ONKYO A-1VL が遂に届きました♪ レビュー(前半)

【ONKYO A-1VL & C-1VL 徹底レビュー】
A-1VL/C-1VL発売|A-1VL(前半)|A-1VL(後半)C-1VL

ONKYO A1-VL&C-1VL

5月です。遂に届きましたONKYO A-1VL。一ヶ月近く品薄で生産納品待ちをしていた期待のデジタルプリメインアンプ。風邪で具合悪くなって昼間から寝てたのですが、この際そんなことは言ってられません!先程開封したばかりの新品でバーンイン(エージング)が全く済んでいないまっさら状態ですが、無謀覚悟で初期インプレしてみます。 

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ちなみにこのA-1VL、エージングで音質がころころ変化するとのウワサをちらほら見かけますので、初期状態でのインプレッションはあくまで参考程度に御願いしますm(__)m

開封してみると意外にデカい。奥行きがかなりあるし、高さも思ったより厚みがある。そして、重い。 歴代の軽い英国アンプに慣れた身にはびっくりの重量。11.3kgですが見た目より遥かに重いですこれ。シルバーのパネルが店頭では良いけど、屋内の照明で渋くなり過ぎ無いか心配でしたが、高級感を醸し出しながら書斎の英国式インテリアにもしっくり馴染んで全く問題なし。並べるとTAG McLaren 60iの素材が少々安っぽく見えます・・・悔しい。

剛性感は抜群♪天板ネジはTAG McLarenVienna Acousticsと同様にヘックスローブレンチ。持ってないやつは空けるなってか?うふふ、トルクスレンチくらい一揃え持ってましてよおほほのほ♪ インシュレーターも最初から豪華な真鍮ハイブリッド?なので交換する必要は無いでしょう。スピーカー端子回りは絶縁型でドイツWBTのポールターミナル…これも豪華ですね、流石日本製。そういえばA-1E ver2もWBTでしたっけ。とにかくオーディオファイルが重箱の隅を付いても文句を言わせないだけの気配りが満載です。

でも敢えて重箱の隅を突つかせて貰うと、デザイン的にボリュームの位置とサイズが微妙に変。最も美しいバランスとなるベストポイントからは微妙にずれていると思われ。ただ、店頭で展示品のボリュームに触れたとき、軽くてスカスカでフィーリングが安っぽかったのですが、届いたA-1VLのボリュームはちゃんとしっかりした抵抗感があります。マイナーチェンジか個体差かしら? TAG McLaren60iの極上のボリュームノブフィーリングには及びませんが、電源スイッチやセレクタの感触はA-1VLの方がカッチリしていて良いです。電源ランプはホワイトダイオード。マクラーレンはブルーダイオード。どちらも明るすぎ。音楽の邪魔になるのでこの辺りはAUDIO ANALOGUE製品等のセンスを見習って欲しいかな?

60iRVさて、音出しをしてみます。先ずは英国の名プリメインアンプTAG McLaren F3-60iを基本に、ウィーンアコースティックT-2をドライブするメインシステムで、そのまま60iとA-1VLを入れ替えます。周辺ケーブル・セッティングなどは当然60iに合わせたままです。CDプレーヤーはCECのTL5100Z

ぱっと出てきた音はなかなかカッチリして良い感じです(^^)。音が空中にふわりと広がるタイプのTAG McLarenよりも安定感がある。剛性感溢れるリジットな構造が寄与しているのでしょう。私はピュアオーディオの高級アンプですよ♪と音の骨格が主張しています。最近の薄型アンプではこのA-1VLとAudio Analogue PUCCINI SETTANTAのコンストラクションの安定感がやはり群を抜いて抜群ですね。

総じてこの次点では普通の音がします。T-2ってアンプを替えるとこんな普通の音がしたんだ~と思わず口から出てしまう位。普通の音がしない筈のウィンアコから良識的な音がする訳ですからちょっとびっくり。逆に言えば、普段のうちのシステムは少々常軌を逸した音場感で鳴ってくれますので、それと比較してしまうとなんだか凡庸な感じがするのも事実。。。

一番心配していた”音楽性”ですがこれは全く問題なし。元気の良い快活な音。色気やデリケートさでは欧州系アンプに及びませんが、生き生きした鳴りっぷりで、いわゆる国産オーディオに良くある暗く死んだ鬱っぽい音ではありません。前に前に元気に鳴ってくるので、欧州系アンプと比べるとちょっとだけ五月蝿いかも。

Vienna Acoustics Mozart T-2で聴く限り、高域の歪み感は極少。耳が痛くなるような音はしません。Fレンジ感が狭いとはいえ、ツィーターもウーハーもぶれなくしっかりドライブしてくれます。店頭セットではなかなか高域が伸びていましたから耳が痛くならないか心配でしたが、全くもってノープロブレム。60iの方は上下に伸びる代わりに暴れてコントロールが大変。それに比べA-1VLは聴いていて危うさが無く、安心感と安らぎ感があります。ただ、店頭で他の薄型アンプを圧倒していた迫力ある低音を期待していたのですが、中低域はもっさりボリュームがあるのですけれど、更に下の本当の低域が弱い。マクラーレンの方が明らかにドスドス鳴ります。これはSPとの相性も大きいのですが、やっぱりエージング待ちかしら?

クラシック系ソースは総じて音数が足りず、音場に混濁感が感じられます。中庸を行く無難な感触が支配的で、格別に高音質とは言いがたいです。逆に洋楽系とジャズ、特にノラ・ジョーンズはドンピシャ見事♪浸れます。声の質感とアンプの質感がばっちりシンクロ。あと邦楽系も良い感じです。この手のソースでは、ギターの質感などハッとするようなリアリティを聴かせます。

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開封して直ぐの本来の性能から程遠い状態でのインプレですが、気に入った点は、歪み感が少なく、音楽性もそこそこ感じられる点。あと、プラス方向のダイナミックレンジが広く中~大音量で美味しい。クラシック以外の音源では見事な相性をしばしば見せます。

・・・気に入らない点。

クラシックで総じて混濁気味。即ちマイナス方向の解像度、ダイナミックレンジが足りない。VLセットの店頭試聴で了解していた音とは全然違った。中高域のキラキラ感は良いのですが、それが低域方向まで統一されていない。なんだかもっさり生暖かい雰囲気です。

店頭では殆ど姉妹機のC-1VLとの組み合わせで試聴しており、過去のインプレ・・・仄かにクールで輝かしく高解像度でハイスピード云々は、全てVLシリーズのCDPとアンプをセットで試聴した際の印象でした。スピーカーはB&W704/エラックCL310.2 JET/オーディオプロImage11/ALR/JORDAN Entry Siその他多数です。実は、アンプ単体でも試聴したことはあったのですが、その時の印象は、今自宅で聴いている音と同傾向で…正直いやな予感がしたのですが、店頭のデモ時の組み合わせや環境の悪さもあるのだろうと敢えてインプレを控えていました。しかし、実際にこうして使ってみると…組み合わせというのは難しいですね。ここはやはり、VLデジタルアンプの真の能力を引き出すには、CDプレーヤーにC-1VLを使わないことには本来の性能の半分も引き出せないのではないか?と今もろに頭を過ぎっています。これで更に人柱+8万ですか?恐れていた事が現実になったか・・・(^^;

ONKYO A-7VL「VL Digital」DAC内蔵プリメインアンプ

ただ、これはあくまでA-1VLほ開封した直ぐでの印象ですので、使っている間に変わるかも知れません。最初の数日はころころ変わるとの話が多いので、今後の変化に大いに期待はしています。ともかく、新品の初期状態では予想していたのとかなり違う音がして少々困惑気味です。エージングが終わるまでメインシステムに繋げておくのはちょっと我慢できないので、こちらにはTAG McLaren 60iを戻し、サブシステムのaudiopro Image11へ繋げてみます。特に印象は変わらず。ピアノでたとえると、クリスタルな右手方向と少々ドライでもっさりした左手方向。最近のヤマハのコンサートグランドCFIIISみたいだなぁ……。 そして人肌の温度感。過去に聴いたアンプで少しだけ近いのがAURAVA200/STINGRAY。高域だけはこれに少し似てる。このきらめき感は気持ちが良いです。反面中低域はMusical Fidelityオーディオアナログみたいな・・・うーん?

とにかく、ヨドバシで色々繋げ換えて試聴した時のような漂う空気感のあるウェットな音にはなってません。試聴時に感じたクールな透明感と音場のゾクッとするようなリアリティが足りない感じです。価格相応には十分に良い音なのですが、私の場合比較対象がTAG McLarenMusical FidelityCREEK・・・etcといったところになりますので、店頭で感じたような他を圧倒する音質的なバリュー感、アドバンテージが感じられないと不満な訳です。また、店頭であまり感じられなかったノリの良さ、音楽性が結構あるのにも良い意味でちょっと困惑(^^;

特になにがいけないって聴感S/Nが足りない感じなのです。なんだかノイジーな気がする?!

C-1VLが無いとだめぽ疑惑がむくむくと頭をもたげつつ、努めて平静を装いながら、とにかくCDプレーヤーをCEC TL5100ZからMARANTZ CDR630に入れ替えてみます。これは地味、可もなく不可もなくどうでも良い音。但しバランスは改善されました。どうやら滑らかで柔らかく割と低域に厚みのあるTL5100Zとの相性はあまり良くないみたい。次はDV-545。クオリティはともかくとして、音質傾向は手持ちでC1-VLに一番近いと推測する。…おお!これは良いかも。DV545側の問題でトータルでは微妙に軽くて安っぽい音ですが、バランスやスケール感は良好。やはり国産系の音質傾向でハイ上がり気味なCDPの方が合うみたいです。となるとやはりC-1VL追加かぁ?…(^^;。…どうする?

CDプレーヤー選びの悩み♪

当初、エージングが済んでいないコンディションの状態で、ONKYO A-1VLの音はC-1VLと合わせてこそ本領を発揮するのではー?などと書きましたが、(今でもそうだとは思ってますが…) ここまで音が良くなってくると、店頭で聴いたあの素晴らしい響きがもう十分に再現できていますし、DV-545程度の初級プレーヤーでも生き生きとした素晴らしい音場感で音楽を聴かせてくれていて、ある意味十分と思えるクオリティ。更にC-1VLを追加するまでもないかなー等と不届きなことを考え始めてしまい…

要するに、ああっ!浮気がしたいっ…。

ONKYO C-1VLを追加購入するとなると税送込みで7万円台半ばの出費になります。これが一番無難ですし、デザイン的な整合性も取れるのですが、既にどんな音がするのかはある程度予想が出来ます。いや、予想が出来ているつもりでいるだけで、たぶん、実際にA1-VLと組み合わせると、店頭で気がつかなかった魅力がまた色々発見できるのでしょうけれど…てか、人にはあっさりワンブランドシステムを勧めるくせに、言ってることとやってることがもろに違うよね(^^)ゝ

元々私のCDP候補には、A-1VL以外にjazzaudiofanさんがお使いのAH!Njoe Tjoeb 4000があったのです。真空管です。色々なレビューを見るにつけ音楽性は抜群に高そう♪周波数スペックなども逝っちゃってる雰囲気を醸し出していてそこがまた良い。

で、Ah!は国内代理店価格で10万5千円程度。

オンキョーC-1VLと比べると少々割高ではありますが…・・常に特別な存在でありたいという私の虚栄心は満たせます…。両方買えよ、という突っ込みをされそうですがそれは無理なのです。色々考えて、Ah!はぐ~○○の小切手で買えないかなどと妄想してみたり…。

…さぁ、どうする?

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