Red Rose Music (Webアーカイブ)は、かの有名なアメリカの著名ハイエンドオーディオ設計者マーク・レビンソン氏が、自身の名前を冠したハイエンドオーディオブランド「MarkLevinson」や「CELLO」を退社後、彼自身が抱いた原点のテーマ、”あたかも音楽家と一緒にいるような音”を目指して設立された、ニューヨークの小さなオーディオブランドです。公式サイトを観た感じ、オーディオメーカーと云うよりは小さなオーディオブランドショップに近い感じで、旧来のスーパーハイエンド路線のMark Levinson製品とは異なり、主に中国でOEM生産された高品質のオーディオ機器をマークレビンソン流にアレンジし、自社ブランド製品として取り扱っている所が特徴です。
Red Rose MusicとAudioPrism (オーディオプリズム)
また、Red Rose Musicは一時期、真空管アンプ&オーディオ電源アクセサリーメーカーのAudioPrismと合併し、両ブランド名でいくつかのハイエンドオーディオ製品やオーディオアクセサリをプロデュース ※現在は再び分かれています。それ以外にも、ニューヨークを舞台にジャズの高音質SACD録音なども手掛けているなど、小規模ながら同氏がプロデュースするビジネスは未だ話題に事欠きません。
オーディオプリズム AudioPrism QuietLine MK3 販売再開
レッドローズミュージック Red Rose Music 1934 RCAケーブル
管理人が所有しているレッドローズミュージック製品は、RCAケーブルのRed Rose Music 1934です。マークレビンソン自身が永年にわたり試聴を重ねて開発され、自らのレコーディングに使用するために開発したインターコネクトケーブルとの事。エナメルコーティングされた極細のOFC多芯リッツ線3芯構造の特殊な構造のケーブルは、高級オーディオケーブルとしては異例の細さと柔らかさ。頼りない外観とは裏腹?に独特の浮遊感のある極めて繊細且つ高解像度な音質は、良識的な構造で設計された他のラインケーブルではまず得ることの出来ない独特の世界観を提示してくれます。
キャラクター的には低域の厚みは程々且つ高域方向が華やか、表現は繊細で大人しいせいか不思議と音圧が下がったように聞こえるのも特徴。とにかく音が細やかで微少領域、、、マイナス方向のS/N感が良く、弦楽器は一本一本が分解されて見えるが如く、ピアノはやや輪郭強調感がありますが、響きに潤いがありピアノ線の震動感がリアル。全体的にややクールで神経質なトーンではありますが、驚くようなクリアネスと静電型スピーカーを彷彿とさせるふわりとした響き感が大変魅惑的です。音楽表現力の面でも、決して陽気で闊達な生命力溢れる音ではありませんが、音楽の精神性を深くえぐり出すようなニュアンスの豊富さは、クラシック音楽、特に合唱やバロック音楽などでは素晴らしい相性を発揮します。
既に絶版となった廉価版の1934では導体にOFC銅が使われていますが、上位モデルにSilverOneという全く同じ構造で導体にシルバーを使ったモデルがあります。エナメルコートされた極細純銀線57本によるリッツ線構造を、絶縁材のテフロンテープで素線19本ずつを巻き上げた3芯構造。発売されてから9年くらい経ちますが、本国サイトにもこのケーブルのみ記載があり、今でも一応販売されているみたいです。(国内でも一部シッョプではオリジナルとは異なるピンプラグを使い、びっくりプライスで販売されています)
2000年に手にして以来、Red Rose Music 1934は管理人のメインシステムに欠かせないアナログRCAケーブルとなっており、その後いくつかのケーブルを試してはみたものの、1934よりも個人的な趣向にあったケーブルには未だに出会えていません。当時、お茶の水のオーディオユニオンで購入した際、ケーブルのアドバイスをしてくれる店員さんに、1934(購入価格は15000円くらいだった気がします)と上位モデルの銀線 Silver One(当時の定価が68000円)は良く似た音で、価格差ほどの違いはないよと云われて安い方を手にした訳ですが、1934にこれだけ心酔してしまったと云うことは、同構造の銀線であるSilverOneでしたら、銀線好きの私にとって、きっともっと素晴らしい音がするに違いないと思うのです。しかし、おいそれと手出しできない価格なだけに(本国でも1m/pair $500)、結局現在まで購入に至っていません。無くならないうちに手に入れる事が出来たら嬉しいのですけれど。。。
Red Rose Music DUSSUN(Korsun)とAurum Cantusと…
一部では良く知られているとおり、元々がAudio Prism製の真空管アンプなどを除く、Red Rose Musicブランドの製品の多くは、中国の著名なオーディオメーカーでOEM生産されており、Red Rose Musicと同じ外観のアンプやスピーカーが、製造元のブランドで遥かに廉価な価格で販売されているため、その内外価格差の大きさから、反倫理的なボッタクリではないかと日米双方のオーディオ愛好家からの批判を浴びることになりました。
ちなみにRed Rose Musicブランドのプリメインアンプやセパレートアンプ関係はKorsun(現:Dussun)、リボンツイーター搭載のスピーカー群はAurum Cantus(オーラム・カンタス)という中華メーカーの製品になります。中身が全く同じ物かどうかは有力な確定情報が無く、知る人ぞ知るみたいな事になっていますが、一応Red Rose Musicブランドの場合、端子のグレードや内部配線やパーツなど、マークレビンソン氏によってモデファイされているらしいです(真偽不明)。(ちなみにAurum Cantus製品と、Red Rose Musicブランドでのアメリカ輸出仕様のスピーカーは、ネットワーク基盤が全く違うらしいです。
オーディオ機器には実際の音質だけでなく、所有する喜びやステイタスなどの要素もあり、どの辺に価格的価値を見出すかは人それぞれですし、また、見た目が同じでも実製品の中身の出来が全く同じかどうかは第三者は判断できませんので、この解釈はみなさんの判断に委ねますが、Red Rose Music製品もDUSSUN(ダッサン)/オーラム・カンタス製品も、実際に使われている人の評判は双方共に極めて良く、物議のネタになるのはその音質よりも殆ど内外価格差の話題に終始しているようです。
まぁ同じ品質の物をアメリカで作った場合はRed Rose Musicの値付けでも全く文句は言われないと思いますので、中国元が余りにも安すぎる事が騒ぎを大きくした訳ですが、インターネットが普及して英語が少し出来れば世界中から何でも手に入る世の中、今後は為替差益を大きく取ったビジネスは難しくなりつつあるという事なのでしょう。DUSSANのオリジナルブランド製品も、日本の正規輸入代理店を通して、今ではごく一般的な価格で手に入る様になっています。そして既にRed Rose Musicは代理店の公式サイトに載っていませんので、代理店さんは既にRed Rose Musicの取り扱いを止めてしまっているような感じです。
さて、製造元のダッサンの製品で今更脚光を浴びているのがT2 Integrated Amplifier with USB DAC→(代理店サイト)。ベースはRed Rose MusicブランドではRosette1というネーミングで$2000(日本定価35万)で販売されていたものみたいです。元々はピュアオーディオというよりはPCオーディオ用途向けに設計された物らしく、DUSSUN(ダッサン)製品としてもエントリーモデルであり、価格的にも現地価格を覗いてしまうと口から何かが飛び出しそうになりますが、それはひとまず横に置いておいて、現在管理人は高音質なPCオーディオの構築(注:オーディオボードに依存しない)を目論んでいるわけですが、その中での候補の一つがこのDUSSUN T2です。
プリメインアンプとしての機能に加えてUSB入力によるD/Aコンバーター(詳細不明)が搭載されているところがポイントですけれど、プリメインアンプとしても、レッドローズミュージックブランドでは国内価格50万のスピーカー(Rose Bud2)と組み合わせて一台35万円で売られていた製品ですし、ヘッドフォンアンプとしても使えると云う事で、コストパフォーマンス的に観てもかなり有力な候補かも知れません。ただ、実際に試聴された方々のレビューを拝見すると、どうも私がイメージしている旧来のマークレビンソンや、Red Rose Musicのケーブルの洗練された繊細な音質とは随分違う方向性のような印象です。この辺りは自分で実機を聴いてみないことには断定できませんが、おおらかな音質というのであれば僕が求めているものとは違ってしまうことになりますので、この辺りで微妙に躊躇してしまうところかも。。。
それから、マークレビンソンのテイストをきちんと感じられるという意味で、Red Rose Musicの音質を手に入れるという点では、RCAケーブルのSilver Oneもそうですが、むしろ、リボントゥイーターを採用した2wayブックシェルフスピーカーのオーラムカンタスLeisure 2の米国仕様や後継機のLeisure 5などの方に興味があります。現地のサイトを観ると大変仕上げが美しく、まるでイタリア製のスピーカーです。ただ、現在一般に国内外で市販されているAURUM CANTUSのスピーカーは、Leisure2等、上記と同じ型番の物でも異なる台形のキャビネットが使用されていて、Red Rose Musicと同じ長方形のものがなかなか見当たりません。現地購入やオークション等でRose Bud2の同等品を手にされている方がいらっしゃいますが、一体どうなっているのでしょう?もしかして、既に絶版だったりするのかしら。。。Rose Bud2と全くネットワークが同じ米国向けのLeisure2がペア5万円以下(現地価格)で買えるのでしたら是非とも手に入れたいところです(^^;
そんな感じですので、管理人のお気に入りであるRed Rose Musicのオーディオケーブルも、本当にマーク・レビンソン氏が構造から設計したのか?中国/台湾で見つけた変わった音のする線材を、例によって自社ブランド用にアレンジした物ではないのか?元ネタの銀線はどっかの中国メーカーから数千円@ロール単位で買えたりしないのか?… 等という疑惑を持ってしまうのですが、とりあえず、今のところ該当製品についてネット上での報告は見当たりません。とはいえ実際手に入れるとしたら安いに越した事はなく、この辺りはRed Rose Musicの内情や中国オーディオに詳しい人の情報提供をお待ちしております。
コメント一覧 (2件)
はじめまして。
以前上海に6年ほど住んでいたものです。
いまは欧州におりますので現在の事情はわかりません。
2005年までいましたが、当時ワタシもLeisure2は購入しました。買値は4万円程度でしたが、同価格帯では敵無し。日本市場ではペア15万クラス同等のパフォーマンスでした。
Leisure5についても、発売前に代理店で聞かせてもらっており、こちらはLeisure2以上でペア30万以上の価値があると感じました。
Leisure2のほうはそこそこの仕上げですが、Leisure5は表面のピアノフィニッシュも素晴らしく、高音の滑らかさもつややかで好みが合えば、もっと高額のものでも敵わないと思います。
懇意にしていた代理店では米国輸出用も正式ではありませんが売ってくれていて、彼等曰くRed Rose MusicのRosebud2と同じだと言っていました。それが5万円です。
ほかにも中国ではいろいろな元ネタ天国でしたが、ちょっと前のことなので大分忘れました。
ご参考までに。
はじめまして。私も以前、RED ROSE MUSIC 1934RCAケーブルを使用した事があります。 当時の広告には麻薬的な音と書いてあったような記憶があります。 マークレビンソンの製品に興味がありましたので、つい、惹かれて買ってしまいました。 このRCAコードは何とも表現しがたい美音です。 メーカーのコメントは嘘ではないと思いました。 (PADのケーブルに似ていると思いました。) ケーブルを繋いでからノイズが出たので?プラグが原因かと思い、分解、はんだの仕方が気に入らないので自分で付け直しました。 美音の秘密はコードの中の白い緩衝材とPADのはんだです。(金、銀、銅、…配合については詳しくは知りません?)また、RCAコードの被覆がゴムのような素材で真鍮製のRCAプラグで躍動感を調整しています。 低音が緩すぎるので、結果的にはやめてしまいました。 今は手元にオリジナルのRCAプラグ4個だけが残っています。