳を頼りに感覚的にポイントを探っていくしかないのではないか?それがオーディオアクセサリーなどを試行錯誤する意味なのでは無いかと。。。
異論がある方もいらっしゃるでしょうが、私の場合はこんな風に捉えています。私のオーディオ機器選びを見ても、理屈より見た目と触り心地、スピーカーなどは特に、Vienna AcousticsやDALI、ソナス・ファベール等を絶賛しているところからもお判りのように、論理回析の産物よりはヒアリングによる主観的な楽器工芸のアプローチで作られた物を好むみたいですから♪
>箱庭から少しはずれますがロイヤルタワーを考えてます。色はピアノフィニッシュ。
DALIの最高傑作はロイヤルタワーでしょう!楽器的な意味での完成度はヘリコンより断然優れていると思います。ユーフォニアは知りませんけど(…きっと別格)。ピアノフィニッシュとリアルウッドでは、濁りも含めて弦楽器の暖かみ心地よく再現するのがリアルウッド。単純に音が良いのがピアノフィニッシュ。私なら…・敢えて日本で販売されていないホワイト!が欲しいかな。
最終的には部屋に置いたとき、家具としてどっちの色合いが好きか?で決めた方が良いと思います。