【激安iPodとUSBサウンドデバイスとMark Levinsonの音質対決】
聴き分け|前編|後編
ITメディアニュースの元記事:高いケーブルは音がいい?オーディオマニアに聞かせてみた(アメリカ・ウォールストリートジャーナルの記事の翻訳 注:リンク切れですのでwaybackをリンクします。)
でくのぼうぷれすさんにこんなエントリーがありましたので、面白いので敢えて箱ピュア管理人の感想も書いてみたいと思います~♪
この手の話題は直ぐに肯定論者や否定論者に別れてプラシーボだの二重盲検法によるブラインドテストだのといった話題になってしまい、くだらない水掛け論に発展するのが常なのですが、それでも敢えてラスベガスで開かれたオーディオショウ(CESしゃなくてHESの方)の会場で、参加者にテストをして貰うという企画はちょっと面白いなぁと。
それなりに違いの出やすい再生装置であることと、会場の環境にも拠りますが(例:部屋が広すぎたり、響きがデッドだったり、同時に参加する人が多すぎると正解率は大きく下がると思います)ある程度オーディオマニアを自称される皆さんを相手にしつつもそれほど厳密とは云えないテストをした場合、実感としてこれくらいの結果になるのはまぁなんとなく予想の範囲内かしら?どうせでしたら3000ドルなんて半端な中級機ではなく、例えばゴールドムンドのEIDOS36やEIDOS 20Aとか、100万円以上するCDプレーヤーを比較に持ち出して欲しいところですけど…。
う~ん、この解釈はどうなんでしょう?意見がほぼ二分ですから、デタラメ回答でも結果は同じという事に・・・~゜゜(´□`。)°゜。
とは云いましても、デジタルオーディオプレーヤーについてはポータブル機器と、ピュアオーディオ用に設計された据え置き型の再生機の間に、再生装置の価格や見た目のサイズ、高級感からイメージされるレベルの質的な差があるかと云えば、ぶっちゃけ無いかも知れません・・・(滝汗)。じっくり聞き続けると、個々の商品によって「大きくはないがオーディオマニア、音楽愛好家にとってはとても軽視できないレベルでの」音質の違いはありますが、見た目やサイズの極端な違いの割にスピーカーやアンプと比べれば”その違いの絶対値は小さいものです。
ですから、限られた資金でオーディオ機器選びをする際には、デジタルプレーヤーに比べてスピーカーやアンプによる音質差/影響力の方が、オーディオ機器の中でより大きな支配力を持つ事を念頭に置き、コスト配分のバランスを取るのがセオリーではあります。
ちなみに、過去に管理人が所有したポータブルデジタルオーディオプレーヤーで、もっとも高音質(注:音楽表現力が高い)と感じたモデルは、iPodではありませんけれども、知人が所有していたAppleのPC用ポータブルCD-ROMプレーヤーPowerCDでした(PHILIPSの設計で同社のビットストリームDACを搭載)。PowerCDのバッテリー駆動時の音はとんでもなく豊潤且つ音楽的で、当時のPHILIPSの上級ハイエンドモデルの一つであるLHH700にも勝るとも劣らない魅力的なサウンドでした。
それから、Apple PowerCDの音質にはスケール面でやや劣りますが、ほぼ同傾向のウォームで官能的なサウンドで脅威の音楽性を誇ったPHILIPSのポータブルCDプレーヤーAZ6829/06(オーストリア製で定価5.5万円)も素晴らしかった。これぞ正に管理人をオーディオ沼に誘い込む切っ掛けとなったCDプレーヤーで、知人に譲ってしまうまでは、クリークのプリメインアンプ4240/ワーフェデール DiamondⅤとの組み合わせつつ、我が家の箱庭システムの中核として君臨していました。
550gほどのポータブルCDプレーヤーでありながら、当時僕が所有していた13kgもあるSONYの据え置き型CDプレーヤーCDP-X555ES、高音質で定評だったCEC CH-5000R、ARCAM α5plus等を軽く凌駕していました。発売されてから15年以上も経ちますが、この2機種のポータブルCDプレーヤーは一部オーディオマニア界隈でもはや伝説と化しております(^^;)
そんな感じで、デジタル再生機の性能には、見た目のサイズや値段からでは判らない謎の部分があるのは事実。iPodもモデルによって色々音質に違いがあると思いますが、中には驚異的に音が良いモデルがあったりするのかしら・・・?その辺についてご存じの方がいらしたら是非教えて欲しいところです。。。
モンスターケーブルの方はラインナップから推測するとXPHPあたりかなぁ・・・。文章の内容からおそらくスピーカーケーブルのテストだと思われますので、どうして2台の同じCDプレーヤーが必要だったのか全く理解できないのですが、それはともかく、ここでは一応高級ケーブルの方にやや軍配が上がっています。※個人的経験では、同一モデルのCDプレーヤーでも大抵は音質に無視できない個体差がありますので、このような比較方法は正直あまり感心しません。
ちなみにXPHPであると仮定した場合、XPHPの比較的低域寄りで滲んで暖かみのある音が、よりクリーンなサウンドであると推測される同社のハイエンド高級ケーブルMonster Cable SRGS(Sigma Retro Gold)よりも、好みの人が少なからずいてもおかしくはないと思います。それくらいオーディオというのは主観的で個人の好みというファクターが強いものです。また、組み合わせるスピーカーによっては評価が分かれたり逆転することもあるはずです。そしてモンスターケーブルである以上、同社内比較的な意味での質の差はあっても、音質面でのキャラクターや音色の方向性に共通点、似通った部分があるでしょうから、どうせやるならNORDOST(ノードスト)やWireworld(ワイヤーワールド)等々、MonsterCableとは全く音色傾向の異なる別メーカーのハイエンドケーブルと比較した方が、好き嫌いは別にして誰にでも聴感上の違いがより判りやすいだろうにとは思いますけれども。。。
総評。企画としては面白いけれど、この種のテストはやり方によって簡単に結果を誘導できます。個人的な予想では、ある程度ピュアオーディオ経験があって耳に自信のある人を集め、部屋と電源、機材の品質等々それ相応のモニター環境と被験者が熟知しているソフトを用意しつつ、明確に傾向が違うとされる音色のCDプレーヤーやグレードの異なるスピーカーケーブルでシンプルな交換テストをしたら、100%とは言わなくてもそこそこ高確率で印象に偏差が出るでしょうし、逆に科学的正確性に固執する余りに”二重盲検法”など微細な違いを判断しにくくするテスト方法を取れば、容易に被験者の聴き分け能力をマスキングしたり回答を混乱させることが可能になると云えます。
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加えて人間は音の違いに驚くほど敏感な人がいる反面(更に加えて個人差も大きい)、時間軸の中で刻々と変化する脳と肉体の中で、「違わないことを=同じである」事については必ずしも正確には認識できない生き物であり、この生理学的弱点を突けば簡単に足下をすくえますので、誤回答に誘導するためにこの種のトリックを敢えて織り交ぜたがるブラインドテスト等には個人的に懐疑的だったりする訳です。
いつも思うのは、オーディオ機器やアクセサリーの違いで音質が変化する、それを認識できると思っている人はそれでいいし、区別できない人も又それで良いので、所詮は趣味の世界、どちらが正しかろうが間違っていようが、論争する事自体が不毛で時間の無駄なのではないかしら?と。人間は測定器ではありませんし、結局の所、リスナー…音楽愛好家にとって本当に大切なのは、オーディオ機器の価格でも、理論や理屈上の整合性でもなく、結果的にそれで「音楽」が楽しめるのか?ということなのですから。
ふと思ったのですが、辻井伸行君、川畠成道君、梯剛之君など、視覚障害のある著名な音楽家さんがパッと思いつくだけでも幾人かいると思うのですが、或いはオーディオや音楽が趣味の視覚障害者の方でもいいです。聴覚が健常者より遥かに敏感で、視覚のバイアスを受けない彼らが、こういったオーディオ機器による音質変化の有る無しをどう感じているのかについては色々と興味があるかも♪
コメント一覧 (2件)
>100万円以上するCDプレーヤーを比較に持ち出して欲しいところですけど♪
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/tokushu/gen/20050930/113716/
↑実際にやってますよw
この記事がなければ、デスクトップHiFiなんてやろうとは思いませんでした^^;
(ちょっと旧いネタで済みません^^;)
コメントしようとしたら感想がズルズル長文化(悪い癖)してしまいましたので、こちらへ新規に記事にしました。
https://www.audiostyle.net/archives/51237602.html
既に内容は全くでくのさんへのコメントじゃなくなってます…。記事の内容にはやや疑問を持ったのですが、それとは別にポータブル機器やPC等も連携し、デスクトップHi-Fiを極める事自体は大賛成ですので、その辺は今後私もスキルを伸ばしていきたいなぁと思っています。