audiopro (オーディオプロ) Image11 スピーカーレビュー 序章

【audiopro Image11について】
序章|その1その2その3再発売

audiopro Image11は、今こうしてブログに書き込みをしている間もPCデスクの後ろでクラシック音楽を奏でている、我が家の書斎のサブシステムとして大活躍しているキュートな小型スピーカーです。スウェーデンのスピーカーメーカーaudioproが数年前日本に紹介され、その輸入第一弾シリーズの中でも最小モデルのスピーカーとして登場したのがこちらのImage11。日本国内では小型ブックシェルフスピーカーとして扱われることが多いのですが、本来はオーディオビジュアル用途、マルチチャンネル用のサテライトスピーカーとして設計されたスピーカーだったりします。→日本輸入代理店サイト ※画像はaudiopro Image11にイギリスのCDプレーヤーCREEK EVO-CD。デジタルプリメインアンプに最新のONKYO A-1VLを組み合わせた箱庭的サブシステム。

audiopro Image11 ONKYO A-1VL CREEK Evolution-CD

この手の海外製スピーカーとしては珍しく、audiopro製品は総じて欧州とあまり変わらない良心的な価格で国内販売されたこともあって、高品位で低価格なオーディオを求めるネット上のオーディオマニアの間で話題になることもしばしば。特に大阪のオーディオ逸品館さんが逸早くaudiopro Image11の音質の良さに着目されて積極的にセールスをされた事もあってImage11の素晴らしい音色を既に体験しているオーディオマニア、音楽ファンの方々も今や日本中に大勢いらっしゃるのではと思います♪

オーディオプロ Image11の特徴の一つに、素直でスムースな澄んだ音色が挙げられます。ワイドレンジを追求した近年の小型低能率スピーカーにありがちな、強力なユニットから力技で音を絞り出すような人工的な部分が無く、一昔前の高能率スピーカーを連想させる何処までもナチュラルで軽快な鳴り方をします。非常に美しいピアノ仕上げの外観からも想像出来る滑らかで潤いのある上品でシックな細身の音色、耳当たりが繊細で聴感S/Nに優れ、北欧の空気を想わせる澄んだ高域は、特に小編成のクラシック音楽や女性ボーカルとの相性が抜群です。キャビネットのピアノブラック光沢仕上げの影響もあるのか、実際にピアノの音色などはもうコレしか無いでしょう♪という程のリアリティで鳴ってくれます。加えて、一聴して明るく軽快な鳴り方の割には内面的なトーンがシックで落ち着きがあり、大人っぽい音楽をじっくりと静かに愉しませてくれる懐の深さを兼ね備えている点も魅力です。管理人がaudiopro Image11を通して静かに音楽を聴く時間は、我が家のメインシステムであるVienna Acoustics MOZART T-2と比べてもずっと長く、クリアにもかかわらず長時間聴いていても聞き疲れしない歪み感の少なさは、小音量でのBGM的な使い方にも非常に適しています。

逸品館 AIRBOW Image11/KAI

オリジナルのaudiopro Image11の弱点はあまり低音が出ないことでしょうか。。。密閉型でf特の公表値でも下が80Hzですので、それ以下の帯域成分についてはそれなりに軽い印象になります。近年人気のある超小型サイズスピーカーの中でも低音の軽さでは最右翼でしょう。この問題点を解決したのが、オーディオ逸品館さんのカスタムモデルであるAIRBOW Image11/KAI。私が使っているオリジナルモデルと比較をした印象(アンプはTAG McLaren 60i)では、周波数バランスがオリジナルとは随分異なる印象で、AIRBOW Image11/KAIはサイズの小さなイメージ11からでもかなりの低音が出せるように内部補強等の改良が加えられ、中域~低域にかけての厚みとオーディオ的な意味での「音質」が改善しているようでした。音色もより濃く深くなっており、低域を重視される場合や、オーディオ的な音質面に加えて例えばジャズの濃い色彩を好まれる方などはAIRBOW Image11/改の方をより好まれるのではと思います。

フルオーケストラなども、オリジナルではハイ上がりで音が薄くなってしまい、量感や実体感の部分などは諦めざるを得ないのですが、AIRBOWのKAIモデルでは概ね問題無く鳴らすことが出来ます。これだけ小さいスピーカーでどんな音楽でも一通り鳴らせてしまうというのはある意味驚きでした。ただ、高域の出方という点では、オリジナルモデルの方がより音色が繊細で明るく、音色が透明でより軽快な印象が際立ちますので、こちらの持つ魅力も決して侮れません。管理人にはメインシステムが別にあることもあり、Image11では書斎のBGMとしてピアノを中心に女性ボーカルや弦楽器の小編成、バロック音楽等を小音量で聴くことが多く、手を加えていないオリジナルモデルの方が自分のライフスタイルには合っているかな?とも思いました。

audiopro_image11&onkyo_a-1vl&creek_evolutioncd

初心者さんのミニコンポからの買い換え候補スピーカーとして、或いは他の小型ブックシェルフスピーカーを使っていてイマイチ音質に満足出来ない場合、既にピュアオーディオを極めていらっしゃる方のサブシステムとしても、audiopro/AIRBOW Image11は一度試してみる価値のあるスピーカーだと思います。但し、低音・音圧・パワー感とは対極にある点だけは間違えないでください。そういった要素が重要になるジャンルの音楽を聴かれる場合はまた他によりマッチしたスピーカーが色々とある筈ですから。

ちなみに2004年末でaudiopro Image11は新型のImage12に切り替わり、Image11については既に本国では生産終了となり、日本国内でも店頭では既に入手困難です。オーディオプロの残り在庫、Image11/KAI/ Image11/KAI防磁型 オリジナル オリジナル防磁型は、これらの普及に尽力されたオーディオ逸品館さんに若干数の在庫が確保されているみたいですので、ご興味がおありの方はそちらをご覧下さいませ。→AIRBOWオーディオプロのページ

次回からはImage11のアクセサリ使いこなし虎の巻?と、audioproの良きライバルであるドイツALR/JORDAN EntrySを取り上げたいと思いますのでお楽しみに♪

【audiopro Image11について】
序章|その1その2その3再発売

o-greenスウェーデン/audiopro(オーディオプロ)
o-greenスピーカー

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コメント一覧 (8件)

  •  初めまして。金剛山と申します。先月、本記事を参考に逸品館に出向きImage11改3を購入しました。Pastel Piano様の解説通りの高音域に精細さと伸びの良さ、低音域も含めた明瞭さと、立体的表現の巧みさに魅了され即日購入しました。オンキヨーファンのためスピーカーはD-112EXLTDを使用してきました。解像度や立体的表現、低音の下限域はD-112EXLTDが優れているのですが、Image11改3には「細かいこと気にせんで良えやん」といった雰囲気の音の拡がりの豊穣さが心地良く、どちらも魅力的です。
     Image11改3でオーディオプロのスピーカーに魅せられ、同社のWigo130を中古で購入しました。Image11改3をスケールアップさせて上品さを加味したような鳴り方です。嗜好にぴったり合致したため、俄然音楽鑑賞が楽しくなり、毎日4時間~5時間は音楽を聴いています。
     オーディオプロはダリやエラックほど大手ではないため、本記事を読まなければ知ることもなかったろうと思います。良いスピーカーを紹介して頂いたことにとても感謝しています。
     これからも様々な機器の紹介を楽しみにしております。

  • はじめまして。HNから察するに大阪の方でしょうか?わたし、病気療養と治療のため、以前にブログをお休みしていた間、数ヶ月間ですが富田林で暮らしていたことがあります。その時金剛山にも車で行きました。audiopro気に入っていただけて嬉しいです。
    逸品館さんはどんだけ沢山仕入れたのか、今でも販売されていてびっくりです。箱ピュアでもノーマルのImage11とImage12が今も双方現役です(主にImage12の稼働が多いです)。唯一の弱点が80Hz以下の低域ですので、今更ですが当時純正組み合わせで作られていたB2.27 MK2サブウーハーを追加できたらな~なんて思っています。Wigo130は残念ながら試聴したことがなかったりしますが、どちらも良いものですので大切にしてあげてください。

  •  はい。根っからの大阪人です。そのため、直接逸品館で試し聴きできました。
     富田林に暮らしておられたのですね。金剛山はてっぺんに到っても眺望の得られない登り甲斐のない山ですが、登頂者数世界一を誇る不思議な山です。Pastel Piano様は横浜在住とのことですね。同じく横浜出身の小田和正さんと鈴木康博さんのファンなので親しみがあります。
     逸品館はオーディオプロ本社に頼み込んで、現在でもImage11の生産ラインを残してもらっているそうです。社長がマランツマニアかつケンウッド、日本ビクター、オンキヨー、アキュフェーズ嫌いなので利用し難い点もありますが、オーディオプロ製品に関しては頼りになります。
     Image11改3も極低音はすっぱり諦めています。ですのでヤマハの廉価サブウーファーと組み合わせて、ポップスや高音楽器中心の管弦楽ではImaeg11改3で、低音重視の管弦楽はWigo130で聴いています。両者共一生使うつもりです。購入時に「二十年先にエッジが経たったら修繕してもらえまっか」と尋ねたら、可能とのことでした。
     さて、Image12は仕様ではかなり低い帯域まで再生できるようですが、実際の鳴り方はどのような感じでしょうか?蚊の鳴く程度の微かな鳴り方なのか、ある程度明瞭に鳴るのか、気にしています。因みに50Hz~のWigo130は大音量ではありませんが、どの楽器の音か区別出来る程度に正確に描写します。家族に机上サイズのスピーカーを贈呈する予定なので、気になっている次第です。極個人的な質問で恐縮ですが、お暇があればよろしくお願い致します。
     それでは今後の更新も楽しみにしています。失礼致します。

  • こんばんは。大阪にいたときは入院とほぼ毎日放射線治療で、残念ながら逸品館に伺う余裕がありませんでした。学生時代から色々と参考にさせて貰っている&いくつか購入したこともあるので一度お伺いしたいところではあるのですけれども。
    Image12はスペック上一応下は50Hzまで出るには出る・・・のですけれども、密閉型ですのでまぁあまり期待しない方が良いです。ノーマル同士での比較ですが、基本的にはImage11と同じ音色で上下に少しだけレンジが拡張されている感じです。そしてImage12の方が少し元気。僅かにドンシャリ(Image11比で)になるぶん、逸品館での評価は芳しくなかったのですけれども、実機を両方使っている身としては、Image12のほうが良い方向に正常進化していると感じます。音を聴く限り、設計したaudioproとしてもImage12の方がより高音質と思って作ったのではと推測。低域方向の改善よりツィーターが良くなってるように思います。
    とはいえ、KAIになるとかなり音色がちがってしまうので、Image11ノーマルとImage12ノーマルの差よりも、Image11/KAIとの比較の方が、よりかけ離れていると思います。Image11/KAIとImage12比較した場合、逸品館のチューンする方向性と逆の明るい方向に進化しているので、社長的には受け入れがたかったのではと。
    音質(レンジ感と解像度)と音楽性ではImage12が上。ほんのり懐かしいナチュラルな空気感が音色に残るのはImage11です。

  •  こんにちは。詳細に解説頂いてありがとうございます。Image11改はオリジナル機とすこしく傾向が違うのですね。Image11改購入時に、店員氏が「ほぼ自社設計品です」と言っていた理由が分かった気がします。贈呈相手は父親で、嗜好も私と良く似ているので(正確には私が父に似ているので)、オーディオプロ製品なら合うだろうと考えていたのですが、簡単には決められなさそうです。
     候補はImage12とBlacRubyなのですが、父の好みに合いそうなのはImage12だろうと思う一方で、アンプがアナログ時代のインテック205と非力なため、抵抗値8ΩのBlacRubyの向いているか、あるいはアンプ交換とセットでImage12にするか、考えどころです。
     Pastel Piano様の解説はとてもためになりました。特にImage12は音楽性が向上している一方で逸品館改造機とは方向が違うという見解には、やはり音楽は人間が聴くものなのだなと感じ入りました。おそらくImage12+A-905FX2の組み合わせになりそうですが、分かり易く詳しい解説を頂けたことに感謝致します。

  • 能率は気にされなくても大丈夫です。公称インピーダンス4Ω87dbですが、裏に8Ωのアンプに最適化されてるって英語で書いてあります。ユニットが軽くて鳴らしやすいので、アンプは小さなデジアンや真空管など、極々非力なものでも全く問題ありません。INTEC205のA-905FX2でしたらドライブ力は十分以上です。将来的にはシンプルな回路で透明な音がするアンプを奢ってあげると更にグレードアップ出来るかと思います。

  •  アンプの件ご教示感謝致します。父の書斎にはA-933の設置すらままならないので、小出力のアンプでも能力を発揮してくれるのは、とても助かります。シンプルな回路で透明な音。といえばNmodeの音量調節可能パワーアンプX-PW1を所有していますので、C-705→DAC-1000で底上げ→X-PW1という組み合わせも面白そうです。
     まずは父の書斎机の片付けから入らねばならぬので設置まで時間がかかると思いますが、とても有意義な助言をありがとうございます。
    余禄
     Image11改3は哀切や陰影をよく表現してくれますが、明るく陽気な曲は得意でないように感じます。逸品館社長の嗜好が想像されて興味深いです。オーディオプロ謹製のWigo130は基本は明るく軽快に(決して軽薄ではなく)、一方で哀切や陰影も表現してくれる奥深いスピーカーです。カール・リヒターとミュンヘン・バッハ管弦楽団による「ブランデンブルグ協奏曲」がよく合います。尚、上流機器はX-PW1+オンキヨーP3000R、パイオニアN70Aです。極めて主観的な感想で恐縮ですが、オーディオプロは良質の機器を安価で提供する良い会社だと思いました。

  • >明るく陽気な曲は得意でないように感じます
    >逸品館社長の嗜好が想像されて
    AIRBOWの音はまさにそんな感じですよね。チューンされると低域は出る反面、高域は暗い音色になる。MARANTZもaudioproも元の音色がハイ上がりで明るいのでバランスが良くなるとも云えますけど。オリジナルとの比較試聴、貸し出しが出来て良心的だとは思います。

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