既に販売終了のモデルも多いですが、過去に自宅内外で試したPS AUDIO Noise Harvester以外の類似の電源ノイズフィルターにはこんなのがありました。
AudioPrism Quietline MK3 (オーディオプリズム クワイエットライン)
並列型電源フィルターの草分け的存在で、オーディオマニアの間で有名なクワイエットラインですが、実は管理人が愛用しているオーディオケーブルRed Rose Musicの関連製品。レッドローズミュージックは米国ハイエンドオーディオのカリスマ的存在であるMark Levinson氏とオーディオプリズム社ののコラボレーションによって製品を出す小規模ハイエンドメーカーで、ニューヨークに於けるAudioPrism社の代理店でもあります。
見た目は非常に小さなACアダプタ風。音質はその名の通り静かになります。背景のノイズが消え音場の静けさを増します。ただ副作用として全体的に音が大人しくなってしまう部分もあります。私はハイエンド機器を揃える友人宅で効果を試した結果、国内販売価格が高かったのもあって自宅への導入は見合わせたのですが、音の聴感S/N、静粛性に特に重きを置くリスナーには有効でしょう。国内ではもう流通していませんが、10dB以上ノイズ減衰性能を向上させたQuietline MK3が米国等では1ヶ30$程度で今でも売られていますので、ご興味がおありでしたら海外通販にチャレンジされてみてははいかがでしょうか?
2007/05/23
オーディオプリズム AudioPrism QuietLine MK3 販売再開
追記:先日PS AUDIOの電源アクセサリ、ノイズハーベスターを購入した際に書いた、今まで使ってみた並列型ACラインフィルター紹介記事で製品について少し触れていたのですが、長らく国内での販売が途絶えていた米AudioPrism社のAC電源用の並列型ノイズフィルターQuiet Lineが再び国内でも販売されることになりました。
今度のモデルはクワイエットライン最新型となるMk3で、従来モデルよりも10dB以上ノイズ減衰性能が向上しています。更にMKⅢからは、PS AUDIO NOISE HARVESTERと同様にLEDの点滅でノイズの状態を知らせるノイズチェッカー機能も備えていてノイズハーベスターの良いライバル製品になりそうです♪(注:もちろん音質変化の方向性は違うと思います) 実売価格もや旧クワイエットラインMKⅡの半分程度で試しやすいですし、懲りずに私も購入してみようかな~なんてね。
Quantum Products ElectroClear QRT-1
ハーモニクス(コンバック)が輸入代理店をしている米国Quantum Products社の製品。Made in カリフォルニア。その後同じ”QRT”(Quantum Resonance Tecnology)という商品名でAC電源タップや並列電源ノイズフィルターを出しているNORDOST(ノードスト)の関連企業なのかな?電流を微粒子レベルから規則正しく整える量子共振応用技術が云々と意味不明なデムパをゆんゆん飛ばしまくりで、そーとーでむぱな私でさえ口から何かがタダ漏れちゃうよ?ってくらいの妖しいメーカー。ただ、理屈は置いておいて確かに効果はあるのだな。。。同社のQuantum Symphony(カンタム・シンフォニーQS-1)を店頭でデモられて何はともあれ激しく欲しくなる。表現しにくいのですが部屋の空気感がフッと変わるのです。
しかし何分高い(当時4万円くらいでした)ので、弟モデルとなるQRT-1を後に手に入れたのですが、これが安い(定価1万円くらい?)とはいえ全然違うのだ……。 おしりにコンセントの付いた直列タイプなのですが、当時メーカーに問い合わせたところ内部は並列回路との事。その音質は…うん、良く言えば音が羽のように軽やかになる。悪く言うとプラスチッキーでチープな音になる…。 オーディオの電源BOXCSE CX-63Aに挿して、隣の部屋にあるクラビノーバの音質が同様に変わりましたから、何かしらの作用はしている模様。ただ、直列コンセントとしてはやや作りがチープすぎ、音色がアレなので好き嫌いは分かれると思います。
ハーモニックス (Harmonix) ACエナコム AC-ENACOM
こちらは日本のブランド、コンバック/ハーモニックス(Harmonix)の製品です。以前に逸品館で絶賛されていた姉妹品のスピーカーエナコム(SPエナコム)を使用していた時期があるのですが、SPエナコムに関しては、聴感上のS/N感が良くなる反面、音の生気が取れて大人しくなる、温度感が冷たくなる、音像の膨らみが取れてスリムになる、中高域が伸びる、そんな印象でした。個人的には同じスピーカー用の並列フィルター(キャパシタ)でも、スピーカーエナコムと比べて歪みを除去する効果が高く、音楽的な生気を失わないradio.wave.cutがお薦めですけれども、音質が違うので環境によってはエナコムの方がマッチするかも知れません。という事でACエナコムは未経験。多分ほぼ同じ様な音傾向だろうとは思いますが、、、これについてはjazzaudiofanさんのレビューが詳しいですのでそちらをご参照下さいませ♪
AudioSpice (オーディオスパイス) ACC18 Signature
アメリカ オーディオスパイス社のACノイズフィルター(AC-LINE CLEANER)。当時の国内定価が7200円。この中では一番無名でしょう。発売当初もオーディオアクセサリー97号(2000年)の片隅で紹介されただけ、それ以降も特に話題になることもなく消えていったマイナーアクセサリーです。どんだけマイナーなメーカーなのか、もはや検索してもヒットしないし、そもそも製造元が消滅している可能性高し…。 昔はメーカーサイトが存在したのか、私がローカルに保存したと思われる画像がいくつかあったので張り付け。 ちなみにこれだけが唯一手元に残り、現役で使用している手放せないACアクセサリーだったりします。
他製品との大きな違いは木製の箱に入っていること。ナチュラルインテリア指向の管理人ですから、当然の如く音がどうこうより見た目で購入してしまいました…。 今更オーディオアクセサリー誌上の鈴木勝夫先生のインプレをかいつまんで紹介すると、
ノイズ吸収用のコンデンサーを一新。高音質抵抗の採用でより効果的な電源クリーナーとなった。使い方は簡単、電源に差し込むだけで再生音の混濁が無くなり、クリーンでスッキリした音場感が表現されるようになる。一音一音の粒立ちが鮮やかに再現されるためにサウンド全体の立体感が向上しも深みのある艶やかな音色と共にリアルでフレッシュさのある再生音だ。クリーンな音場は音の躍動感が増した感じとなって自在な表現力を持ち、今まで縛られていた音が解き放たれたような印象…
なかなか流石に見事なインプレだと思います。実際上記のレビューは非常に的確。ちなみに私の印象を書くと、音像のフォーカスがハッキリ・クッキリして、音場の見通しが良くなります。音色はややクール傾向でアタックの立ち上がりが速く金属的な光沢感と潤いがあり、未使用時に比べて聴感F特がフラットになったように聞こえます。中域は明瞭で楷書的に聴き取りやすく、高域低域両方向に伸びます。響きの付帯音が整理されるため、残響感は僅かに後退するのですが、ACノイズフィルターにありがちな過剰な高域の減衰感は全くなく好ましい方向性です。
クールな音場でテンションの効いた制動性の高いリズムが特徴。基音の震動感が明瞭になります。これを使わない方が明確に音の自然さや自由度(緩い開放感)は増しますので、この部分だけはAA誌の印象とは異なります。使うことで音像のフォーカスが改善する代わりに、やや音に緊張感が生まれます。例えるとピアノ線の張力を僅かに上げたイメージです。箱が木製なのは、中身のパーツの影響と思われるある種のテンションと音色のメタリックさを緩和する目論見ではないかと感じます。
と、そ~んな感じでPS AUDIO NOISE HARVESTERを使うよりも私の環境では聴感上判りやすい効果ですし、変化の方向性もどちらかというと逆方向。色々繋げかえてみましたけれど、管理人宅の現行システムでは、AudioSpice ACC18 Signatureの一個のみ使用が今のところ丁度良いみたい。もし万が一中古でACC-18の出物があったりしたら、サブシステム用に即回収しちゃいますけどね♪
以上、箱庭的輸ピュアオーディオシステムの薦め”AUDIO STYLE”的、並列型お手軽ACノイズフィルターのレビューでありんした♪(*^-^*)♪